スクール・ラブ党VS英明党2
「俺も負けない! 恋で学園生活を楽しくさせる」
「こ、こ、恋なんて不要です! 学校は勉強する場です!」
「勉強は大切だけど。恋愛も必要だとも思うけどな」
「要りません。必要ないです。それなら勉強して下さい」
恋に対して真っ向否定する詩織。
「お堅いね~。詩織さん恋は良いものだよ」
「そ、そんなの不埒です!」
「では、ここで白黒つけよう! 恋が素晴らしいものだと証明するよ!」
「良いですよ! 勉強の方が良いと教えて見せます!」
二人はホールの裏口で火花を散らしていた。
この演説ホールは円形状に席が設置してあり全角度で演説ステージが観られる。
そのステージでは今、司会者がマイクをで演説前の余興を提供していた。
「皆さん。いよいよ始まりますが、ここで決選まで勝ち進んだ二人を紹介します。まず一人目は英明党に出馬した九坂詩織。皆さん。有名大学に行きたいと思ったことがあると思います。ですが、その難関大学に行きたくても独学で勉強か進学塾に通うしかない。それだと、どう勉強すればいいのか? 塾ではお金が掛かるわで大変です」
ここで司会者は間を作った。
「そこで! 九坂詩織はその不安を取り除くために、難関大学への勉強をバックアップするために難関大学対策コースを作り難関大学の合格率を上げさせると宣言しています。このコースには進学塾の講師や数々の生徒を難関大学へと送り出した教師をお招きするそうです。すごい力のいれようですね。これなら安心して勉強できると思います!」
「さて、次はスクール・ラブ党に出馬した朝雛輝貴を紹介するぞ。彼は恋愛の素晴らしさをこれまで訴えてきた。どうやら、彼自身が恋をしているらしい。その相手は不明だが綺麗な人には違いはない。皆さんも聞いたと思いますが彼は『恋と言うのは一人でするもの。しかし、恋愛は二人でするものです』とアピールしていましたね。たしかに、言われてみれば納得ですよね。自分そこまで考えたことないです。まだ、一年生の朝雛に学びましたわ。自分も恋をしてみたいです!」
二人の紹介が終わると司会者は一度咳払いをし間を置いた。
「さあ、皆さんいよいよ始まりますよ決選が! では、お二人に登場してもらいましょう! ゲートオープン!」
司会者の掛け声共に大ホールは薄暗くなり、サッカーの入場に使われる曲が流れ大いに盛り上がり始めた。
始まる決選に皆、期待と応援を混ぜた拍手で出迎えはじめる。
二人は裏で拍手の音を耳に受けつつ入場を待つ。
音楽と拍手の音でホールのボルテージが上昇している。
まずは、両党の学党旗が先に入場した。
高々と上がった学党旗に観客の興奮が一気に上がった。
「いきますよ!」
「ああ!」
二人は音楽と拍手が鳴る中で並んで入場し始める。
照明の光が二人を照らし輝きを一層に与えた。
『九坂さーん。応援してまーす!』
熱狂的な男性ファンや女性ファンの声援。
『朝雛―――、俺たちに春を与えてくれーーー!』
モテない普通の男子生徒たちの応援が朝雛に勇気を与えたいる。
堂々と入場する二人に緊張の色は見られない。




