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1話 王様のお呼び出し

そう遠くない未来の話

機械技術も進化し、視覚と聴覚だけでなく触覚や嗅覚、はてには味覚まで疑似体験できるようになった世界

そんな世界でサービスを開始した無料オンラインゲーム


VRMMORPG 『Architectアーキテクト Fantasyファンタジー


魔法やモンスターなどのファンタジー要素に加え、非常に自由の幅が広いことから人気を博し、今でも登録者が増え続けている


このゲームはプレイヤーが道具や武器などはもちろん、土地の開発から家の建築、さらには店やギルドの経営どころか、国を作ることもできる

もちろん、他のプレイヤーが作ったギルドや国に所属することも可能であり

フレンド同士で集まり、集落を作るプレイヤーも少なく無い

土地は地上だけに留まらず、地下や海中、プレイヤーの中には上空に土地を確保し空中都市を作る者もいる


また、サバイバル要素が取り入れられており

食事と水分補給を怠れば、HPが最大値ごと減少していき、睡眠や休憩を取らなければ作業効率や魔法の使用に影響が出てくる為に

プレイヤーは必要に応じて食事や水分補給、睡眠や休憩を取る必要がある

病気にも気をつけなければならない、住む環境が悪ければ病気になる可能性があり、行動が制限され、最悪の場合死亡扱いにされる

死亡扱いにされても、プレイヤーは霊体になるだけなのだが

霊体では一部のスキルを持ったプレイヤーとしかコミュニケーションが取れず、物体に触れることもできない

蘇生することもできるが、蘇生するためには、都市や集落にある教会で、NPCの神官に頼み復活して貰う必要がある

蘇生スキルを持つプレイヤーに頼み復活して貰うことも可能だが、職業が神官かそれに準ずる職業でない場合、蘇生させたプレイヤー、蘇生してもらったプレイヤー双方に非常に重いペナルティが課せられるため

基本は、NPCの神官に頼むのがこの世界での一般常識になっている

なお、寿命は存在しない


他、スキルシステムを採用しており

スキルレベルが高いほど作成するアイテムの品質や魔法で与えるダメージ等、様々な恩恵を得られる

カンストである999になると、確率で大成功やクリティカルを起こしていたものが確定になったり、素材消費が最小限になる等、様々な恩恵を得ることができる


そしてこのゲーム最大の特徴がストーリーが存在しないというもの

国や店を運営するNPCは存在し、国を経営するNPC同士の大きな戦争も度々起きるが、従来のMMOやRPG等にある大きな事件に巻き込まれていくなどのストーリーは存在しない

そのため、最序盤から豪邸を建築したり非常に強力なボスに挑めたりもできる


そんなArchitect Fantasyの国の1つ、豊かな自然に囲まれた巨大な都市クロロクロム、その国の一般市民プレイヤーの1人である、アルターこと三木正吉は

サービス開始の頃からプレイしており、あまり危険を犯したくないためだけに冒険をせず、ギルドにも所属せず

ただひたすら戦闘に関するもの以外のスキルを上げてきた、おかしなプレイヤーだ

特に料理スキルを重点的に上げており、カンストしているプレイヤーであるが

そのことを知っているプレイヤーは、彼の数少ないフレンドのみである

このゲーム、スキルレベルのカンストにかかる労力は途方もないもので、一般プレイヤーが最初からスキルをカンストさせるのに数千時間はかかると言われている

また、料理スキルはカンストさせてもメリットが少ないため、あまり上げてもらえない不遇のスキルである

そんなスキルを真っ先にカンストさせたアルターは、ネット掲示板やSNSでは有名人である…のだが彼自身は所属している国の端の方でひっそりと料理店を営んでいるだけで、店自体を分かりづらいものにしているために、彼に会ったことのあるプレイヤーというものは意外と少ない



