人生二週目
私は死んだ。やっとあの生き辛かった現実から解放される。
そう思うと身も心も軽くなったような気がした。
しかし目を開けるとそこは360°暗闇の空間、
まるで土に埋もれているかのような圧迫感。
彼女は不安で仕方が無かった。
まさか地獄へ落ちたのではないかと思い、そわそわしていた。
しかし突然、頭の中に「地上を目指せ」という思考が流れ込んできた。
他にどうする事も出来ないので、ただ黙々と闇の中を掻き分けていった
もう数十分は進んだだろう、手が何かの拍子に外れそうだ。
その時だった、闇の奥から流れ込んでくる眩しい光を、彼女は浴びた。
地上に出れた。しかし何故だ?私は死んだ筈では無いのか?
様々な疑問が思い浮かぶ。
そこで、彼女は更に驚きの光景に気づく
周りの動植物が遥かに自分の何倍も大きいのだ。
そこら辺に生えてある雑草でさえ、見上げる程の高さがある
とりあえず此処はどこなのか、調べる必要があると思い
羽を広げ、上空へと飛びだった
「...えっ?」
さも当たり前かのように飛んでいく自分の姿に、彼女は驚いた。
もしやと思い、自分の手を見ると、それは人間の物とはかけ離れた形のしていた。
この時、ようやく気づいた。
彼女は虫の姿をしていたのだった。