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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
5章 ー海外交流編ー
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第80星:案内

咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。指揮官として司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めており、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『グリット』を覚醒させ、仲間の命を救う。大和から信頼され、小隊長にも任命される。


ヴィルヴァーラ・スビルコフ (20) 二等星

ロシアスルーツク支部所属。海外派遣交流により日本の千葉根拠地にやってきたロシアの『グリッター』。当初より根拠地の『グリッター』をあしらうような姿勢を見せるが…?


国館 飛鳥(18)

実兄の背後に飛び込んだ大和の実妹。最高本部の『グリッター』であり、最高司令官である護里直属の戦士でもある。その正体は日本に8人しか存在しない、護里が指名した最高の『グリッター』の称号である最年少の『シュヴァリエ』である。

 飛鳥と護進がやってきた翌日の朝。前回に続き、ヴィルヴァーラは朝陽の小隊と行動を共にしていた。



「日本の人達も予想以上に千差万別ね。貴方達のようにザ・日本人みたいな人達もいれば、護進(カノジョ)のような、不真面目な人物もいる。世界は私の知らないことばかりね」



 ヴィルヴァーラと同じく、護進とは初対面である朝陽達からすれば苦笑いをすることしかできなかった。



「ですがそれは世界共通のことですからね!!逆に親近感が湧くのではありませんか!!」

「…まぁね」



 ヴィルヴァーラはどこか素直になれない様子であったものの、奏の言葉に頷いた。



「それにしても、思っていたより平和ね日本は。もっと頻繁に戦闘が起こるものだと思っていたわ」



 いつもの巡回パトロールを行なっている最中、ふと、ヴィルヴァーラが呟く。



「確かにぃ、最近は出動回数自体は減ったよねぇ」

「そうですね。ですが、その分一回の戦闘での過酷さが増したように感じます。正直、大和司令官がいらっしゃらなかったらどうなっていたか…」



 梓月の言葉に、ヴィルヴァーラを除く全員が思わず頷く。



「ふぅん…やっぱり件の司令官は相当評価が高いのね。やはり戦術的な面で優れているのかしら?」

「勿論それもあるけどぉ、司令官の凄さはそこだけじゃないわよねぇ」

「私達を惹きつける…何かカリスマ的なものがありますよね」



 梓月の言葉に奏がフンフンと頷くと、笑顔で口を開く。



女性(私達)を惑わす、天性のタラシ気質ですね!!」

「それは違いますよね!?」



 すかさず朝陽がツッコミをいれるが、ヴィルヴァーラの表情は完全に引きつっていた。



「え…日本の司令官ってそういう…」

「違いますからね!?」



 この数日で、ヴィルヴァーラとはだいぶ打ち解けてきたように思える。


 最初こそクールで、どこか近寄りがたいような雰囲気纏っていたように思えた朝陽達であったが、実際に触れ合うたびに、その内にある感情を理解できるようになっていった。


 彼女は表立った感情にこそ出さないが、その内面は豊かな女性であった。


 今も奏のギャグにノッかって(本気にしている可能性もあるが…)くれている。


 もしかしたら共に戦闘をこなしたことも大きいのかもしれない。


 実際、朝陽もこの日パトロールに参加はしているが、傷は十分に癒えているとは言えない。


 その責任を感じてか、ヴィルヴァーラから歩み寄ろうとしてくれているのかもしれなかった。


 しかし、そんなことは朝陽達にとってはどうでも良いことであり、なんであれ、ヴィルヴァーラと親睦を深められていることが喜ばしかった。



「巡回は終わりですね。根拠地に戻りましょう」



 幸い、このパトロール中にメナスと遭遇するようなことは無く、朝陽も戦闘を行うことは無かった。


 無事根拠地に到着した朝陽達の前に、咲夜が出迎に現れていた。



「お疲れ様でした、朝陽小隊の皆さん」

「指揮官?どうしたんですか、こんなところで」



 通常、指揮官である咲夜がパトロール帰りの面々を出迎えることはほとんど無い。


 指揮官という立場であり、司令官が不在ということも加わって、咲夜も激務に追われているからだ。


 更に、大和の代わりに配属された司令官代理が全く仕事をしないお荷物状態となっていることも相まって、咲夜の仕事量は凄まじいことになっていた。


 だからこそ、そんな激務に追われている合間を縫ってまで朝陽達のもとに訪れたことに、小さくない驚きを覚えていた。



「えぇ、実は貴方達にお願いがありまして。本部から派遣された飛鳥に、この根拠地を案内してあげて欲しいのです」

「え、飛鳥ちゃんをですか?」



 頼まれた内容は、考えていた内容よりも単純なものであった。



「えぇ。勿論、ヴィルヴァーラ二等星も一緒にです」

「勿論それは構わないのですが、何故私達に?こう言うのは夕ちゃんとかの方が適任なんじゃ?」



 新島 夕は朝陽の跡を継ぐようにして司令官、指揮官をサポートする報告官の職についたが、こういった支援職自体の歴については、実は夕の方が長い。


 と言うのも、夕はかなり早い段階で『グリット』に覚醒する可能性を秘めていることが分かっていたからだ。


 残念ながら今日に至るまでその『グリット』に覚醒することは無かったが、その分司令官と事務に関わる仕事をこなしてきた。


 根拠地のことであれば、夕が誰よりも理解しているだろう。それが故に、朝陽は疑問に感じていたのであった。



「残念ながら夕さんは私の補佐として働きづめのためお願い出来ないのです」



 確かに…と一同は納得する。司令官と、その代理が仕事をこなせないいま、咲夜にとって夕が最後の望みであると言えるだろう。



「それに…朝陽さんは飛鳥とも仲が良いようですし、ヴィルヴァーラ二等星とも既に交友を深めています。それも踏まえて貴方達が適任であると判断しました。受けていただけますか?」

