登録
「ここに来るのも久々だよな」
「そうだな、もう来ることはないと思っていたんだがな」
「言いだしっぺの俺が言うのもなんだがよ、少し複雑だよな」
「そうだな」
影二と直也の前にはとてつもなく大きなドーム状の建物がそびえたっている。この建物はWPO関東支部である。この支部では登録からランキングの順位上げ、ミュータント関連の全ての事柄を請け負っている。
「分かってるとは思うが、、、」
「あぁ、加減はばっちりよ」
「そうか、なら行くか」
2人は一度支部を見上げてから歩き出した。その表情はどこか懐かしさを感じつつも気が進まないといった表情を浮かべている。
「おはようございます。本日はどのようなご用件でしょうか」
支部に入るとすぐに受付の女性が声をかけてきた。
「ランキングに登録したいのですが」
「かしこまりました。ではあちらのゲートを潜って頂きますと登録会場がございます」
「そうですか、ありがとうございます」
「よい結果を期待します」
受付の女性はそういうと去って行った。
「中々出来るんじゃないか?あの受付」
「そうだな、俺たちの事を見定めようとしていたな。流石にWPOの支部だけあって、玄関口は防犯にも力を入れているんだろう」
「その割に案外あっさり通したな」
直也からすると〈バグズ〉がいきなりランキング登録に来るなど怪しさ満点なので多少怪しまれるのではと考えていた。
一般的に〈バグズ〉はランキングに入れないほど弱い者たちを指す。ランキングは社会的地位を表すため〈バグズ〉でいるメリットは皆無だ。つまり、はたから見ると影二と直也は実力を持ちながら隠しているのではと思われるわけだ。
「その理由はあのゲートだ」
「」