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よろしくお願いします。

慌ててよたよたと飛びながらねぐらに戻った。


◇ ◆ ◇


カギを開ける音がした。帰って来たのだろう。

それにしても随分早い。

 部屋の中を歩き、テーブルの上に物を置くようなどさっと言う音がしたので買い物に行っていたのかもしれない。


 そのままクローゼットの隣にある、あーちゃん専用の作業机の扉を開けた。

(クローゼットは真ん中にあり、両隣に板一枚の仕切りで繋がり、それぞれに扉が付き両隣は作業机になっている。)

 その時クローゼットの前にお菓子が落ちているのを見つけた。


 「あっれー。なんでこんな所にお菓子が落ちてるんだろう…。」


 ………


 「猫達かなぁ。匂いもしないのにおっかしいなぁ。」


 ………


 しばらく沈黙した後。

 足音がちょっと遠くなりガタガタッと音がしてまた足音が近づいて来た。


 油断していた…。

 余裕もなかったので直ぐに近くにあった箱の後ろに隠れた。


 踏み台に乗り扉を開け目の前にあったお菓子の山を見つけ、空っぽになった小袋を見てそこに焦げ跡を見つけた。


 「……なんだこれ! あっぶねぇなぁ…。 よく他に火が移らなかったなぁ…。」


 と独り言を言っていた。

 踏み台から降りまた足音が遠くなった。


 ―――イヤな予感がする。

 何しろ何に関しても徹底的だ! 妥協はしない。


 今度こそ見付かるかも知れない。戻ってくる前にどこかに逃げなきゃ。と思っている内に戻って来た。


 ―――ぴっかーっ と光が差す。

 懐中電灯を持ってきたんだ!


 それで枕棚を隅から隅まで照らしている。


 挿絵(By みてみん)


 箱の後ろに隠れていたが、その箱がどんどん取り払われていく。

 取り払われていく箱を一つ一つ丁寧に見回し部屋の床に積み上げていく。

 この場所の箱はいくつもない。

 

 …………


 …………


 …………棚板の端っこの奥に身体を押しつけた。そして目の前にある最後の箱が取り払われた!


 ――――


 !懐中電灯の光がまぶしく手で目を覆った。


 ――――


 ………見つけた!! と叫ぶ声がした。

 多分新種の昆虫でも見つけたと思ったんだろう…。

 声がとても興奮していた。


 ………しばらく沈黙が続いた後


 「逃げないでね~」と小声で言いながら。

 両手を丸く曲げ、壊れ物をすくい取るように優しく捕らえようと迫ってくる。


 ………もうね。しょうがないよね。いつかは見付かるんだし…。

 良い機会だから無抵抗で捕まってあげよう。と思った。


 両手で優しく包み込まれリビングに戻り、ゆっくり手を開いていった。


 目があった。


 ………


 ―――しばらくの沈黙の後。

 ぎゃーーーっと、叫び、ごくりと息をのんだ。


 それからテーブルの上にそっと降ろされ希少なものを見るようにガン見され、その後「どちらさまですか?」と声をかけられた。


 答えるつもりで息を出したら思わず火を噴いてしまった。

 (火を噴く加減を会得したと思ったが、まだまだ修行が足りないようだ。)


 「あーー。それかぁ」と、言われ。

 「あんまりあちこちで火を噴かないでね。火事になるから。」と真顔で言われた。

 少しいつもの調子が戻ってきたようだ。


 『そんなの知ってるわ!』

 と思ったが、一応意思表示のため頷いた。


 「へっ!」と驚いた顔をした。


 ………


 「お腹空いてる?」と声をかけられ、頷くとテーブルの上に袋から出したクッキーを置いてくれたのでぱくぱくと今度は余裕を持って食べた。


 その様子を見て「器用に食べるんだ」と言って、思い付いたようにキッチンへ行きお皿に水を入れて持って来た。


 おいおい。これって水浴びしろって事? もうちょっと小さい…。小皿とかないのぉ~?と、ちょっと切れ気味に睨み上げると

 「やっぱりダメかー」と言って今度は小皿に水を入れて持って来た。


 ………


 うーん。ちょっと高さがあるのよねー。

 まだ上手く飛べないし…。これも水浴びコースじゃないかなぁ。とぶつぶつ考えてると、人差し指を出された。

 これって乗れって事だよね。と思い恐る恐る乗ると小皿の側で止まった。

 小皿と平行になったので這いつくばって水を飲んだ。


 ふぅ~。

 毎回水を飲む度にこれじゃあちょっと厄介だなー。と思った。


 そんな一連の様子を見て、ふっと笑顔になっている。


 この人めちゃめちゃ猫好きだもんなー。と心の中で思った。

 (これが理由になっているかどうか分かりませんが…)


 あーちゃんに「あのー」と話しかけられたので、取りあえず顔を見る。


 極小なのにこっちから目を合わせているのは分かるのかしら?


 じーっと見つめられる。

 おいおい。照れるよ。めっちゃ照れるよ。


 一旦テーブルの上に降ろされカメラを持って来て写真撮影が始まった。

 色々な角度から写真を撮られた。

 それが一息つくと、今度は虫眼鏡を持って来て、ためつすがめつ見られた。


 そう言えば…。

 この人は何でも観察する人だった…。

 うーん。と唸り声を出し今度は写生を始めた。


 そう言えば…。

 この人は見た物を何でも絵に描く人だった…。

 その絵に描かれたドラゴンはちょっとぽちゃっとしているように見えた。


 いやぁ~。生き返っても太っちょじゃん。と心の中で呟いた。


 「うーーーん。うーーーーん」

 あーちゃんは自分の描いた絵を見て唸っている。

 


 …………



これってドラゴンだよなー。日本の細長い竜とかじゃなくて、西洋の竜だよなー。

見たことないけど…。 

火も噴く…。 ゴ○ラとかじゃないよなー。どっちも現実に見たことないけど…。

そもそも実際には存在しない生き物で…。


 ――――


ありえない!

ありえないよな~。


あり得ないけど目の前に居て、クッキー食べて水を飲んでる…。

不思議だよなー。

一体何時から居るんだろう…。



ワードの使い方が馴れなくて、段落後書き始めが一文字以上空いてしまったんですが、何度書き直しても直らなかったのでこのまま投稿します。

すみません。

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