スクール・ラブ党VS英明党6
「それは見た目だけで決めているのではないのですか?」
「ルックスはアドヴァンテージなのは仕方ないです。それはどうにもできない事実で、自分も可愛い子好きですから。だからこそ、女の子は可愛くなろうと、男はかっこよくなろうと努力するのでは? 現に俺もかっこいい二枚目を目指し中です! 今日も髪を決めてきました!」
サムズアップをし詩織にアピールする。
「そ、そんなことはどうでもいいです! ルックスがアドヴァンテージなら可愛い娘やかっこいい人しかモテませんよ!」
「言いますけど、九坂さんも可愛い部類に入ってますからね。九坂さんが言える立場ではないですよ」
「えっ!? わ……私が!?」
朝雛に可愛いと言われ少し嬉しくなったのか頬を赤らめさせた。
「そうでしょう? 美しく長い黒髪に、綺麗で整った顔立ちスレンダーで身長も高い! 異性でも綺麗だと思いますし、同性からは憧れの的でしょ? (おっぱいも大きいし……)」
朝雛の視線は詩織の実った胸に行っていた。
彼女の胸は大きく制服の上からでも目立つほどある。
「ど、どこを見ているのですが!」
胸を腕で隠し朝雛を睨む。
「おっと、すみません。つい、そのむ、いや、眼が行ってしまい」
「は、破廉恥です!」
頬を赤く染め詩織は朝雛に語気を強くしていった。
「皆さんも九坂さんが綺麗だと思いますよね?」
気を取り直し朝雛は観客に向かって賛同を求めると所々から声が上がってくる。
『可愛いーーーーぞーーー!』
『九坂さーーーん。お綺麗でーーーーす!』
『俺たちの女神様だーーー!』
「どうです? 九坂さんはこのように多くの可愛い、綺麗と声が上がるのですよ」
「えっ……あっ……う~」
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にさせ、声を出すことが出来なくなった。
「どうです? 恋をしてみたくありませんか?」
「なりません! 私は姉たちのように勉学に励み将来を見据えているのです!」
「ほぉー、姉妹がいたとは、さぞ、九坂さんのように綺麗な方だと思いますね」
「あなたにだけは会わせたくないですね。私の姉たちは、一人は有名企業に勤めていまして、もう一人の姉は難関大学に通ってまいます」
「超エリートじゃないですか!」
「父は会社社長で母は父の秘書をしています」
誇らしく自身の家族の経歴を紹介した。
「これが華麗なる一族というもの!」
「なので、私だけ普通の大学に行ってしまってはダメなのです!」
家族の経歴に傷を付けたくない思いもあり、詩織は勉学を推進しようと宣言しているのもあった。
「本当に素晴らしいですね。俺は絶対に耐えられないですよ。というか反抗してぐれるかも?」
「恋が良いと言っている朝雛さんは耐えられないかもしれませんね」
「一つ訊いても良いですか?」
「何でしょう?」
朝雛の質問に詩織は少し勝ち誇ったかのような余裕を見せた。
「お姉さんたちに恋人はいないのですか?」
「えっ!?」
予想もしていなかった質問が来て詩織は眼を丸くした。
「いや~、お姉さんたちは綺麗だと思いますので恋人はいるのではなかな~と。もしくは、過去にいたとか」
「いいい、今は知りませんが、前は付き合っていたと……」
「前とはいつですか?」
「こう……高校生の……時とか……」
詩織は自分の事の事のように恥ずかしく小さな声で言った。
「高校生の時! やっぱ、モテたのでしょうね。俺も九坂さんのお姉さんたちと同世代だったら。うへへ」
にやけた顔で妄想している朝雛。