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーチリリーン…



そんな彼の元に、今日もフレンドのゾディアックが訪れる



「ウィーッス、飯作ってくれ」

「よっすー、食材は持ってきたのか?」

「今日はコカトリスの肉だ、唐揚げにしてくれ、あとビールも頼む」

「あいよー」



眼の前に出された巨大な鶏肉の塊をアルターは手際よく切り分ける



「そういや聞いたか、近々この国とゼルディン国の対話が行われるらしいぜ」

「マジか~、どうせ客足変わらねぇとは思うが」

「お前、ほんとひっそり経営だよなぁ、大きくしたいとは思わないのか」

「いやぁ全く無いな、ま、来週末から3連休だから、そんときは多少営業時間伸ばすか」

「だけどよ、こんなボロボロじゃどちらにせよ人こねぇだろ」

「それを狙ってるんだがな、まぁそろそろ多少は改装するかぁ」



彼の店は街の景観に合うように外装は整えてあるが、内装はかなりボロボロである

それもそのはず、この建物を建築したのはまだ建築スキルの低い頃のアルターが建てたものだ

今でこそ、椅子やテーブル等の家具類をよく作成、取替を行っており、スキルレベルは高くなっているため、いつでも改装はできたのだがあえてしてこなかったのだ



「素材どうすんの」

「頼めるか?」

「いいぜ、ざっと木材5万くらいあればいいだろ」

「だな、そんだけあれば内装はピッカピカに出来る」



ゾディアックはギルドに所属する冒険者でありながら、木こり稼業をしている

木材5万程度なら朝飯前である


下味を付け、衣をつけ、油の中に入れる、店の中に油の跳ねる音が響き渡る

揚げてる間にビールをジョッキに注ぎ、ゾディアックに出す



ーーーチリリーン…



「んお」

「いらっしゃい」



珍しい客が来る、格式の高い衣装を着た人物である



「アルター殿はいますかな」

「アルターなら俺だが」

「クルルクロム国補佐官、ジェルンと申します、現クルルクロム国王、フロウ王があなたをお呼びしております」

「あ~…悪いが今は営業時間中なんだ、1,2時間後であれば行けるんだが」

「時間はいつでも構いませぬ、王宮にてお待ちしています」

「わかった、じゃあ営業が終わったら向かうわ」

「では失礼します」



そう告げるとジェルンは店を後にした



「お、おい、俺なんか悪いことでもしたか!?」

「俺に聞くなよ!俺みたいな国に絡まない職業に付いてるやつがわかるわけねぇだろ!」

「ったく、国王が俺になんのようだってんだ…」

「やっぱ料理スキルじゃねぇか?お前カンストしてるし」

「やっぱそうかねぇ…俺としてはゲーム内ではあんまり有名になりたくないが…」



悩んだ顔をしつつ、唐揚げを油の中から引き上げ皿にキレイに盛り付ける



「あいよ、コカトリスの唐揚げ完成だ」

「待ってました!」



唐揚げの横に添えたレモンを絞り、口に頬張る

そのまま、ジョッキに入ったビールを飲む



「っかーっ!VRとはいえやっぱたまんねぇぜ!」

「やっぱ良い飲みっぷりだぜ、あんたは…」

「んでよ~、仮に俺のさっきの予想が正しかったとすると、やっぱゼルディン国に出すもてなしの料理の料理頼まれるんじゃねぇか?」

「とすると、向こうに食材はあるとして、料理どうすっかなぁ俺会食なんて作ったことねぇよ」

「肉だろ肉、豪華に行くなら」

「案外魚も馬鹿にできねぇぞ~、はぁ…考えておかなきゃな」



アルターが深くため息をついてると



ーーーチリリーン…



「ちーっす、お?どうしたの深刻そうな顔して」



フレンドの1人であるフィーネが来店した



「さっき補佐官が来て、こいつを国王が呼んでるってよ」

「ほえ~、さっきの人補佐官だったか~」

「ホントさ…俺はこういうひっそりした感じが好きなんだがなぁ…ダメ元で頼んでみるか」

「何を?」

「俺のことを公にしないようにって」

「まぁ俺らは一部スキルレベルが高いだけの一般市民だからな、あんたはカンストさせたスキルがおかしいが」

「そうね~、私の知る限りこのゲームの料理カンストはあんただけだし、あ、これでスイーツ作ってよ」

「あいよ…少し俺自身が憎いぜ…」

「まーたどっから持ってきたんだよそれ」

「えへへ~秘密!あ、ワインもお願い!」



フィーネが差し出したのはブラックアップル、このゲームでは入手難易度の高いレアな果物である



「ちょっと奥の方で料理してくるわ」

「あいあ~い、ゆっくりでいいからね~」



差し出されたブラックアップルを持って奥の方へと行ってしまうアルター



「にしてもとうとう上の方から声がかかってしまったのか~」

「あれ、あいつ今まで声かけられなかったのか?」

「そそ、あえて人が来ないように仕向けて興味が惹かれないようにしてるの、カンストしてるとはいえ、すごい料理が出来る人は他にもたくさんいるしね」

「俺はこの国の店全部渡り歩いたつもりだが、どの店の料理人もアルターに勝てるとは思えねぇな」