「勿論です!!あ、飛鳥ちゃんとヴィルヴァーラさんが良ければ、ですが…」



 チラリと朝陽は隣のヴィルヴァーラを見ると、ヴィルヴァーラは僅かに口元を緩ませた。



「構いません。寧ろ貴方達の方が気兼ねなく散策できるわ。咲夜指揮官、私からも朝陽達に案内をお願いしたいです」



 ヴィルヴァーラの返答に咲夜は満足そうに頷くと、直ぐにそれを了承した。






●●●






「ふえぇ〜根拠地って来たことないんだけど、改めて見ると思ったより大きいんだねえ!!」



 その日の昼過ぎ。朝陽は飛鳥とヴィルヴァーラの二人を連れ、根拠地の出入り口門に訪れていた。



「私も他の根拠地を訪れたことが無いから分からないけど、『グリッター』16名、技術班20名、他の人も合わせて50名くらいの人がいるけど、窮屈とかそんな感じは全然しないね」



 根拠地の敷地面先は、かつてあったとされる東京ドーム一つ分の広さであるが、複数の建築物があるため、それよりも広く感じる。


 また直ぐ近くには海、後ろには山があるため、景観も十分に良い。立地としても、数ある根拠地の中でも上位に入るだろう。



「いいなぁ〜。私もこういうところで働きたい…」



 よほど本部とは雰囲気がかけ離れているのか、飛鳥は物珍しそうに周囲を見渡していた。



「あはは…でも良いことばかりじゃ無いよ。海と山に面してるってことは、最前線地だってことだし、両方に対応しないといけないこともあるから」

「あ〜なるほどねぇ。でも、メナスって何故だか海から来ることが多いよね。なんで何だろ」

「う〜ん。やっぱり、メナスを創り出した謎の隕石が海に落下したことが起因してるっていう説が一番有力じゃ無いかな?」



 メナスが謎の隕石から生まれるのと同時に、各国はその隕石目掛けて攻撃を仕掛けた。


 しかし、その直後に『オリジン』の襲撃に合い、その成否を確かめることが出来ずにいた。


 復旧した衛星などを頼りに近海を確認したが、隕石の姿は見つからなかったという。


 しかし、海に沈んだ可能性も考えられるため、消滅した、という結論を出すことは出来ないでいた。



「まぁねぇ。調査に繰り出そうにも、一帯の海域にはメナスが大勢いるって聞くし、やっぱりそれが一番現実的なのかな」

「でも、その理屈なら私達ロシアの地に、今も継続的に『メナス』が襲撃してくるのはおかしく無いかしら?」



 二人の会話に、ヴィルヴァーラが割って入る。



「メナスを創り出したとされる隕石が落ちたのは、日本近海の北太平洋よね?襲撃当初ならまだしも、『軍』という組織と『グリッター』という戦士が現れた今、その場所からロシアまで『メナス』が現れるのは不可思議だわ」



 外国ならではの意見に、一同は頷く。



「…確かに。ロシアはその正反対に位置する国ですからね」

「でも、日本とか中国を迂回するようにすればそういう可能性もあるのでは?」



 梓月の意見に一定の納得をしつつも、ヴィルヴァーラは再び首を傾げる。



「そこまでしてロシアを狙うメリットは何かしら?敷地面積優先で考えるのであればそれもあり得るけれど、メナスの標的は人間でしょう?現在の人口で考えれば中国の方が遥かに多いし、わざわざロシアまで迂回する理由が分からないわ」



 ヴィルヴァーラの言葉に、朝陽も飛鳥も確かに頭を傾げる。


 メナスの生態については、今なお不明な点が多い。何せメナスは生命が止まると黒い塵となって消えてしまうため、研究が全く進まないのである。


 捕獲を試みようにも、メナスの異常耐性は高く、奇跡的に成功しても直ぐに回復してしまう。


 加えて、拘束したところで、人類の拘束器具ではメナスを抑えることが出来ない。故に、その生態の謎は解明することが出来ないのである。



「…まぁ、専門の科学者達でさえ分からない問題を、私達が解決しようとすること自体がおこがましかったわね。さぁ、行きましょうアサヒ。まだ案内してくれるのでしょう?」

「はい、勿論です!!」



 ヴィルヴァーラに促され、3人は再び根拠地内を歩き出す。

※そもそも後書きの告知ってこんな独り言のような形じゃなかったよね





ども、琥珀です。

例によって書くこともないので、私の日常でも…


私の睡眠の理想時間は、最低6時間です。

それ以下だと間違いなく翌日に悪影響を及ばします。


まぁ、とはいっても、これは特段大したことではなく、恐らく日本人の平均的な数値かと。


問題は私は寝つきが非常に悪いこと。入眠するまでに30〜1時間はかかります。

なので、寝る時は最低でもこの時間を視野に入れなければならないわけで…そうすると、意外と早く、且つ長時間の計算をしないといけないんです…


もっと良い入眠方法はないもんですかね…


そんなわけで、本日もお読みくださりありがとうございました!!

次回の更新は月曜日を予定しておりますので宜しくお願い致します!!

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