匂いが違う男
ジュリナが急転直下で急いだ連合・・
「答え合わせはまた明日にでも。」ジュリナ
邪道四陣・・・
ジェイフォージェイ・・
「ただし・・」ジュリナ
邪道四陣の事は他には口外せずに。
「・・・まぁ、帰って調べるわ」田平
「そうやな・・。」ジュリ
確かにずっと謎だった・・
ノブオさんも過去の総長ってのは聞いたこともあるけど、
ネットでジェイフォージェイを探しても、
過去のことは何一つ出てこない。漢字表記も分からなかった。
過去の広島のどれかの暴走族とは思うけど。
「ああ・・そうじゃ。」田平
ウチは呉と福山にも少人数だが支部があるから・・
「少し兵隊足せそうじゃわ」田平
「助かる。」ジュリナ
「あ!、そうじゃ!」ジュリ
う、ウチも早めに言っておこう・・
なんかおかしくなりそうだから・・
「ジェイフォージェイは総長が不在じゃけど・・」ジュリ
殺しで少年院でシャバに居ないだなんて言われてるけど・・
「・・・おるよ。」ジュリ
「・・・・・まぁ・・」ジュリナ
「ほう・・・」田平
持っとるやないの、ジェイも隠し球を。
「・・じゃ・・そういうことで・・また明日の夜にでも」ジュリ
なんだろう・・ジュリナの真剣さというか、
負け濃厚!って感じのさみしさにヤラれたというか・・
あのジュリナがあんな顔するなんて・・
多分邪道四陣を調べればウチも答えは分かるじゃろ・・
「・・・よろしく!」ジュリ
恥ずかしかったけど・・犬猿の仲じゃったのに・・
じゃけど、一応連合やし・・金も出してもらえるし・・
でも本当は、
何かジュリナが悲しく見えたから励ますって感じで・・。
「・・・よろしくな。ジュリとジュリナ・・」田平
田平も同じように感じて声を出した。
兵隊の補強もそうだ。
ジュリナが何か・・死んでしまいそうに見えて・・
連合の始まりって・・
こんなに悲しいもんだっけ?普通やる気に満ち溢れるもんじゃ?
「また明日の夜に・・」ジュリナ
「おう・・」
「わかった・・」
何かよく分からないが悲し気な船出・・だったが・・
「俺はジェイフォージェイって・・」田平
ジュリとジュリナの事と思ってたぞ・・
実は二人が裏で繋がっててって・・
「なっ!違うわ!」ジュリ
「ははは。ジュリフォージュリナ?」ジュリナ
「スッ・・」
「スッ・・」
「・・スッ・・」
何か最後に笑顔が出て、去り際に皆が軽く手を挙げた。
じゃあ・・また・・明日・・
「・・・ジュリナぁどーしたんじゃ・・」ジュリ
最後に離れていくジュリナの背中を見たが、
本当に気力が無くて寂しそうだった。
「・・・ラインしたろ!」ジュリ
早速聞いたline。
今までは敵じゃったけど、昔の敵は今の友じゃ。
理由は分からんけど、励ますというか・・
『黒ジェイ!って略すとかっこええな』
「・・・・すぐに既読なれやボケ」ジュリ
本当っキャバ譲ってのはよう・・
どうせlineのメッセージ溜まりまっくってんだろうな。
そしてジュリは自宅に戻り、
「邪道四陣か・・」ジュリ
ふふ・・
緊張感を忘れ少し笑みがこぼれる。
これが背負いたかった文字・・
廣島邪道四陣紙屋町総本部・・か・・
めっちゃ極悪そうでええやん。
さっそく自宅のパソコンで検索を始めるジュリ
「ポチッ・・」
歴史が見れる・・
自分のチーム・・
ノブオさん・・そして大刀さんの過去・・
てかよく見つけたなジュリナ。どうやって見つけたんだ?
「おっ!やっぱチョロチョロは不良スレに出てる!」
邪道四陣の文字。
だが・・
「・・・東京?」ジュリ
はぁ?
