表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廣島  作者: 火村虎太郎
12/37

廣島流紙連合ブラックジェイ

あれから数日たったが、

発砲事件のゴタゴタはまだ治まりそうもない。

ジュリは相変わらず神出鬼没でかき回してる。



「・・・今夜・・遅くていいからJのブス呼んで」ジュリナ

「ジェイフォージェイのジュリ?」黒服


なんじゃ?何があった?

このジュリナは何を感じて・・


「あと、ハーバードの頭も」ジュリナ

「ハートバードもか?」黒服


ハートバードを略してハーバードだ。

その頭をしてるのが『田平』とにかく古いタイプの悪党だ

ハーバードの主なシノギはボッタクリに強盗・・


「・・・お店が終わる・・3時でいいか?」黒服

「お願い」ジュリナ


何だ?ジェイとハーバード?

そして黒姫・・


この抗争のピースで呼ばれてないのは八丁の2グループ・・・


「なんならっ!急に呼び出してから!こんな夜中」ジュリ

「俺も連合だがジュリナの下なつもりはないぞ」田平


不思議なメンツだ・・

仲の悪いジュリナとジュリ。

今さっき田平達の攻撃を受けたジュリ。

一応、形だけは流川連合の黒姫とハーバード・・


「・・まず・・」ジュリナ


明確に聞いておきたい。この抗争・・


「やる気はある?」ジュリナ

「あるじゃろ!特攻服靡かせたい!」ジュリ


「・・・まぁ・・俺も・・」田平


歴史に名前は残したい・・この広島の不良の・・

ここで名前を残せばそのネームバリューで、後10年はしのぎも安泰だ。

伝説・・縦文字を復活させた男として。


「・・・お前もか?」ジュリナ

「ウチもや!」ジュリ


すぐに即答するジュリだが、ジュリナには響かない。


「ふーん・・」ジュリナ


この抗争で重要なのは何だ?

この抗争の始まりは何だ?

この抗争の目的は何だ?

何が最善のエンディングなんだ?


「・・・ジュリナ、何かネタ持っとるんか?」田平


今日のこの3人の集まり・・急な呼び出し・・



「八丁堀のダークは解散して傘下に入ったよ・・」ジュリナ

「えっ・・・」ジュリ


八丁堀にあるチームは二つ・・・

チーマー系の八丁堀サンパチダークと・・


「ベリクレか・・」田平


なんだかんだ広島言うても・・

紙屋町・流川と繁華街はあるけど・・


「ど真ん中は八丁やろ」ジュリナ

「・・まぁな」田平

「ま・・まぁ」ジュリ


ど真ん中は八丁・・

流川も一等地だが、やはり若者の一等地は八丁・・


そしてダークは解散して、ベリクレが吸収・・

八丁の不良利権はベリクレが総取り。


「・・・結構自体は深刻。」ジュリナ

「・・・八丁の2チームが組めば数も圧倒的か・・」田平


えっ?じゃあ・・


「・・・連合組むって事!?」ジュリ

「それで呼んだのか?」田平

「・・・・・・・・・・・」ジュリナ


この3チームで?

ハーバードと黒姫は分かるけど、ウチを入れて?

このクソジュリナがウチとぉ?


でも確かにウチは八丁に攻められると負けるだろう。

対抗できるのはハーバードと黒姫の流川連合くらい。

だがそれもやはり勝ちそうなのは八丁だろう。


「もし広島の歴代の不良をランキング付けしたとしても・・」ジュリナ


過去・・大刀さん達の時代から、暴走族全盛の時代・・

そのすべての時代の寵児達を寄せ集めても・・


「・・八丁のあいつは上位には居る。」ジュリナ


嫉妬よ・・すでに・・

数年前アイツを初めて見た時から。


カリスマ性というか、華があるというか・・

素質も十分・・

いずれこの不良という時代を踏み台にして、

広島ヤクザの本城へと上がって行くだろう。



「もう、縦文字名乗るらしいよ・・」ジュリナ

「はぁ!?まだ八丁まとめただけじゃろうが」田平

「そうじゃ!まだJが暫定1位じゃけ!」ジュリ


すでに蚊帳の外・・八丁はこの3チームも・・


「すぐ潰せると思ってる・・」ジュリナ


というより、

広島トップ襲名の派手なパフォーマンス用に取ってあるというか・・


「この3人並んで八丁で土下座でもさせたら最高ね」ジュリナ

「くっ!」田平

「するかっ!」ジュリ


だがそれがなれば確実だ。時代の勝者になるだろう。


「流川お前等どうなんじゃ!?」ジュリ


そっちのがやる気あるんか!?

人数はおるくせによう。


「・・・・ある。」田平

「ない。」ジュリナ


はぁ!?

もう敗北宣言か?そんなに怖いんか?負けるのが?


「いいえ・・」ジュリナ


連合は組む・・この3人で・・

ハーバードはウチが名目上吸収、喧嘩の頭は田平、金はジュリナ

そしてかき回すのがジュリ。


「・・・・金が保証されるんなら・・」田平

「う・・ウチも金が確実に保証されるなら自由に動ける」ジュリナ


ジュリナからの条件は、今の俺達の月のシノギの倍近い金額。

これをジュリナが抗争終結まで払う。兵隊も出す。


「勝ったときの条件は!?」ジュリ


これが重要だ。

もしかして自分一人だけ名前売るつもりか?


「いえ・・」ジュリナ


きっと勝てない。

この連合がなっても・・


「なぜ?」田平

「そうじゃ!戦力もこれがなればほぼ五分じゃけ」ジュリ


いや・・負ける・・八丁に。

複雑だが『誰かの』書いた絵にきっちり広島が踊ってる。


「私は・・・」ジュリナ


私は守る・・・広島を。

せめてあがいてやる・・・。


「どういうことじゃ?守る?」田平


踊ってた・・全部きっとあの人の絵に・・


「・・・邪道四神」ジュリナ


「な?じゃどうしじん?」ジュリ

「じゃどう。し・・じん・・」田平


そう。


ジェイフォージェイの縦文字を知ってしまったから・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