表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廣島  作者: 火村虎太郎
25/37

新しい時代の始まり・・


「・・つぅ・・・」水沢


(兄弟ぃ・・)沖縄補佐


この幹部会を見守る為、末席に正座して待つ沖縄補佐


すばらしい判断じゃ。

俺を勝つために使わず生き残る為に使った・・


どう考えても急に生まれ育った廣島を捨てれるもんじゃない。

全くの無罪で勝ちのカードもあるのに早々に負けを認めた・・


たった大刀の唇噛みしめた仕草だけで・・


「なんや大刀も盃の話があるんじゃろうが」会長

「はいっそれでは・・」大刀


「・・・・・」水沢


やはりきた・・


すべてに対して俺を上回ってくるはず・・

いきなり飛んで関東の若頭か!?


これなら俺がもし2億と沖縄を出しても上回ってくるはず・・


「では今回・・」大刀


私と、兄弟分達の正式な五分兄弟盃を認めていただきたく・・


「・・・・・・」水沢


兄弟・・達?


「失礼しますっ」

「失礼しますっ」


そして現れたのは・・


「私、長州山口で頭補佐をやらさせてもらってます・・」


名門金筋ヤクザ・・


「わたくしっ北九州小倉の理事長を務めさせていただいてます・・」


武闘無頼暴力団・・


「ほうっ・・」本家幹部

「こりゃまた・・」本家幹部


「ふむ・・」会長


貫目・・武力・・金、歴史・・


なるほど・・

これが成れば・・


広島、山口、北九州と鉄壁の地場ができる・・

反、日本最大暴力団神戸の組織との・・


「・・・・・ええのぅ」水沢


そりゃほくそ笑むわ・・ワシの惨敗じゃ・・


「・・・盃だけじゃなさそうだぞ兄弟・・」沖縄補佐


盃だけじゃない?

もうこの時点で圧倒的敗戦だぞ・・


「そしてこの三人で・・」大刀


芸州広島、長州山口、北九州小倉で・・


「三州連合会なる青年部を・・」大刀


あくまで、何かあっても上(本家や親分)には、

お咎め、責任なしのゆるやかな独立組織を・・


「新組織じゃと!!?」水沢

「新しく代紋上げる言うんか!?」本家幹部

「ほうっそれは・・」会長


何か例えば日本最大の神戸とコトが起こった時に・・


「上の指示じゃなく勝手な判断で若手(新組織)が動けます」大刀


本家は知らぬこと・・

暴対法で上が引っ張られることがないように・・

あくまで新組織が動いた事・・


「そんな理想が可能か?」本家幹部


すでに役職にある各組織の幹部にはこんなにおいしい話はないぞ・・


喧嘩になったらすぐに飛んで行ってくれて、

本家幹部連のウチらは、まったく知らぬこと、指示もなし・・

金も今まで通り上部に上納してくれるだ?


「まぁカタチ上は親戚付き合いする多団体に上納と・・」

「こちらの本家の了承もすでに得てます・・」


あくまでシマを借り受けてる上部団体にと・・


ざわ・・


「・・・悪くない話じゃが・・」

「まさか新組織とは・・」

「じゃが、確かに暴対法の裏をかける・・」


(ふふ・・・)大刀


もう古いヤクザは腐っている。

昔の武骨・・懲役に行きたい役職などは居ない。


ただ夜の街でデカイ顔して、

少しばかりの小銭が入り続ければそれでいい・・


見ただろ?さっきの大金・・

俺がポンっと用意した2億。俺なら出せるぞ・・。

甘い汁だけ吸って威張っていたいだろ?


抗争になったらとは言ったが、くく・・なるわけがない。


今時分のヤクザに抗争する気はない・・

懲役に行ってくれる若者がいないのだ。

ましてやこの連合相手に誰が抗争を仕掛けたい?


ここは新時代の若い連中の集まりだ。

他所の新旧入り混じったヤクザなんて恐くもない。

たとえ抗争になっても、

切羽詰まった貧乏爺さんがせいぜいガラスに打ち込むのがやっとだ。


「しかし急に・・」

「いや、だが・・」


ふふ・・


場面踏んでるだけ・・

悩んでるふりの・・


「・・でもまぁ・・小倉と山口も了承取れとるなら・・」

「ふむ。この暴対法の中で生き抜くにはこれぐらいの改革が・・」


くく・・恐いじゃろ?

山口の貫目に修羅の国の殺しは。


「ふむ。それで、もし・・」会長


その新組織がなったら・・


「誰が頭になるんじゃ?」会長


頭はそれなりに責任を被ることになるぞ。

すぐに指定暴力団にも指定されるだろう・・。

そうなれば懲役に行くのは使用責任者の頭だぞ・・


「それは、貫目からいって・・」大刀


(早い・・返答が。山口にやらす?)水沢


きっといくつものシュミレーションを考えてたはずだ。


まぁ長州の古い博徒の金筋の貫目はヤクザ社会には価値がある。

今のヤクザは博徒ではなく『暴力団』や『ヤクザ』がほとんどだ。


「いえ・・自分なんか金のない者が・・」


謙遜合戦の始まりかな?


「自分も殺し専門の暴力団ですし・・」


結局・・


「一番バランスのいい大刀がええかと・・」

「ワシも広島がええかと・・その分負担はかけますが・・」


おいおい・・


さっきまで俺と広島の次を争っとたんじゃぞ・・

それが・・


いわゆる指定されるような暴力団の組織は両手で数えられるほどだ。

その日本の裏社会のトップ10に・・


お前が(大刀)入るんか!?


「では・・じゃあ・・・」大刀


責任・・負担・・すべて・・


「私が引き受けさせていただきます」大刀


ふふ・・


ぶはははははは


水沢?


誰だそれ?



さぁ・・新時代の始まりじゃ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