『消える前の純也』
「なんで大刀さんが出てくるんですか!?」純也
「純也君やめぇって!」ジュリ
紙屋町にある事務所に連れてこられた純也。
先ほどまでは八丁で堂嶋に猛烈なヤキを食らってた・・
「俺はとことんやりますよ!」純也
今回は堂嶋にヤラれてしまったが・・
「廣島の男は負けて黙っとられんのじゃ!」純也
殺す・・大人数で俺一人にかかってきやがって・・
何がタイマンだよ!
最初だけで、不利になったら途中から仲間と大人数でよぅ!
「堂嶋も田平もジュリナも全部俺が潰しちゃりますよ!」純也
「・・・・・」大刀
めんどうじゃ・・
もっとクソでええんじゃジェイフォージェイは。
本気で熱い男なんて扱いづらいだけじゃ・・
もっと簡単に言うならば・・
「わりゃ!ワシを舐めとるんか!」大刀
「がはぁ!」純也
廣島は要らんのじゃ!
ましてやこんな近くで!
「純也君も悪いって!大刀さんに向かってそんな口ぃ!」ジュリ
大刀に灰皿で殴られて倒れる純也を気遣うジュリだが・・
「・・・・ぅ・・・・・ぅ・・」純也
「大丈夫!?純也君っ!?」ジュリ
かなり痛そうに倒れていたが・・
「このっくそがぁ!!」純也
「やめえって!大刀さんに何するんよ!」ジュリ
まだこの状況で大刀に飛びかかろうとする純也を止めるジュリ
ほんっとコイツは!
なんでこんな爆弾みたいなのがジェイフォージェイ継ぐんじゃ!
こんなぁ・・下手したら・・
「ワシが廣島取るんじゃ!大刀さんもそれでええじゃないですか!」純也
本当に廣島取るぞ・・
困るんじゃ・・お前に廣島取られると・・
「わりゃ!ええ加減にせえや!」大刀
『ドガッ!!』
少しワシも熱くなった・・
いや、逆か。ガラスの灰皿は思い切り殴ると割れるようになっている
この血まみれの純也に少し手を弱めてしまった・・
割れない程度のが一番重い打撃になる・・
鈍い音がして倒れた純也に駆け寄るジュリ
「やばい!大刀さん!息してない!」ジュリ
くっ!なんでこんなことになるんじゃ!
「軽バンは運転できるか?」大刀
「オートマじゃったら!」ジュリ
くそっ今はノブオも本部当番で居らんのじゃ。
「ええかジュリ・・」大刀
いつでも車ごと埋めれるようにしとる場所がある・・
そこに車入れたらひたすら土かけて埋めろ。
後は雨降るたびに固まっていく。
絶対に見つかる事はないように・・。
『ジュリ、ジュンヤはもう表に出すな』大刀
『・・・はい。』ジュリ
殺しで少年院とか言っとけ。
隠せば負ける事はない・・・
「うう・・純也君・・・」ジュリ
「ジュリっ!はよう行けや!」大刀
くそ!ガキ殺したのがバレたら死刑まであるぞ!
ジュリは飛びかかってきた純也にしょうがないみたいな感じじゃったけど・・
「こいつも、いつ裏切るか分かりゃぁせんぞ・・」大刀
くそっ!いつかジュリも・・・
「ワシの動き出した計画は止められりゃせんのじゃ!」大刀
ワシが日本のドンへ・・
まずは北九州、山口と組んで、そして・・
「水沢を殺して流川じゃ!」大刀
無限に湧き続ける金を・・この流川を押さえる事が大事じゃ。
電話を手に取り、出勤中だとは思うが・・
「ジュリナぁ!すぐ来てくれ!」大刀
『は、はいっ!』ジュリナ
すぐにジュリナを呼び出し・・
「なんでも薬剤撒いて綺麗にしてくれや」大刀
「はい!」ジュリナ
血痕を残さぬようにありとあらゆる洗剤をブチまけ掃除。
「ふぅ・・」大刀
埋めやすく回りに土を盛っとるが、
ジュリ一人で車を埋めきるには相当時間がかかるじゃろ・・
下手したら丸一日はかかるか・・
まぁ、山奥の私有地で人目に付くことはない。
もしもの時に用意しとって正解じゃったわ。
「終わりました」ジュリナ
「おう。ありがとう」大刀
そして・・
「じゃあ帰りますね」ジュリナ
「お前は本当ええ女じゃのうぅ」大刀
よう分かっとるわ。何も聞かんと。
ただ難しいのはジュリと合わんことじゃ・・
まぁ不良の女同士じゃ合わんのも当然か。
「・・・ワシはどこまでも行くぞぉ・・」大刀
このヤクザ社会で・・廣島も飛び越えて
「はい。付いて行きます。」ジュリナ
私もどこまでも行く男がいい・・
誰よりも上の男の女になりたい。
流川で誰もがうらやむ女に・・
とにかく流川で他の女には負けたくない。
「ああ、それと・・・」大刀
「はいっ」ジュリナ
今、この広島で俺の邪魔になるものが三つあるとしたら・・
爆弾純也
流川水沢
そして圧倒的資金力の・・
「花元の銭、吸えるだけ吸えっ」大刀
「・・・はい。」ジュリナ
金はすべての嘘さえめくってくるぞ・・