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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
4章 ーメナス異変編ー
71/481

第70星:作戦続行

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。『グリッター』とのぶつかり合いを経て信頼を勝ち得た。


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。指揮官として司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めており、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『グリット』を覚醒させ、仲間の命を救う。大和から信頼され、小隊長にも任命される。


斑鳩夜宵(22)三等星

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の元隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は『夜宵小隊』の小隊長。


樹神 三咲 (22) 三等星

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。『三咲小隊』小隊長。


佐久間 椿(22) 三等星

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。『椿小隊』小隊長。


【朝陽小隊】

譲羽 梓月(23) 四等星

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。


久留 華 (22)四等星

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。


曲山 奏(20)四等星

明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。


【椿小隊】

写沢 七 21歳 159cm 四等星

 写真を撮るのが大好きで、同時に仲間のことをよく観察し、僅かに変化に気遣うことができる。


重袮 言葉 20歳 158cm 四等星

 活発で女の子が大好きでいつもセクハラまがいの行いをするが、時折その表情に影を落とすことがある…


海藤 海音 16歳 151cm 四等星

 誰に対しても物事をハッキリ言う性格だが、仲間のために行動する優しい心の持ち主。


【三咲小隊】

椎名 紬 22歳 四等星

 ややキザッたい口調だが、経験も多く冷静な女性。


八条 凛 16歳 四等星

 自信家で勝気な性格だが実際は素直で純粋な性格。


大刀祢 タチ 17歳 四等星

 メナス襲撃後も密かに残った武家の家系で、礼儀を重んじる。根拠地の少ない常識者。


【夜宵小隊】

私市 伊与 19歳 四等星

 年齢関係なく他者を慕う後輩系『グリッター』。近接戦闘を得意とする。


早鞆 瑠衣 18歳 四等星

 十代には見えない落ち着きを持つ、お嬢様系『グリッター』。支援を得意とする。


矢々 優弦 16歳 四等星

 幼少期を山で過ごし、『グリット』無しでも強い戦闘力を発揮する。自然の声を聞くことができる。

()()()()()()()()()()()()()()()



 一先ず事態が収まったこと報告を聞き、大和は続けて作戦続行の指示を出す。



「ですが大和、朝陽さんの状態が心配です。予定だにしない奇襲である程度消耗していることが考えられます。一度状態の確認をした方が…」

『私なら大丈夫です!!』



 自分を心配する声を、通信越しに聞いていた朝陽は、心配はいらないと力強く返した。


 朝陽の身を案じての発言であったが、咲夜は今度は別の懸念で朝陽に言葉を返す。



「一度目の砲撃で気を引き、二度目の砲撃で仕留めるという()()()()()()()作戦は、あくまで貴方が万全の状態を期していることを想定した作戦です。通常の砲撃に加え、メナスのレーザーを防ぐためにも『エナジー』を消費しています。本当に行えるのですか?」