奥からアルターが白ワイン瓶とワイングラスを持ってきた

店の内観からは想像できない最高級のワインである、作ったのはアルター



「ほい、ワイン、ゲーム内16年物だ」

「わーい!最高級だ!」

「おいおい、いいのかよ、まだ熟成中じゃなかったのかよ」

「こいつはあれとは別のやつだ、あれはもうゲーム内24年位だぞ、んじゃ料理に戻るわ」



そう言い放ち、アルターは奥の方に戻っていった

フィーネはワインをグラスに少し注ぎ、軽く回し、香りを確かめ、口にふくむ



「流石アルターの作ったワイン、香りもいいし味わいも凄くまろやか」

「本職ソムリエは羨ましいぜ…こればかりはステータス云々ではできねぇからな…」

「資格持ってるだけなんだけどね、そうそう、噂だと今でもアキファンの現役プレイヤーで料理カンスト、アルターだけらしいよ」

「他のスキルカンストは結構いるのにな」

「王宮料理人でも大体600位だってさ」

「王宮でもそんなもんなのか、せいぜい800はいってると思ってたが」

「運営が発表した今月の現役料理人プレイヤーって、全体の1%にも満たないらしいからね~、そんな中でずっと続けているアルターはすごいよ」

「あいつの料理愛はどこから来てるんだか」



フィーネはメニューを開き、同年代の白ワインの相場速報を見始める



「やっぱり高いなぁ、ワイン制作に関わるスキルって料理スキルだから私も上げようかなぁ…」

「農業をしてるフィーネが料理人か…」

「む、バカにしたな?これでも今作っている作物の育成すごく大変なんだからね」

「バカにはしてないさ、ただ料理人目指す人ってそうそういないだろ?」

「確かにね~、料理スキル上げるの大変だし、私の農業スキルもあと70くらいだし、そっち上げきったらかなぁ…」

「お前、今何栽培してるんだっけか」

「ん~と、ハニーグレープと、クリムゾンアップルと、後はシュガーチェリーかな?」

「んじゃあ、さっき渡したブラックアップルはどこから持ってきたんだ」

「あれは、ちょっと遠出した時に偶然見つけたやつ、ブラックオーガがいて大変だったよ…」

「あれに挑んだのか、魔法中心のお前にはきついだろうに」

「うんにゃ、タンクが得意なフレンドと一緒に行ったから魔法の行使には困らなかったけど、硬いのなんの」

「あ~…あいつHP60億くらいあるからな…」

「槍使いでも誘えばよかったなぁって今頃思うよ」



小さな店内の中に少しずつ甘い匂いが広がっていく

すると奥からアルターが戻ってきた


「お、そろそろできそう?」

「いやまだだ、今カマドで焼いてる途中」

「まだあのカマド使ってんのか、新調しねぇのか?」

「あれが一番使い慣れてるんだよ、変に料理器具を変えると調子狂っちまう」

「愛着ってやつね」

「そういうことだな」

「んでさ、火加減は見なくていいの?」

「ああ、最近火属性魔法のスキルを底上げしたから、火加減は維持してる」

「どんくらい上げたんだよ」

「ん~と…大体700くらいまで上げたかな」

「上がり過ぎじゃない?前400くらいだったよね」

「料理スキルのおかげかな、結構サクサク上がったぜ」

「そういや、関連するスキルが上がりやすくなる仕様だったなこのゲーム」

「っと、そろそろだな」



アルターは再び奥へ行き、焼き立てのアップルパイを持って戻ってくる



「ほらよ、ブラックアップルのアップルパイだ、熱いから気をつけろよ」

「わ~、美味しそ~!」

「ブラックアップルって、入手難易度もそうだが調理難易度も高くなかったか?」

「そうか?結構簡単だぞ?」

「カンストしてるやつの言うセリフはやっぱ違うぜ…」

「美味し~!」



できたてのアップルパイを頬張り満足げのフィーネ



「よし、お前らが帰ったら王宮に行くから、身だしなみ整えねぇとな」

「もう準備か?」

「どうせもう来ねぇだろ」

「せやな、基本来客俺とこいつの2人だけだしな」

「フレンド連れてきても良いんだよ?」

「まぁそれは次の機会ってことで」



アルターはそそくさと自室に入っていった

客の2人もアルターに迷惑をかけまいと、少し早めに出された料理を食べる



「ゼルディン国との対話の日、どうしようかねぇ」

「毎回対話の時は、国中厳重態勢になるからね、迂闊に武器を持ち歩けないよね」

「俺は大人しく木こりかねぇ、ギルドも動けないだろうし」

「私も木の整備かなぁ、この季節の害虫意外と厄介だし」



残ってたビールと唐揚げを一気にたいらげ、席を立つゾディアック

タイミングよく身だしなみを整えたアルターが戻ってくる



「アルター、金はいつもの額でいいよな」

「ああ、そこに置いといてくれ」

「私は~?」

「フィーネもだな、いつもの額だ」

「いつも思うけどさ~、料理の質というかなんというか、アルターが提供してる物に対して値段が合ってないよね」

「基本食材はあんたらが持ってきてるからな、その分浮いてるだけだぜ」

「そうかな~、それにしたって安いような」

