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死んだらどうやら天国ではありませんでした

処女作です。

一条凛子16歳。なんてことない、普通の人生だった。何不自由なく生活してきて、学校に行けて、少なからず友達も出来て、多分幸せだった。勉強も人よりは出来たし、音楽が好きでピアノや吹奏楽部で、楽しく過ごした。アルトサックスを買って貰ったときは本当に嬉しかったな、なんて思う。高校もこっちでは少しいいところに行けたし、恵まれてるなって自分で思うくらいには良い家庭で育ったんだと思う。

あのとき、走馬灯が見えた。血の海が自分のものだって認識したときにはもう遅かった。いつの日かの出会いがフラッシュバックして、そのまま、騒然とした周りを置いていくように私は意識を失った。

そして今、ここにいる。


「…………あのー、どういう状況でしょうか?天国?」


ふわふわとしているが、光だけの空間に、私は意識を取り戻した。前の記憶を引っ張り出して、私はここが死後の世界なのかと認識した。そして私の目の前には、女神のような女性が嫋やかに笑っている。


「あのぅ……、あなたは?」


「…………。」


女性は私が話しかけても微笑むばかりで、一言も話さない。どうしたのだろうか。そう思った瞬間、彼女が光に包まれ、私が瞬きをするうちに、姿を消してしまった。


「やぁ、君は確か……一条凛子くんだったかな?」


それと同時に、中性的で明るい声が聞こえた。あたりを見回して声の出所を探してみると、ぬいぐるみのような小さくかわいらしい生き物がぷかぷかと浮いていた。漫画でよくある、精霊と言うやつだろうか。


「こ、これが精霊……?」


「んー、正確に言うとこの精霊みたいな身体は依り代なんだよねー。僕の名前はレイア。神様だ。本当はもっとイケメンなんだよ。」


「神様?……本当に?」


なんとも軽々しく、明るい声音で言うものだから、説得力がない。


「失礼だなー。まあ僕ほど寛大な心の持ち主はいないと思うからね。許してあげるよ。僕は本当の正真正銘神様さ。それで最初に君の目の前に現れたのはぼくの妹、レイスって言うんだけど僕以外の前で喋れなくてね。」


ペラペラと目の前で話す謎の生き物に私は不信感さえ抱く。しかもこの状況を私はまだ理解しきれていない。ここにいる理由、ここがどこなのか何も分からない。それを目の前にいる呑気な神様に聞いてやる必要がある。


「あなたが神様だと言うなら質問をしてもいいですか?」


「んー、なんだい?」


「ひとつはなんで私はここにいるのでしょうか?そしてここはどこなんですか?なんにもわかんないのに神様だなんて言われても……。」


神様がきょとんとするので、私も失礼だったかと口ごもる。しかし神様はしばしの沈黙を破るとにかっと笑いだし、


「ああ、ごめんごめん。それが1番重要なことだよね。まず君は居眠り運転のトラックに引かれちゃって死んじゃったんだよね。ここまで覚えてる?」


「……はい。」


「んとね、それでー、話がぶっ飛んで信じられなくなるかもしれないけど大丈夫?」


「……とりあえず全部話してください。」


私がそう言うと、神様は先ほどまでの陽気な雰囲気とはうってかわり、真剣な表情で話し始める。


「それで、僕が神様をやっているのは君が生きていた世界、地球ではなく、もっと別の世界、いわゆる異世界ってやつなんだけど君は僕達神族に選ばれて地球界からそっちへ飛ばされることになったんだ。それを判断したのは僕と妹なんだけどね。君にやって欲しいことがあるんだ。もちろん、僕達も協力するけどさ。」


それを聞いて私はゴクリと唾を飲み込む。私は異世界に転生してしまうのだろうか。そしてやはり漫画のように力を持って戦わなければならないのだろうか。そんな勇気はないし異世界は楽しそうだけれども面倒くさい。アニメや漫画の主人公みたいに器用にやっていける自信もない。私に課せられる使命を成し遂げることは出来るだろうか。


「まあでも、そんな難しいことじゃないし、最初のうちは異世界ライフを楽しみなよ。すぐに厄災が出てくるわけじゃないしさ。いざとなったら僕だってちょちょいのちょいっと戦ってあげるからさ。」


「厄災って……」


神様は小さな手か足か分からないけど、拳を作ってシュシュッと動かしている。まぁ、よく分からないけど、神様は悪い感じはしないし、神様の言う通り、異世界を満喫しながら色々知っていこうと思った。


「あ、そうそう、転生に伴って何か1つその世界の能力を与えることが出来るよ。火水氷木風光闇あとは呪術とか治癒術とか精霊術かな。さぁさぁどれがいい?よりどりみどりだよ〜ん。」


やっと来た、異世界の醍醐味、チート能力だ。よくあるやつはだいたい全部使えるが、私は1つだけだけど能力を与えられるらしい。


「あ、神様。質問なんですけど、火水氷木風光闇の魔法は戦闘系ですか?」


「そうだね。火と光と氷は攻撃力に特化してて、水と闇は防御向けかな。木と風は地味だけどどっちも出来るよ〜。」


「ふむふむ」


やっぱり戦うのはな〜。そう思ってしまう。痛いのは嫌だし、防御を取るか、でも……。

頭の中で色々ぐるぐる回っている感じがする。


「早く決めないと、僕が勝手に適性を決めちゃうよ〜。5、4、3、2……」


「ええい!戦うのは面倒なので治癒術にします!」






読了ありがとうございました!文字数少ない割に展開は早いかもしれないけど温かい目で見守ってくれると幸いですm(*_ _)m

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