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12月になり、ちょっと忙しくなってきたのと、ストックがなくなってきました。

しばらく更新が遅くなると思います。

よろしくお願いします。

 やっぱりしゃべれないと難しいかな。と…。

 取りあえずの目標は果たされないまま時間が経っていく。



 ◇ ◆ ◇



 直ぐにウサギくらいの大きさになった。


 大きくなる周期は全くバラバラでよく分からない。

 一日だったり、一週間だったり。もっとかかったり…。

 大きさもちょっとしか大きくならなかったり、見た目に分かるほど大きくなったり。

 全く予想は付かないが、ただ深い眠りについた後大小関係なく大きくなっているようだ。


 身体が大きくなると火を噴く威力や声の大きさも大きくなった。

 今は鳴き声が「ぼぇ~。」になった。

 相変わらず、しゃべることは出来ない。



 ――――――



 子供達も都合があえば、その都度大きくなった時に見に来ている。


 また大きくなったんだって?

 この間、大きくなった時来られなかったら、今度は何度目の大大きさ?


 うーん。何度目だろう…。


 ただ、すっごく大きくなる事は今の所ないね~。


 突然、家より大きくなっちゃったら家壊れちゃうもんね。


 なんかそれ。怖くない?

 朝起きたら青空が広がってたとか。

 青空なら良いけどね、嵐だったら大変だねー。


 そうしたらイタッを連れて子供達のどこかの家に行くよ。


 えーーーー。

 家は無理だよ~。

 ペット不可だよ。

 家だってそんな大きなペット飼えないよ~。


 『人を肴に何だか楽しげだ。』


 そしてウサギくらいに大きくなった身体で部屋の中をバッサバッサと飛び、子供達の膝の上で寛いだ。


 こんなに飛ぶのに閉じこめておくのも可愛そうだね。


 時々山の中で自由に飛ばしてるよ。


 えーーーー。

 逃げたりしないの?


 そう言えば逃げないなー。

 呼べば戻ってくるし。

 他に人が居ると隠れて出て来ないし…。

  

 最近は小型犬用のフードが着いた服着せて顔や胴体があまり見えないようにして、買い物とかにもリュックに入れてる出かけてる。


 気がつかれたりしない?


 まさかドラゴンなんて思わないから「ワニ」ですか?とか聞かれるけど…。


 首輪とかしてるの?


 家の猫たちはほとんど首輪を嫌がって、イタッも嫌がるんだよ。それでハーネスは付けてるよ。


 首輪を嫌がるのは家系なのかもしれない…。


 あるの?

 そんな家系って………。


 さぁ…。


 野良ドラゴンにもならなさそうだし…。

 首輪しなくても良いかもね。

 そうだねぇ。

 飼うなら最後まで責任持って。


 ドラゴンの寿命って何歳だっけ?


 うーん。


 まぁ。いいじゃん。おとーちゃん死んじゃったらその辺の山に置いてくれば。

 戻ってきたらどうすんのよー。

 ドラゴンって帰巣本能、凄くありそう。


 「 「 「 あははははは 」 」 」


 って、まぁ笑い事じゃないけど、その時はまた考えれば良いと。言う事になった。


 『我ながらお気楽家族だと思う。』


 そんな様子をあーちゃんは楽しそうに見ている。


 今度、どっかにイタッを飛ばしに行くんなら声かけて。

 都合が付きそうなら一緒に行くよ。

 飛んでる所見てみたいし。


 ああ。分かった。声かけるよ。



 ◇ ◆ ◇



 数日後、子供達の都合が付いたので、近くの山に行くことになった。


 みんなに家に集まってから出発した。

 家の近くには山や入っていける林道もあったが、わずかでも人に会う可能性もあるので、近場の滅多に人の来ない、いつも行ってる何カ所かの一つに行く事にした。

 いつもは助手席で景色を見ながら移動するが、この日は子供の膝に乗って時々外の景色を見ながら行った。



 そう言えば、こいつのトイレとかどうしてるの?

 唐突に質問する。

 小さい時は、寝床の中に小さいのがあったよ。

 今はよくわかんないんだけど、猫トイレを使ってるのかなぁ。

 どれが誰のかわかんないけど、今までトイレの粗相ってないからわかんないなー。

 山とかに行けばその辺でしてるんじゃないかなー。


へー。


 『ドラゴンのトイレ事情を話しているのは分かってるけど、結構やばいよねー。この先正体が分かったら、結構イヤかも…。』

 そんな際どい会話をしつつ林道の行き止まりに着いた。


 林道の行き止まりに着くとハーネスを外された。


 いつものようにその場で羽を広げる。


 この大きさになると結構羽根も大きいんだ。

 目立ちそうだねぇ。


 「行っておいで。」といつものように声をかけられる。



 翼を何度か羽ばたかせその場でジャンプし、飛び立った。


 このくらいの大きさになると翼を何度も羽ばたかせなくても飛べることが分かった。



 あーちゃんや子供達の姿が小さくなっていく。

 調子に乗ってると、また痛い目に遭うので、ある程度の高さでみんなの周りを飛ぶ事にした。


 ちっちゃいけど迫力あるなぁ。


 突然下から枝をほおり投げられた。

 「取って来い」をやらされる。


 『えーーー。どこに投げるのよ~。』


 へたくそだなー。


 『投げ方が悪い!』と抗議をするように鳴く。


 なんだよ。こいつ。

 こっちが悪いって言ってるのかよ。


 そりゃあ。ゆうちゃんが悪いよー。

 貸してみ。と


 今度はしんちゃんが投げる。

 丁度良い高さでダッシュで取りに行く。

 そして投げた人に返す。


 その、丁度良い重さと長さの棒で、何度もやらされる。


 ドラゴンの体力は底が知れない。

 何度やっても疲れないし、むしろ楽しい。

 きゃっぽーって感じ。


 先に子供達やあーちゃんの方が疲れてしまったらしい。


 ひとしきり遊ぶと飲み物や、途中で買ったお弁当を広げる。


 イタッは本当に人間の食べるもので大丈夫なの?


 この時は、既に一人分のお弁当を平らげていた。


 まぁ。今まで何も異常はないからなぁ…。

 うーん。栄養は偏らないようにしてるけど。


 へー。

 ドラゴンに栄養が偏らない…。

 あんまり、ピンとこねぇなぁ…。



 お弁当を食べた後は自由に飛んだ。


 今より小さかった頃は、カラスや鳶に威嚇されることがあったけど今回はなかった。


 溜息をつきながら、やっぱすげぇなぁ~。と言う声が聞こえる。


 大きくなると共に、飛ぶ力やスピードも強くなったような感じがする。

 限界まで…。と思うけど、理性が働いて辞めておく。

 暫く飛んでからみんなの所に戻った。


挿絵(By みてみん)


にゃーごろにゃん様より、イラストを描いて頂きました。

本当にドラゴンが気持ち良さそうに飛んでいるのが見られて嬉しくなりました。


ありがとうございました。

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