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初めての先品です。

 夕食の準備をしていた。

 今日はあーちゃん(夫)の大好物「とんかつ」。

 そして付け合わせのキャベツの千切りを切っている。


 しゃかしゃかしゃか。とリズミカルに。

 しゃかしゃか っ っ! っ!!

 っうぐ。


 突然襲ってきたもの凄い頭痛。金属バットで殴られたような…。

 つーーー。

 そのまま床に倒れ頭を抱え込み、ぎゅーっと身体を丸めてそのまま意識がなくなった。



 どれくらい経っただろうか…。

 目を開けたら天上を這うように光が差していた。

 身体の下が堅かったので、まだ床の上に倒れたままなのかもしれない…。

 あーちゃんはまだ帰ってきてないのかな。と思った。


 頭は痛くない。身体を少し起こす。

 起き上がろうとして床に手をつく。

 薄暗いからよく分からないが腕がなんか変だ。

 違和感がある。

 おまけに手もなんか変なような気がする。


 薄暗い中目がだんだん慣れてくる。

 腕が皮膚じゃない…。


 慌てて片方の手で腕をこする。

 思ったほど柔らかくスベスベしているが、やっぱり皮膚じゃない。


 よく見ると鱗のような物で一面びっちり覆われている。

 ぶるっと背中に悪寒が走る。


 頭がぼーっとする。

 思考がついていかない。

 何かになった。人間ではない何かだ。

 カ○カの「変身」のようだ。


 そして気絶した。


 …………


 しばらくして目が覚めた。

 どれくらい気絶していただろう…。

 天上から差していた光はもうなかった。

 段々目が慣れてくると周りの物もある程度見えるようになった。


 そしてまた自分の腕を見てドキッとし、背筋に悪寒が走った。


 取りあえず何になったのを確認するために、鏡を探したかったがそもそもここがどこだか分からない。


 天井近くに光が差していたので、そこまでよじ登れないかと踏み台を探したが適当な物がなかった。


 天井を見上げ、思案しているとふぁっと身体が浮き上がった。

 背中が引っ張られるように持ち上がり頭が下がる。

 そのまま上に浮かんだ。

 ゆっくりと天井近くまで浮かび、ほっとしたら落ちそうになったので、慌てて目の前にあった塀のような物にしがみついた。


 目の前の景色は、テーブルとか椅子とか。他にもあるがここは多分部屋だ。塀から身を乗り出して部屋の中を見回してみた。

 薄暗かった闇に段々目も慣れてきて、なんとなくテーブルも椅子も見覚えがあるような気がした。


 近くで見てみようと天上の隙間からのろのろと出たら、頭を下にしてよたよたと空中を移動していた。

 

 そのままテーブルの上に着地した。

 え…と。

 ……!

 びっくりした!


 ここは自宅だ。紛れもなく自宅だ。

 見慣れた小物入れ。横を見ればテレビ。そしてテーブルの上にはあーちゃんのキーボード。ここは間違いなく自宅だ。


 私は慌てて飛び上がりよたよたと洗面所に向かった。

 自分の姿・形を見るためだ。

 そして…。


 おそるおそる自分の姿を見た。


 ちっさいっ。すっごいちっさい。極小サイズ。

 自分の容姿がよく見えなかったので、少しずつ鏡に近づく。

 段々形がはっきりしてくる。


 大きさはハエくらい?

 飛行できるのは、背中に翼が付いているからみたいだ。

 それから容姿だ。一体何になったんだ。

 じっくり鏡を見る。

 

 ………

 ………

 

 ……… 童話やアニメ出てくる。想像上の生き物? 実際に見たことがないので分からないが、「ドラゴン」じゃないかと思う…。


挿絵(By みてみん)


 えー。

 えーー。

 えーーー。

 


 ちょっと待って。一回冷静になってみようか。

 ふらふらとテーブルの上に戻った。


 何の気なしにテレビの方に目を向ける。さっきはよく見えなかったがテレビの上にキャットウォークがあり、その棚の上に写真があった。

 そこにはよく知っている顔の私自身の「遺影」だった。


 ………

 ………

 ………


 いやー。

 生前「ドラゴン」が好きとか、翼が欲しいとか、自分の翼で飛んでみたいとか言ってたよ。

 でもね。

 生まれ変わったのが、

 

 よりにもよって極小ドラゴンですか?


 うーーん。

 さて…。

 

これからどうしましょうか…。




初めてなので投稿はゆっくりになります。

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