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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
5章 ー海外交流編ー
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第94星:囮

咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。現在、現場を離れている大和に代わり、根拠地の指揮を執っている。


新島 夕(10)

大和と咲夜をサポートする報告官を務める。『グリッター』としてこ能力を秘めているが未だに開花には至らず。それでも、自分にできることを精一杯こなす純真無垢な少女。10歳とは思えない礼儀正さを兼ね備える。


早乙女 護進(28)

派遣交流の監査役として千葉根拠地にやってきた(というか連行)非戦闘員・専門指揮官。『軍』最高司令官である早乙女 護里の息女であるが、品行は非常に悪い。大和の戦術の師であるが、過去に重いトラウマを抱えており…?


【夜宵小隊】

私市 伊与 19歳 四等星

 年齢関係なく他者を慕う後輩系『グリッター』。近接戦闘を得意とする。


早鞆 瑠衣 18歳 四等星

 十代には見えない落ち着きを持つ、お嬢様系『グリッター』。支援を得意とする。


矢々 優弦 16歳 四等星

 幼少期を山で過ごし、『グリット』無しでも強い戦闘力を発揮する。自然の声を聞くことができる。

『お前は一体大和(アイツ)から何を学んできたんだ』



 護進に試され、咲夜の心の奥は密かに燃えていた。


 何より、自分の失態で大和の評価を下げるなど、絶対にあってはならなかった。


 心は熱く、しかし頭は冷静に、咲夜はモニターを俯瞰的に眺める。



『いいか咲夜。物事は主観だけで捉えちゃダメだ。咲夜は過去の経験から特にそうなりがちだからね。客観的に、遠目に、ちょっと距離を取るくらいで考えるのがちょうど良いんだよ。大半はね』



 モニターを見つめながら、咲夜は大和に教わっていたことを思い出していた。


 上に立つ立場として、咲夜が大和に劣っているわけではない。


 咲夜には咲夜なりのカリスマ性があり、根拠地の『グリッター』もそれは十分に感じ取っていた。


 但し、咲夜のカリスマ性は、指揮官と言うよりは現場で輝く性質が強かった。


 実際、朝陽達との組手であったり、直接的な関わりであったりと、目の前での振る舞いが『グリッター』の面々を惹きつけてきている。


 護進がそれを知って試しているのかは分からないが、咲夜もここが一つの分岐点であることを感じていた。



「(私は大和のようには慣れない…けれど、今は指揮官としたの立場を全うしなくてはいけない)」



 目まぐるしく変わる盤面を観察し、咲夜は護進の言う気付ける二つのことを探し出す。



「…これは…」



 そして咲夜はその違和感に気がつく事が出来た。


 しかし同時に、違和感を見つけた事で更に違和感を大きくさせてしまった。



「メナスは無数にいるというのに、攻撃をしているメナスの数が異様に少ない…」



 咲夜の答えに、護進はニヤリと笑みを浮かべた。



「やるじゃねぇか、正解だ。数はいるのに攻撃の手数は少ない。大群から襲撃を受けていて未だ大きな被害が出てないのはそれが理由だ」



 次いで護進は、指を一本立てる。



「ほいじゃ今見つけた違和感、それが二つ目だな。どうして攻撃の手数が少ない?」



 それはまるで教師と生徒のような関係であった。


 咲夜がそれに気付いているかは分からないが、端から見ていた夕には、そのように見えていた。



「何か別の意図がある…?栃木根拠地の勢力を引き摺り出すため?いや、それなら総攻撃の方が確実なはず…」



 咲夜は短い時間の中で思考を加速させていく。そして、一つの仮説に至った。



「…()()()()()()()?」

「ほぅ…どうしてそう思う?」

「一点目の違和感と併合して考えると、殆どのメナスは同じ箇所を徘徊するように移動しています。そして徘徊しているメナスが攻撃している場面はほとんど見られません。何か…意図的な誘導じみたものを感じます」



 その答えを聞いて護進はフッと笑むと、寄りかかっていた机から体を起こし、咲夜の肩に手を置いた。



「及第点だな。だが初期対応が遅れた中では良く盛り返したってところか」



 咲夜を教える護進の姿は、本当に同一人物なのかと疑うくらいに様子が異なっていた。


 寧ろ、なぜここまで様子が一変したのか、夕は聞かずにはいられなかった。



「あの…どうして急にこんなことを…?代理の仕事はしないと…」

「あ〜そうだな。私もこの部屋に来るまで…いや、実際部屋に入ってもやる気なんざ微塵も無かったよ。だが…」



 護進の視線は夕に向けられることなく、ただ直向きにモニターにのみ向けられていた。



()()()()()()()()()()()()()()()()()



 この言葉に夕は首を傾げ、同様に咲夜でさえもその意味を理解し切れていなかった。


 護進も元々理解できるような話をするつもりもなかったのだろう。その話を切り上げ、再びモニター先の戦いに意識を戻していた。



()()()の狙いは我々(てき)の誘導だ。ド派手な花火を打ち上げて、私達の気を引くつもりなのさ。現にそれは成功してるがな」

「こいつ…?護進さんは何か知っているんですか?」



 その含みのある物言いは、明らかになにかを知っていることを暗に匂わせていた。



「知ってる。よぉく知ってるよ。何せ私は、1()5()()()()()()()()()()()()()()()()