東京?
出てくるのは東京の不良スレばかり・・
そして遂に・・
『渋谷の大刀と天野があの世代じゃ最強だろ』
『邪道宇田川と邪道円山町ね』
『邪道って何個もあるの?』
『渋谷だけで4つあった』
『渋谷の結界。邪道四陣』
『邪道四神じゃないの?四陣?』
『陣が正解。邪道の渋谷第一陣宇田川とか』
『1J、2Jとか略してた』
『その後、他所との抗争にそなえて合流して新チームが出来た』
『正確には渋谷の喧嘩選抜隊』
『伝説のチームな』
『東京喧嘩無頼!』
えっ・
どういうこと?
大刀と天野って絶対あの二人よね・・
そして・・
『道玄坂の壬生さんもヤバかったな』
これでほぼ間違いない・・
「ガチャ・・」
「また出かけるの?」
「ちょっと・・・」ジュリ
「ブルン・・」
単車にまたがり・・
何これ・・
「うおおおおおおお!」ジュリ
「ははは。どこぞの姉ちゃんが叫びながら流しとるで」
「フラれたんじゃねぇのか?ははは」
そうだね・・なんかフラれたような気分。
ただ走ろう・・今は。
そういえばぎこちないような・・
大刀さんの広島弁の喋り・・
次の日にlineで連絡を取り合う3人だが・・
『ごめんアフター入って時間取れない』
『まぁ俺はずっと流川におるから』
『じゃあベリクレ偵察特攻部隊してくる』
早く声に出して答え合わせしたい・・
『衝撃だな。少しパニックだわ』田平
「ふむ・・」ジュリ
田平もやはり調べて気づいたか。
早くウチの自分勝手な考え言いたい・・
東京で天野さん見たのとか、ノブオさんも怪しいとか・・
「きっと全員東京の人・・」ジュリ
大刀・天野・壬生・ノブオ・後、八王組の若頭?も?
ただこれがどういった経緯で広島に来たのかは分からない。
「・・・・ああああ!?」ジュリ
そういえば・・
八丁のアイツって・・
これか?ジュリナの悲しそうな原因は・・
行ったろ。偵察に。
どうせいつものアリスガーデンでナンパしとるだろ。
「原付借りるよ」ジュリ
「八丁行くならフルフェイス被って行けよ!」
ジュリはメンバーのスクーターを借りて八丁堀へ。
まだベリクレの総戦力は動かない。
これは3人とも確信してる。
『動くのは週末だと思う』ジュリナ
『だな。証人が居る時に潰しに来るだろ』田平
『金曜か、土曜日か・・」ジュリ
というよりすでにネットスレを使った広告作戦も始まってる。
『今週末ベリクレが動くってよ!』
『紙も流も最後の意地見せるか?』
『全面戦争?見に行くしかねぇな』
『一気にカタつくんだな』
『局地戦はもう始まってるぞ。やはりハーバード強い』
『ゲリラ攻撃してるな田平が』
『小競り合いはハーバードが押してる』
えっと・・今日が水曜日だから・・
「・・・後2日か3日か・・」ジュリ
てかアリスにおらんじゃないか・・
兵隊は何人かおるけど。
ハーバードがもう当たってるらしいからそっちか?
「堂嶋ぁ、おるかぁ!あっ!」ジュリ
ベリクレの総長が堂嶋という男だ。
てか、あわっ!やっちまった!
偵察だけの予定だったのに、声出してしまった。
やばい、逃げよう。てか人込みの騒音でかき消されてろ!
くそっ、大刀さん達の事で熱くなってた・・
だって・・最後のゴールがどんなのか分かんないけど・・
ウチもジュリナも広島もみんな・・
ただ利用されてる・・されてた・・だけだよね・・大人に・・
「ズシ・・」
「んわっ!?」ジュリ
急に沈む原付・・
そう・・誰かにケツに乗られた・・
「・・居るよっ。よぉブスぅっ」堂嶋
ようこそ・・
広島のど真ん中、八丁へ。