一目惚れに脳が焼かれる
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
生々しい恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
一目惚れ、なんて言うと皆総じて淡く綺麗な恋心を連想する。一目見た途端に心が奪われて、胸がときめいて、それ以外の事なんか考えられなくなる。皆そう思っている。
文字に書き起すと間違ってはいない。けれども決して綺麗では無い。絶対に綺麗では無い。
何時如何なる時でも傍に置いて、一秒置きに顔を眺めて、その存在を知る為に触れたくなる。常に脳の神経をとろ火で炙られて、手放したくなくなる。
それこそが、本来の一目ぼれだ。
「……何を……しているの?」
鍵の掛かった部屋をこじ開けて中に入る。中に居たのは一目惚れして、番になった愛しの君。
ふわふわの短髪に小生意気な目、薄くも色付きの良い唇。それが今、髪は乱れ、瞳には涙が浮かび、唇の端からは一筋の銀が垂れていた。ほんのりと高揚した姿からも、何をしていたかは明白だった。
「俺が何処で何をしようが、お前には関係ないだろ」
「私というものがありながら、貴方はどうして浮気をするの?」
剥き出しになった素肌に触れて、急所を一つ一つ撫で回し、唇を近付ける。一度弛緩した体は従順で、私にされるがままになっている。
本来ならばその役割は私のはずなのに。他の誰でも、貴方でもその役割は担ってはいけないはずなのに。その嫉妬心、独占欲が私を苦しめて仕方がない。
私に触れる為にない指先なんて、さっさと落としてしまいたい。でも其れをしたら彼の指を愛でられない。触れてあげられない。苦しい。苦しい、苦しい、苦しい、苦しい、苦しい。
「貴方が好きなの。一目見た時からずっと。ずっと傍に置いて置きたいの。ときめきに苦しみながら顔を眺めていたいの。存在を確かめる為に触れていたいの。どうして役割を私に与えてくれないの? どうして自分に浮気をするの? ……うぅ……うっ……うううう……」
悔しい。悔しい。悔しい悔しい悔しい。他の誰かだったら殺してしまえば良いのに、愛する貴方が貴方自身に浮気をするから、殺せない。こうして泣き付いて辞めて欲しいと懇願するしかない。
「もう少し、お前は人の心を汲める様になれよ」
一目惚れ、というのは、一種の着火弾に似ているものだと思う。一目見た途端に火がついて、気が付いたら当たり一面焼け野原。その癖、精神面は意気地無しなもんで、暴力的な愛情を慣らすのに苦労を強いられる。
早くどうにかしないと、きっと、ある時一線を超える。嫌がっても泣いても縛り付けて思うがままに触れてしまう。だから――さっさと自分で処理するしかないんだ。この感情は。
一目惚れに近い感情を覚えたのは小学生の頃。
二次元のキャラなんですけど、バンダナ外した姿が本当に格好良くて、大好きになりました。
今は専らイラストの方が多いですが。
数歩歩く度に見て、見惚れて、落ち着かなくなって、水を煽りたくなります。
暴走するのでこれくらいに。
だからあんまり綺麗な感情ではないと思いますよ。
独占欲に近い感情を持て余す事になるので。