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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
5章 ー海外交流編ー
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第79星:早乙女 護進

咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。指揮官として司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めており、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『グリット』を覚醒させ、仲間の命を救う。大和から信頼され、小隊長にも任命される。


ヴィルヴァーラ・スビルコフ (20) 二等星

ロシアスルーツク支部所属。海外派遣交流により日本の千葉根拠地にやってきたロシアの『グリッター』。当初より根拠地の『グリッター』をあしらうような姿勢を見せるが…?


【朝陽小隊】

譲羽 梓月(23) 四等星

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。


久留 華 (22)四等星

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。


曲山 奏(20)四等星

 明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。

「離せよこら。私はこの仕事引き受ける気無いって言ってんだろうが」

「そんなこと言ってないで!!みんな見てるんだからさぁ!!ほら!!ちゃんと自分の足で歩いて!!」

「バカヤロォ〜こんな揺れた地面を歩けるかってぇのぉ」

「それは酔っ払ってるからでしょ!!」



 根拠地の港には、最高本部からやってきた人物を見ようと人だかりが出来ていた。ここに訪れた朝陽達もその類だ。



「あ、あれ…?この声…」



 人混みの奥から聞こえてきた二人の声のうち、一人に聞き覚えのあった朝陽が、前に割り込み顔を覗かせると…



「あ、朝陽ちゃん!」

「あ、飛鳥ちゃん!?」



 そう、そこには大和の妹であり、最高の称号である『シュヴァリエ』を与えられた少女、飛鳥がそこに立っていた。



「ちょうど良かった!ちょっとこの人運ぶの手伝ってくれいかな?」

「この人って…」



 視線を下げると、そこには飛鳥に引きずられるようにして運ばれている女性の姿があった。


 身なりを見るに『軍』人であるようではあった。


 格好は戦闘員用の『軍服』ではなく、後方支援や指揮のみを担当する非戦闘員用の軍服を着こなしていた。


 しかし、『軍服』を纏いながらもその行動は見るに耐えず、まだ昼間であるにも関わらず、見ての通り目の前で横たわりながら引きずられ、その顔には酒気が帯びていた。


 口調もどこか荒々しく、とても『軍』人としての役割を果たせるとは思えなかった。



「えと…飛鳥ちゃん…この方は?」

「えっと…この人は早乙女 護進まゆきさん。一応お兄ちゃんの代わりというか…臨時司令官代理で着任した人で、最高司令官である護里さんの息女さんだよ」







●●●






「朝陽ちゃんと奏さんはお久し振り!!その他の皆さんは初めまして!!最高本部から派遣されてきました、国舘 飛鳥です!!宜しくお願いします!!」



 どうにか根拠地の内部まで辿り着いた飛鳥は、早速全員に挨拶をする。


 ほとんどの全員が、目の前に立つ少女が最高本部からやってきたエリートであると信じることができない様子であったが、既に知った中である朝陽と奏は、飛鳥を歓迎した。



「本部から派遣された人が飛鳥ちゃんだったなんて!!」

「えへへ!!ボクも正直ビックリしてるんだけど、護里さんが提案してくれたんだ!!」



 『軍』友と言うよりは、個人的な友人関係として仲が良い二人は、キャッキャっと両手を繋ぎ喜んでいた。


 その様子から、飛鳥が本当に本部から来た人物であると理解した根拠地の面々は、改めて飛鳥を歓迎して行った。


 一通りの挨拶を済ませたところで、全員の視線は次の人物へと移っていく。


 視線の先では、代理司令官のために用意された椅子にだらしなく座り込み、持参したのであろう酒瓶を飲む先程の女性の姿があった。



「ね、ねぇ飛鳥ちゃん…あの人は本当に…」

「信じられないだろうけど…本当に護里さんの娘さんだよ」



 飛鳥の言葉を疑うわけではないが、それでも目の前の人物があの最高司令官の息女であるとは思えなかった。


 息女、早乙女 護進は視線に気がつくと、どこか苛立った様子で全員を一瞥する。



「なんだよ…こっちみんなよ」



 その口調と言動からは、とてもあの護里の娘とは思うことは出来なかった。


 朝陽達を一瞥し終えると、護進は再び酒を煽る。


 そのあまりにも無造作な態度に、朝陽達が戸惑っていると…



「全員こんなところに集まって何をしているのですか?今は軍務の時間の筈です」



 と、そこへ全員の姿勢が一瞬で引き締まるような凛とした声が響き渡る。振り返るとそこには咲夜が立っていた。



「本部の人の対応は私が行いますので、皆さんは直ぐに持ち場へ戻りなさい」



 咲夜の指示に従い、朝陽達は直ぐに行動に移る。



「あぁ、朝陽さん、貴方は軍務内容を変更します。その傷では直ぐのパトロールは不可能でしょう。代わりに三咲小隊を遣わせますから、貴方達は代わりに三咲小隊の軍務をこなしてください」

