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化物  作者: 井平カイ
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浜田麗奈(仮名)

 浜田麗奈(仮名)、十六歳。

 母子家庭の中育つ。親との仲はそこそこよく、ケンカはするが心の底では母親を大切にしていたようだ。母親はスナックの従業員。昼間は寝て過ごし、夜は働く。基本的に放任主義であり、タバコ、深夜徘徊を繰り返す娘を放置していた。

 浜田自身もそれを存分に活用し、高校には行かず、中学からは毎日遊び、援助交際さえもしていた。そして木原と出会い、交際を始める。交際と言っても、あるのはほぼ肉体関係のみ。何をするわけでもなく、ただ一緒に行動し、木原が求めれば体を預ける。それについての抵抗は、一切なかったそうだ。

 同じ女子が相手であれば容赦はしない。暴行はもちろん、売春の強要もしていたらしい。言うなれば、女版の木原と言っても過言ではないだろう。


 この四人が今回の被害者になる。この四人は友人同士であり、よく一緒に遊んでいたようだ。それは、それぞれの共通点にあるのかもしれない。誰もが、何かに飢えていた。伊藤、木原は親の愛情に。川島は強さに。浜田は自分を守る男性に。それぞれが無意識のレベルで心の傷をなめ合い、社会への反発を表すように、ただただ荒れていた。



 さて、そろそろ事件の概要について話すとしよう。

 なお、ここから先はかなり生々しい話となる。気を付けてほしい。

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