新しい脅威・・
「つぅ・・・」ジュリナ
重く痛む体を引きづって病院の屋上へ・・
ジュリが帰った後に、ジュリナはすぐに大刀に電話を掛ける・・
「すぐ会えるところに居るって」ジュリナ
『・・・・・・・・・・』大刀
どっちだ?ジュリナも指摘したが・・
「生きてるんじゃ?純也って?」ジュリナ
あの後、息を吹き返した?
そしてジュリが『純也はもう表に出すな』をちゃんと実行してるのか?
生きてるのなら、こちらの不安はもうない。
ジュリを口封じで殺す必要もなくなる。
「今、現場じゃ・・」大刀
『あ、はいっ!ではまた』ジュリナ
やはり大刀さんは行動が速い・・
その現場では・・
明らかに車ごと埋められた形跡がある・・
じゃあ車だけ埋めたのか?なぜ?
息を吹き返したなら、それはそれで報告してくるはずだ。
純也は死んでるはず・・
息を吹き返して病院等に行けば足は付くはず。
それがこちらに警察の事情聴取がない所を見ると病院には行ってない。
だが生きていたとしても、もう脅威ではない。
ガキ共の抗争は俺の筋書き通りに終わってすべての利権を奪った。
だが死んでるのなら、やはり死体遺棄したジュリは邪魔だ。
不安なのは、ジュリが死体だけを別の場所に隠した場合だ。
もし死体が見つかれば当然疑われる。
俺があの夜八丁から純也を連れて行った目撃者は多々いる・・
北九州の兄弟に頼み、
死体の処理に詳しい者と一緒にここに居るが・・
「大刀さんこりゃ・・」
ここには死体はないですよ・・
いくら車ごと深く埋めたとしても・・
「独特の腐敗臭はわずかに匂います・・」
それがここにはない。
ということは車だけ埋めたということ・・
死体は別の場所・・もしくは純也は生きている。
しょうがない・・
「・・女の子の死体処理を頼むかもしれん」大刀
「ええ。いつでも」
直接問い詰めようジュリを・・
もう物語は終盤だ。あいまいにせずキッチリ答えを出そう。
死んでるなら死体の場所を問い詰めて、
ジュリの口を封じよう・・
『すぐ会えるところに』のジュリの発言は、
埋めると二度と見ることが出来なくなる・・それが嫌で、
埋めずに、いつでも見れるような場所に死体を隠した?・・
もしくは、
いつか俺を裏切って飛ばす爆弾として、自分だけが分かる場所に隠した。
その死体に大刀が殺した等の手紙でもあったら大変じゃ
純也が生きてるのなら、ジュリはまだ使える。
俺の『純也は表に出すな』を真面目に実行してるのだ。
これほど忠実な人間はずっと使える。
だが・・
「なんで繋がらんのじゃ!」大刀
ジュリの携帯は不通・・
ちょっと共黒会に不安要素が出てきたから急ぎたい案件だ。
とにかく市内に戻ろう・・
その市内ではすでに新しい脅威が動き出している・・・
「いきなり頭同士のタイマントーナメントはないじゃろ」
「大体、ウチ頭不在だしな・・」
紙屋町ジェイフォージェイ総長
「まぁ、『純也』君のおかげでもあるしな」
「ああ。ウチが名前売れてるのもな」
「はよ年少から出てきて欲しいわぁ」
「会いたいわぁ~純也君に。もうキスしちゃう」
「ぷっ」ジュリ
総長の純也は少年院だ・・
殺しで・・
そして周りからこう言われ出せば、さらにジェイは光輝く。
殺人上等ジェイフォージェイ・・
「・・・・・・他には?」花元
「そうっすねー、エピソードっすか?
まぁ色々とノブオさんからも聞いてる話もあって・・」
元ジェイフォージェイのメンバーに今まであったこと、
謎だったような事、なんでも教えてくれるかと会いに行った花元。
水沢さんが殺された・・
最後多少考えの違いで仲たがいすることにはなったけど、
俺が唯一認めてる廣島の男じゃったあの人は。
事務所に行ったが若い衆はとっくに戦意喪失。
全員が沖縄の組織へと加わった。
そしてもぬけの殻になった事務所は俺が買い取ったそして・・
花元の襟元に見える鎖付きのバッジ・・
「花元君、本当に共黒会に入ったんですね!」
「ええから、他のささいな事もっ」花元
「そうですねぇ、あとはぁ・・」
20年?
