精霊辞典とエピローグ
深淵の精霊:トーゴ(♂)
その契約魔法は運命
灰髪、灰目。イムリシト朝78年から活動が確認されている。比較的新しい精霊であると推測されている。
精霊王朝で有名な精霊であるが、ダンジョンの概念を創り出し、始まりのダンジョンを創ると共にダンジョン時代の発端を作った精霊でもある事はあまり知られていない。
彼の特徴としては常にジングルスと呼称される一匹の不死ネズミと行動を共にしている事、また「死神」が見える事が挙げられる。
「死神」については長年議論されているが、比喩表現としての「死」「死の気配」を指しているのか、はたまた実際に生ける者に死を齎す「死神」なる存在が居るのかは分かっていない。ただ、彼の言う「死神」が背後に現れた者は数分以内に必ず死ぬ。精霊でさえ助ける事はできないようだ(本人の証言)。
精霊王朝が滅びた後は死神について人間に語る事は無くなり、死神と彼が親しい関係にあるとの未確認情報があるが真相は闇の中である。
彼の契約魔法は少々特殊であり、自動的に発動し続ける。精霊の愛し子アレクセイの例に見られる様に常にとてつもない幸運を契約者に齎すものである。攻撃や防御や補助は全く期待できないが、世界を味方に付ける筆舌に尽くし難い幸運はそれを補って余りあるだろう。
また精霊達の中でも殊更に奇妙な発想をする精霊であり、彼が活動しはじめたと目される時代から精霊の言動や行動に若干の変化が見られる。
近年は数人の精霊と共に各地のダンジョンを転々としているようである。
補足:ダンジョン時代
精霊指定都市に創られたダンジョンを始まりとした冒険者と精霊の時代。この時代は精霊の里から多くの精霊が人間世界に現れ、世界中に無節操にダンジョンを創った。有名なダンジョンとしては世界樹迷宮、天空迷宮、地下迷宮、海底迷宮が挙げられる。この時代は八百年ほど続いたが、精霊達が飽きてしまい多くのダンジョンは放置された。放置されたダンジョンはマステルが濃くなり魔法行使が困難で、攻略は難しいもののそれ以外は普通に利用できる。
余談だがダンジョンは十層まであるらしく、最も攻略が進んでいるダンジョンは地下迷宮の八層である。
いくつかあったルートの中の最短経路で終了。伏線は一応全部回収した、はず。
想像の余地が残る終わり方ってどうなんだろう。もやもやするじゃねーか! と糾弾されるか妄想を膨らませてニヨニヨしてもらえるか。書き方次第ですかね?
なにはともあれ
御愛読有り難うございました。
2011/5/31
クロル