「…ッ!?まさか…この敵は…」



 二人の会話に一人追いつけないでいる言うであったが、その様子から相当危険な敵であることは想像に難く無かった。



「この敵の名前は『アイドス・キュエネ』。20年前に現れた4体目の悪厄災(マリス・ディザスター)だ」






●●●






 違和感には、現場にいる夜宵達も気が付いていた。


 無数に飛び交うメナスを相手にしつつ、夜宵達が感じていた違和感は、交戦意識の少なさだ。


 夜宵達が攻撃を仕掛ければメナス達は逃げるようにして引き距離を取る。


 攻撃を仕掛けてこないかと思えばどこからともなくレーザーが放たれる。


 このパターンをひたすら繰り返されていた。


 最初こそ数に圧倒されてはいたが、その単調な攻撃の繰り返しにより、栃木根拠地と夜宵臨時隊の被害は皆無に等しかった。



「(コイツらの狙いはなに…?何故こんな時間をかけるような戦いをしているの?)」



 夜宵は意識を戦闘に集中させながらも、メナスの意図を察しようと試みていた。



「(メナスの動きは単純。一定の距離を保ち、引きつけた敵をレーザーで狙い撃つ。けれど、それでこちら側に被害が出てる様子はない。にも関わらず、メナスは同じ攻撃を繰り返している…)」



 思考の途中でメナスの攻撃(レーザー)に合うが、夜宵はこれを難なく対処する。



「(これだけの数…いくら私達が救援に駆けつけたとはいえ、この質量差で押し込まれれば被害は甚大のはず…それをしてこない理由は何?)」



 考え続けていく中で、夜宵はふと何かに思い至る。



「(…まって、()()()()()()()()()()()()()…?)」



 夜宵は今まで考えついてきたことを、全て逆説的に捉えていく。



「(逃げているのではなく戦えない…時間をかけているのではなく時間を稼いでいる…押し込まないのではなく、押し込めない…)」



 加えて夜宵は、これまでのメナスのパターン的な行動から、一つの結論に至っていく。



「優弦!」



 夜宵はすぐさま小隊のメンバーである優弦に声をかける。


 呼ばれた優弦は不思議そうにしながらも夜宵の側へと移動する。



「どうした…の?」

「優弦、貴方の『精霊の囁き声(グリット)』で、メナスのことを調べられる?」



 思わぬ言葉に優弦は驚いた表情を浮かべるが、直ぐに首を横に振った。



「それ…は、ムリ。ワタシ…の『グリット』は、自然の声…を聴く力。メナス…の声は聞け…ない」

「メナス本体の声じゃなくても構わないわ。このあたり一帯から声を聴いて、メナスのことを探って欲しいの」



 夜宵の意図はわからなかったが、これまで数々の戦いを夜宵の力で乗り切ってきたことから、優弦は迷うことなく『グリット』を発動させた。


 風や下にある木々が一瞬ざわつくような感覚を感じ取りながら、夜宵は優弦の言葉をまつ。


 やがて声を感じ取った優弦は、訝し気な表情を浮かべていた。



「どう?」

「何か…変」

「何がおかしいの?」



 既に夜宵は答えを持っているようであったが、優弦の言葉を聞いてから結論を出すのを待っていた。



「これだ…け、メナスがいる…のに、自然…は全然怯え…てない。まるで、メナスが…いない…みたい」



 優弦の言葉で確信に至った夜宵は、悔しがるような表情を一瞬浮かべ、直後に優弦に次の指示を出した。



「優弦、私の言うところに矢を射って」

「え?でも…こんな視界…の開けた場所…じゃ、当たらない…よ?」

「大丈夫…であって欲しくはないけど、もし私の推測通りなら、必ず当たるから」



 優弦は再び分からないといった表情を浮かべていたが、直ぐに夜宵の指示通り矢を構える。



「狙いはあそこ。タイミングは私の方で出すわ」

「え?で…も、あそこには何…も」

「いいから。いくわよ、3…2…1…いま!」



 訳もわからないまま、優弦は言われた通りに矢を放つ。放った矢は夜宵は言われた通りのコースを正確に通り、そして…


ーーーーーヒュン…


 そのコースをちょうど通ったメナスの()()()()()()()()()



「えっ…!?いま…あたっ…た?」

「ある意味ね。透き通っていったと言う方が正しいかしら」



 恐らくこれは夜宵の予想通りのことであったが、夜宵の表情は寧ろ強張っていた。



「直ぐに矢武雨隊長と指揮官に連絡しないと」

「待っ…て?どうゆう…こと?何が起きて…るの?」



 流石に我慢の限界がきたのか、優弦が夜宵にいまの状況を尋ねる。


 夜宵はどこか悔しそうに歯噛みしながら、その口を開いた。



「私達は…まんまと罠に嵌められた、ってことよ」

※ここからは後書きです






ども、琥珀です!

最近暖かくなってきましたね〜


一昨日なんかは春一番のような気候でした

気が付けばもう三月ですし、そりゃそうですよね〜


依然、世間的には某ウィルスにより予断が許されない状況が続きますが、やってきた春の到来で、ほんの少し、気分が和んだ1日でした


本日もお読みいただきありがとうございます!

次回の更新は、金曜日の朝八時を予定しておりますので宜しくお願いします!

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