「ま、仮に繁盛するようになってきたら値段上げるかもな」

「あんたは繁盛なんて求めてないだろうけどな」

「まぁな、現実でも忙しいのにこの世界でも忙しいのはゴメンだぜ」



アルターはそう言い、笑ってみせた



「う~ん、食べ切れなさそう、持ち帰っても大丈夫?」

「あいよ、容器とかいるか?」

「それは私持ってるから大丈夫」



フィーネは持ってきていた麻袋から木箱を取り出し、その中に残っているアップルパイを入れて、麻袋に戻した後席を立つ

そして3人で店の外に出た、アルターは忘れず店の立て札の裏表を切り替える



「結構暗くなったね~」

「今はゲーム内19時か、夏なのに肌寒いな」

「運営から冷夏ってアナウンスされてるからな、昼は流石に暑いが」

「現実世界だとくっそ暑いよなぁ…エアコンが欠かせないぜ」

「全くだよ、うち今エアコン壊れてるってのに」

「んじゃ、俺は王宮の方行くわ」

「じゃあな」

「またね~」



ふたりと別れ、アルターはゆっくりと王宮に向かった



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「この場に何用だ、ここは王宮関係者しか滞在できぬ場所だ」

「一般市民のアルターだ、クロロクロム国補佐官ジェルン氏に用がありここに来た」

「ジェルン様にか、案内しよう、ついてこい」



王宮前にいた兵士に案内され、王宮内へと入っていくアルター

王宮は白い石材で作られており、外装は汚れ一つ付いてないほど綺麗に整備されている

内装もアルターがいるのが場違いに思えるほど、宝石や貴金属による豪華な装飾が施されており、その装飾1つ1つが天窓を通る月明かりを反射するほど綺麗に磨かれている

その為に、灯りがなくとも建物内は明るい



(ほんと、俺には相応しくない場所だな)

「この部屋で待ってろ」



王宮内の応接室に招かれたアルター

先程までいた廊下の装飾に負けず劣らずきらびやかに装飾されている



「はぁ…めんどくせぇことになってきてんなぁ…」



アルターはそう愚痴を漏らした



「おまたせしましたな」



漆黒のマントを身に着けたフロウ王と補佐官のジェルンが一緒に応接室に入ってきた

威厳のある姿、アルターが何度も遠くから見た姿だ

かといって、アルターは別に王に特別な感情など持ち合わせてはいなかった

彼にとっては王もまたプレイヤーの1人に過ぎなかった



「これはこれはフロウ王よ、私のような一般市民になんの御用でしょうか」

「そう硬くならずともいいぞ」

「まあ、テンプレってやつだ」



少し困惑するジェルンを横目に、フロウ王とアルターは笑いあった



「ごほん…要件を申し上げます、来週末、我々の元にゼルディン国の王、ハーツ王とその王妃、ルビアス王妃がこの国に来訪し貿易の対話を行います、その際の夕食会にて貴方に腕をふるっていただきたいのです」

「こんなちんけな一般市民に料理を提供させるのか」



そんな反応を示したアルターに対し、フロウ王はにやりと笑い



「ちんけな一般市民とは抜かしおる、お前は料理スキルをカンストさせておるだろ」

「バレていたか~…」

「まさか、唯一の料理カンストプレイヤーが我が国にいるとは思わなかったぞ」

「どっから俺のことを知ったんだ?」

「1つの噂からだな、あの有名プレイヤーがこの国で暮らしているという噂を聞いてだな、秘密裏に調査させていたのだ」

「あ~…なるほど…噂ってのはこえぇなぁ」



アルターは頭を軽く抱え、考え込む



「無理にとは言わない、だが請け負ってくれればちゃんと報酬は出す、無論食材は全てこちらで用意しよう」

「来週末は店の改装を行う予定だったが…………請け負ってもいいが、3つ条件がある」

「なんでしょう」

「お相手様に俺の名前を出さないこと、俺の名前を国で公開しないこと、一部果物をこっちで仕入れることを許可すること、これが条件だ」

「よかろう、その条件受け入れよう」

「では、こちらにサインを…」



アルターは差し出された契約書にサインを書き込む

それに明記されてた報酬金の額を見て内心びっくりする



(おいおいマジかよ、こんな大金なのか、こりゃ気合い入れていかねぇとな)



その額、およそアルターのゲーム内年収のおよそ二十倍

アルターはこんな額貰うならあのワインをお土産として持っていこうと決めた



「契約成立だな」

「ああ、当日はよろしく頼む」

「あ、2人に質問なんだが、お相手様の好きな料理はわかるか?」

「ハーツ王とルビアス王妃の好物か…俺はわからんな」

「恐れながら、私も存じ上げません」

「そっか、まあ当日は善処するよ」



そう言い残し、アルターは王宮を後にした



「さて、あいつのところには明日かな」



アルターは自分の店に向かって歩き始める

空には大きな満月が、街を照らしていた

それはアルターの未来を明るく照らしているようだった


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