 先程までとは異なり、今度の咲夜の発言は指揮官としてのものであり、その口調は厳しい。



『はい、やれます』



 しかし、それに臆することなく、朝陽は間髪入れずにこれに答えた。



「貴方の失敗は味方の危険を招くことに繋がります。それでもやれると言えますか?」

『はい、言えます』



 これにも朝陽は即答した。


 出来る、ではなくやらなくてはならない、という強い覚悟を感じさせる。


 そしてその覚悟は咲夜にも十分に伝わり、納得させるにも十分であった。



「すいません大和、訂正します。今すぐ作戦の続行を進言します」

「あぁ、了解した。頼むぞ朝陽君、みんな!!」

『『『了解!!』』』



 大和の言葉に朝陽だけでなく、全員が力強く答えた。






●●●






「七ちゃん、言葉ちゃん、海音ちゃん、こっちはもう大丈夫だから、朝陽ちゃんのところへ行ってくれる?」

「うん?一人で大丈夫?」



 戦闘区域から多少離れているとはいえ、メナスが寄ってくることはあり得る。その点を懸念して七は心配するが、椿は微笑んで返す。



「大丈夫大丈夫〜。私も全く戦えないわけじゃないし、それよりも朝陽ちゃんの方が大変だろうからさ」

「ま、そうなんだけどさ。通信入れとくから、ヤバかったらいつでも呼んでね」

「はーい了解」



 手をヒラヒラと振りながら、椿は去っていく3人を見送る。



「さぁて…()()()()()()()()()、本腰を入れて準備を進めていきますかね」



 見送り終えた椿は、ポーチから道具を取り出し、自身の『グリット』に取り込んでいく。






●●●






「場所はここで良さそうね」

「そうだね。ここでなら全体を見ることが出来るだろうからね」



 戦域からやや離れた高台に、三咲小隊の面々が揃っていた。



「私達はここで下準備を進めます。凛、タチ、二人は朝陽さんのもとへ」

「私達はここから支援するよ。だから、朝陽君のことは頼むね、二人とも」

「分かった!!私達にまっかせて!!」

「お二人もご無事で。必ずメナスを打ち倒してきます!」



 そう言い残し、凛とタチの二人はその場をあとにした。残った二人は、遠くから聞こえる戦いの音を耳にしながらその先を見つめる。



「しかしあれだね、大和司令官が着任してから基本的に小隊で活動してたから、こうやって全員で協力して戦うのも久しぶりだね………三咲さん?」



 話しかけに反応しない三咲を心配し、紬が顔を覗き込む。それで我に帰った三咲が申し訳なさそうに紬を見る。



「すいません、少し思い出したことがあって…それについて考えていました」

「へえ?もし良かったら私にも聞かせて欲しいな」



 三咲は困ったように笑いながらも、ゆっくりと口を開く。



「私が…この作戦を司令官に提案したときに、司令官は承認出来ない理由の二つ目としてこう仰ったんです。『君達の強さは個でなく和だ。大隊であろうと小隊であろうと、仲間がいるからこそ個が活き和が培われる。必要以上に戦力を分散させることで、自分達の強みを捨ててどうする』…と」

