木原蓮也(仮名)
二人目の被害者は、木原廉也(仮名)、十七歳。
都会の中の、市営住宅の一室で育つ。母親はおらず、父親と二人暮らし。その父親が酒乱であり、事あるごとに木原を殴る蹴るの暴行を加えていたようだ。
無論、木原の性格はねじ曲がっていた。中学一年のころから喫煙等で警察に補導され、窃盗、ケンカ、暴走行為を繰り返し、度々警察に捕まるような荒れた生活であった。この背景には、やはり親への愛に飢えていた面があるのだろう。誰かに見てほしい。自分のことを周囲の知らしめるように、暴れ回っていた。高校へも通わず、盗みや恐喝で得た金で毎日遊んでいたようだ。
そんな中、木原は伊藤と出会う。最初のキッカケは、木原が伊藤を恐喝しようとしたことであった。夜の町、一人ゲームセンターで遊ぶ伊藤から金銭を巻き上げようと声をかける。しかしそこで、木原にとって予期せぬことが起きる。伊藤が、金をいくらでも使っていいと持ち掛けたのだ。当然、そんなうまい話を前に飛び付いた木原は、それから伊藤と頻繁に遊ぶようになった。
そして、いつの間にか二人は悪友となっていった。
次は、三人目の被害者。