伊藤翔平の殺害
忘年十二月十五日。町を一人で歩いていた伊藤は、後ろから突然スタンガンで気絶されられる。無論、杉谷の手によって。
そのまま人里離れた場所にある廃屋の中の倉庫に拉致された伊藤は、両手両足を縛られ、天井の鉄の梁に逆さに吊るされた。
そこで、まず杉谷は鉄バットで伊藤の体を強く殴打する。体中の至る所を殴り付け、現場に残されていた夥しい血痕が、その激しさを物語る。骨の至る所は折れ、顔は裂傷し、発見された伊藤は、顔の原型が分からないくらいに叩かれていた。
次に杉谷は、辛うじて生きていた伊藤の両手両足の爪を剥いだ。その痛みは尋常ではない。生きたまま、麻酔などは一切ない状態で、ただただ爪を剥がされた伊藤は、おそらく地獄を味わっただろう。
もはや虫の息となっていた伊藤だったが、さらに杉谷は千枚通しで体を刺し始める。それは胸など死に至ら締める場所ではない。手足、耳、鼻、陰部など、刺してもすぐには死なない場所を刺し続けた。それもまた、地獄であったに違いない。
伊藤への拷問は実に数時間にも及び、最後に伊藤は頭部を滅多打ちにされ、死亡した。発見時、伊藤の死体は逆さ吊りされたままの状態だったという。
その惨たらしい惨状は、熟練の捜査員ですら目を逸らしたくらいだったそうだ。