「あ、はい!了解しました!!」



 咲夜の指示に、ヴィルヴァーラは僅かに申し訳なさそうな表情を浮かべていたが、それを感じさせる間も無く、朝陽達は直ぐに行動に移っていた。


 一同がその場に居なくなったのを確認し、咲夜はまず飛鳥の方を見る。


 すると、それまでの厳しい顔つきから一変し、柔和な笑みを浮かべた。



「良く来ましたね飛鳥。長旅ご苦労様でした」



 すると飛鳥もそれに応えるようにして笑みを浮かべ、咲夜へと飛び抱きついた。



「あっはは!!咲夜さん本当に久しぶりだぁ!!会えて本当に嬉しいよ!!」



 大和さえ吹っ飛ばした飛鳥の飛びつきを、咲夜は絶妙に勢いを流しながら受け止める。



「えぇ、本当に久しぶりです。もう一年くらいになりますか?」

「ボクが本部の訓練校に入って以来だもんね〜…望生にはいつもあってるし、お兄ちゃんとはたまに会えたけど、咲夜さんとはずっと会えてなかったからすっごい嬉しい!!」



 感情を抑え切れないのか、飛鳥は咲夜の胸にスリスリと顔を埋め喜んでいた。


 咲夜もその純粋で真っ直ぐな好意には弱いのか、どこか諦めたような様子で飛鳥の頭を撫でていた。



「ホントに…立派になりましたね飛鳥。今や…あの最高司令官が認める『シュヴァリエ』ですもんね」

「えへへ…でもまだ満足してないよ!!お兄ちゃんや咲夜さん、それに望生…皆が支えてくれたから今のボクがある。だから、それに応えるために、ボクはもっと頑張るよ!!」



 そう言うと飛鳥は、咲夜の胸から顔を出して屈託なく笑った。咲夜もつられるようにして微笑む。



「慢心はしていないようで安心しました。ですが、忘れては行けませんよ飛鳥。大和が貴方に望んでいることは戦うことではないと言うことを」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()進むために生きる、でしょ」



 飛鳥の答えに納得した咲夜は、ゆっくり頷いた。



「大丈夫だよ咲夜さん。ボクは今自分がしたいことのために力をつけてる。そして戦ってるんだ。自分の道を歩むためにね」

「ええ、その様ですね。安心しました」



 そう言うと咲夜はゆっくりと飛鳥を離し、元の指揮官としての顔つきに戻る。



「飛鳥が配属されたことに驚きはありますが、納得も出来ます。恐らく本部の戦場以外を見せるためでもあるのでしょう。ですが…」



 咲夜は視線を飛鳥からもう一人の女性、早乙女 護進に向ける。



「大和の代わりに、貴方が配属されるとは思っていませんでした。護進さん」

「されてねぇよ咲夜。私は拒否したんだ。それを、そこの嬢ちゃんと…()()()()()()が無理やり連れてきただけだ」



 対する護進は咲夜と目を合わすことなく、不貞腐れた様子で答えた。



「私にはアイツの代わりは務まらねぇよ。アイツの様なカリスマも、鼓舞する力も、戦術の知恵も、今の私にはねぇ」

「その力を持つ彼に、その有効性と活かす力を与えたのはどなたですか?護進さん、貴方でしょう?」



 ここで初めて、護進は真っ直ぐ咲夜と視線を交わした。しかし、そこに光はなく、写るのは小さくない拒絶の眼差しであった。



「ちげぇよ。それを全部力に変えたのは、アイツ自身の努力だ。私は…一丁前に偉そうな口頭を垂れて唆しただけだ」

「…彼は…大和は今でも貴方を尊敬し、信頼しています。貴方が私達に教えてくれた人として歩むべき道と、そして『グリッター』を最大限に活かし、且つ配慮してくださった戦術が、今の司令官としての大和を強くし、活かしています。ここに代理で来たのだって、本当は大和が…」

「それが余計なお世話だってんだよ!!!!」



 咲夜も思わず黙り込んでしまう程の怒気を放ちながら、護進が叫ぶ。



「私の教えた戦術が、大和(アイツ)を活かしてる…?仲間を全員犠牲にした私の戦術をか…!?バカを言うのも大概にしろ!!私は失敗作なんだよ!!」



 叫び続けた護進は息を切らし、何も言い返さず、ただ真っ直ぐ自分を見つめる咲夜の視線に居心地の悪さを感じ、立ち上がる。



「あ、護進さん!どこいくの!?」

「仮眠室だよ。どうせ直ぐには帰れねぇんだ。それまで肩書きだけ使って好きなようにさせてもらうさ」



 そう言うと、護進は乱暴にドアを閉め、部屋を後にした。



「…ごめんね咲夜さん。ボクも…あれから積極的に関わりはしたんだけど…」

「いえ…私達がどれだけ言葉をかけようとも、やはり最後は自分で解決しないといけない問題なのでしょう。私達に出来るのは、少しでも彼女を支える事なのだと思います」



 咲夜の言葉に飛鳥も頷き、護進の去っていたドアの方を見つめていた。

 

※後書きに書くネタが病気しかないわ





ども、琥珀です

後書きって、いつもは日常で起きたことを書くんですけど、この一ヶ月寝ては苦しむの毎日だったんで書くこと無いんですよね…


そうですね…私の作品はだいたい結末を決めてから序章、中盤を決めていくんですが、どうしても結論に辿り着くためのこじつけになってしまうことが多いんですよね…


なので、いつも感想を下さる方がいらっしゃるのですが、ホントに良い意味で自分の作品に自信を持つことが出来てます。


これからも、恐らく???みたいな展開が起きるかもしれませんが、どうぞ、温かい目で見守って頂けると幸いです…


本日もお読みくださり有り難うございます!

次回の更新は明後日、金曜日を予定しておりますので宜しくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 酔っ払って登場は、グリッターたち、どうしていいやら……。 私なら、ヤバい……。 大和さん、早く帰ってきてと思いそうです。 [一言] こじつけですか? 意外な言葉が! 私もご都合主義に…
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