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終わりの始まり
ギン!と耳障りな音が響いた。
今までとは違う手応えに、勇者はしっかりと剣を握り直した。
そして、勇者の放った一撃は遂に妖魔樹の核を砕いた。
誰もが勝利を確信したその瞬間、ものすごい勢いで樹液が四方八方に飛び散った。
今までの経験から、聖女の祝福も効かない程の強い毒という事は分かっていた。
咄嗟に防御壁を張る者。
身軽に躱す者。
…けれど、ただ1人。
聖女だけが反応しきれなかった。
動ける者はいなかった。
勇者を除いて。
「…っ⁈」
呆然とする聖女の目の前で崩れ落ちる勇者。
恐怖で竦んでいた聖女が我に返り、勇者の手を握りしめる。
気付いた仲間達が駆け寄る間にも、勇者の瞳から光が失われていく。
「駄目よ…こんなのダメ、カイル!」
「マリ、ァ、生き…ろ」
勇者の命を繋ぎとめようと、聖女はあらん限りの祈りを捧げた。