「ふむ…聞く限りだと正論だね。私達にも『個』はあるけど、それ以上にその『個』を繋げられる『和』が私達の強みだからね」



 紬はその言葉に「ふむ…」と顎に手を当てながら同意した。



「私も、今にしてはそう思います。小隊であろうと大隊であろうと、互いを支えられる仲間がいてこそ、私達は強さを発揮できるのだと」



 三咲は遠くの戦場を見つめながら続ける。



「それを…司令官は誰よりも分かっていらっしゃった。長年一緒だった私達以上に」

「だから…それが悔しくて今回の作戦を提起したのかい?」

「そう…ですね。そうかもしれません。バカですね、ホントに。それこそ、司令官の仰るとおり、自分達の強みを捨てることに他ならないと言うのに…」



 そこまで話を聞いて、紬は三咲が自分の行いを悔いていることに気が付く。


 三咲は元々責任感が強く、また常に仲間たちのことを気遣い、夜宵を支えてきた。


 しかし、大和が来てからの三咲はどこか空回りしていた。


 大和を頭ごなしに否定し反発。感情的になったり、計画性の薄い作戦を提起したりなど、どれも本来の三咲らしくない対応だった。


 しかし紬は…いや、紬達は、三咲の行動が全て自分達のことを思っての動きであることを知っていた。


 夜宵が怪我で戦列を離れたからこそ、その責任感から自分達の前に立ち、代わりを務めようとしたのだ。



「だからこそ、私は進んでみせます。夜宵さんが築き、司令官が気付かせてくれた私達の強さを知った…今度は、私がそれを知らしめる番です」



 力強く放った言葉に、紬は微笑むと、頷いてそれに答える。



「そうさ、司令官は私達の強さを引き出し、信じてくれた。だから、今度は私達がそれに応えないとね!!」

「えぇ、メナスにみせてあげましょう。私達の強さを!!」



 二人は『グリット』を発動し、戦場をその眼で見つめた。






●●●






「朝陽さん!!」

「朝陽ちゃん!!」

「タチさん、凛ちゃん!!」



 再びメナスと戦いを繰り広げていた朝陽の元に、タチと凛が合流する。そしてその直後、



朝陽(あ〜さひ)ちゃん!!」

「お待たせぇ!!」

「七さん!言葉さ…ひゃあ!!」



 七と言葉の二人も合流する。合流と同時に背後から言葉が朝陽の胸を揉みしだくが、直ぐにタチが引き離す。


 これにより、この場には朝陽、奏、華の小隊の面々、夜宵小隊、タチ、凛、七、言葉の11人が集っていた。



「朝陽さん!!これで前線の戦力は十分っす!!」

「ここは私達に任せて、朝陽さんは攻撃の準備を」



 伊与と瑠衣の二人に指示され、朝陽は頷いた後、再び攻撃の準備に入る。


 光を活性化させ、朝陽は飛翔。再び太陽の下へと飛び立つ。


 その様子に気が付いたメナス達が、朝陽を攻撃しようとするが、夜宵達がそれを許さない。



「大地を…星を照らす日輪よ。その輝きを、私にもう一度お貸しください…」



 朝陽が呟くと同時に、燦々と輝いていた太陽の光が歪んでいく。


 そして、地球を照らしていた日輪の輝きが、朝陽に集い、強大な(エナジー)を槍に収束させていく。



「ッツ!!」



 この日二度目の大技。加えて複数メナスを相手にし続けた負担が疲労となり、朝陽の集中力を奪う。



「(光を…収束しきれない!!このままじゃ霧散しちゃう…!!)」



 朝陽の考えた通り、槍の水晶に集まっていた光が少しずつ漏れるようにして溢れていく。


 その時だった。



『心配は要りません。日輪は…貴方の想いに応え光を託しています』

「え…だれっ!?」



 朝陽の問いかけに、しかし声は応えなかった。



『光を制御する必要はありません。貴方は、ただ、光を受け入れるだけで良いのです』



 声の正体が誰であるのかは、朝陽には分からなかった。


 それでも、朝陽は理解していた。この声の人は、信じるに値する人物であると。


 そう直感した朝陽は、収束させていた光を制御することを止め、ただ流れ込んでくる光を受け入れることだけに集中した。


 すると、先程まで暴走しかけていた光は安定し、それだけでなく、前回以上に光を集めることが出来ていた。



「(そっか…光を無理に操る必要なんて無かったんだ…()()()、進んで力を貸してくれてたんだ!!)」



 光が最大限溜められ、水晶の部分が白く眩く輝く。



「これが、星を照らす太陽の輝き!!邪を払う日輪の光!!【天照す日輪の光サンライズ・シュトラール】!!」



 一帯を照らす光とともに、今度こそ、太陽の輝きがメナス目掛けて放たれた。

※ここから先は筆者の後書きです。興味のない方はどうぞ読み飛ばしてつかぁさい






ども、琥珀です


私は章ごとの展開を、本編の最後に記載して、一つの展開が終わるごとにカット、次の話に添付…という形を取っているんですが…


危うくそれを載せたまま投稿するところでした笑

何がやばいって、今後の展開を全て読者の皆様に知らせてしまうんですよね笑


今後もこんなことがないよう気を付けます笑


本日もお読みくださりありがとうございました!!

次回の更新は金曜日を予定してます!!

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― 新着の感想 ―
[一言] ここで朝陽にも謎の声が……? ということは、自身のグリットとなにか関係が? 夜宵とかなり印象が異なりますが……。 盛大なネタバレとは気がつかず、今日はえらく分量多いな~。 読みごたえあるわ…
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