殺しのはず・・
いやっ!違う!
懲役20年うたれるのは・・
殺しは殺しでも・・
「・・素人カタギ」ノブオ
「・・・・・・・・・」大刀
読めりゃーせん・・・
大刀の頭の先の事は・・
誰だ?
カタギで思いつくとしたら・・
「はよ拳銃貸しんさいや」ジュリ
「ジュリ頼むぞ」
「廿日市位まで行って海投げえよ!」
もう分けわからんけど、
大刀さんの言うことじゃけ聞かんといけんじゃろ。
事務所に撃ち込んですぐ拳銃海に捨ててこいって・・。
「おいっジュンヤはどこなんだよ!ジュリっ」堂嶋
ジェイフォージェイ総長のジュンヤ
謎に包まれたままだが・・
「本当に知らない!連絡は来るけど会ってない!」ジュリ
「・・・本当汚ねぇよなっお前等」堂嶋
総長やられるまで負けじゃないってか?
もう何か月見てないだろうかジュンヤを。
殺しで少年院だなんて嘘だ。なぜなら・・
「俺が潰したんだからよ」堂嶋
タイマンでボッコボコにしたのが数か月前だ。
そして壮絶なヤキ入れてやったが・・
「大刀さんが出てきて連れて行ったんだよ!」堂嶋
「・・・・・・・」ジュリ
数か月前・・
『ジュリ、ジュンヤはもう表に出すな』大刀
『・・・はい。』ジュリ
殺しで少年院とか言っとけ。
隠せば負ける事はない・・・
トップでいろ・・『まだ』しばらくこの広島で・・
「あ!、そうじゃ!」ジュリ
う、ウチも早めに言っておこう・・
なんかおかしくなりそうだから・・
「ジェイフォージェイは総長が不在じゃけど・・」ジュリ
殺しで少年院でシャバに居ないだなんて言われてるけど・・
「・・・おるよ。」ジュリ
「・・・・・まぁ・・」ジュリナ
「ほう・・・」田平
「ジュリナが撃たれた!」
「救急車!」
「ほぅ・・。」水沢
「おわぁっノブオじゃ!!頭っノブオが撃ちやがった!」若衆
罵声悲鳴が交錯する中に少し甲高い声が聞こえた
「意味分からんのじゃ!」ジュリ
「絶対に言わんでくださいよ花元君っ」
「分かっとる」花元
でないとウチのメンバーとジュリが銃刀法でパクられる・・
いくら大刀さんの指示だったとはいえ・・
後、本当に純也君はどこにいるか知らないです。
ジュリだけが知ってるみたいです。
「・・ほらっ。逆に俺に聞かれた事も言うなよ」花元
「おわっマジでこんなにくれるんですか!?」
チョロイもんだ。金持ってない中途半端な不良なんて、
この300万見たらなんでもしゃべりやがる。
純也は居る・・・これはジュリだけが知ってるみたいだ。
そして今すべての抗争が終わった後でもなぜか噂も聞かない。
負けないように隠したのであれば、もう出てきてもいいはず。
ノブオさんはジュリナを撃って、大刀さんに殺された。
なぜジュリナを狙った?ここが一番の謎だ。
『ジュリ、ジュンヤはもう表に出すな』
もしこの言葉が・・
「純也を殺して隠せだったのなら・・」花元
何か原因があって大刀の邪魔になった純也
きっとノブオさんに純也殺しの指示を出したが、
ノブオさんは出来なかった。
そりゃそうだ地元のかわいがってる後輩だ。
それをジュリナが請けたんだ・・純也は私が殺すと。
「いや・・もしくは・・・」花元
純也ではなくて・・
「・・・ジュリナぁ・・ジュリを殺せ・・・」花元
これならどうだ?いや、これもあるぞ!
ジュリを殺されるくらいならと、ノブオさんがジュリナを狙った。
何を握ってる?ジュリが・・
なぜ殺される?
純也はおるよ・・・シャバにはおるよ・・・
「・・・は、純也は広島に隠れて居るってことか?」花元
この騒乱にいつでも参戦できる位置。
もしくは不良を引退してないという意味もか。
どっちにしろ何かの爆弾にはなるじゃろ純也が。
それに天野さんの組への発砲?
これが全部めくれれば大刀を飛ばせる。
さぁ、あとは本丸ジュリに会って話を聞こう・・
これはかたき討ちじゃないぞ・・・
「廣島が廣島である為の悪あがきじゃ!」花元