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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
4章 ーメナス異変編ー
66/481

第65星:想起

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。『グリッター』とのぶつかり合いを経て信頼を勝ち得た。


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。指揮官として司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めており、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『グリット』を覚醒させ、仲間の命を救う。大和から信頼され、小隊長にも任命される。


斑鳩夜宵(22)三等星

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の元隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は『夜宵小隊』の小隊長。


樹神 三咲 (22) 三等星

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。『三咲小隊』小隊長。


佐久間 椿(22) 三等星

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。『椿小隊』小隊長。


【朝陽小隊】

譲羽 梓月(23) 四等星

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。


久留 華 (22)四等星

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。


曲山 奏(20)四等星

明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。


【椿小隊】

写沢 七 21歳 159cm 四等星

 写真を撮るのが大好きで、同時に仲間のことをよく観察し、僅かに変化に気遣うことができる。


重袮 言葉 20歳 158cm 四等星

 活発で女の子が大好きでいつもセクハラまがいの行いをするが、時折その表情に影を落とすことがある…


海藤 海音 16歳 151cm 四等星

 誰に対しても物事をハッキリ言う性格だが、仲間のために行動する優しい心の持ち主。


【三咲小隊】

椎名 紬 22歳 四等星

 ややキザッたい口調だが、経験も多く冷静な女性。


八条 凛 16歳 四等星

 自信家で勝気な性格だが実際は素直で純粋な性格。


大刀祢 タチ 17歳 四等星

 メナス襲撃後も密かに残った武家の家系で、礼儀を重んじる。根拠地の少ない常識者。


【夜宵小隊】

私市 伊与 19歳 四等星

 年齢関係なく他者を慕う後輩系『グリッター』。近接戦闘を得意とする。


早鞆 瑠衣 18歳 四等星

 十代には見えない落ち着きを持つ、お嬢様系『グリッター』。支援を得意とする。


矢々 優弦 16歳 四等星

 幼少期を山で過ごし、『グリット』無しでも強い戦闘力を発揮する。自然の声を聞くことができる。

「…!!反応ありました!!擬態していたメナス達の姿が次々に現れてます!!」



 レーダーとマーカーによる映像を経て、姿を視認した夕が大和に報告する。



『こちら三咲小隊。私の《グリット》でも視認しました。これより交戦に入ります』

『ほんとだ〜こっちも姿が見えたよ〜。椿小隊交戦開始〜』

『夜宵小隊、同じくこちらも視認。避難完了後、交戦に入ります』



 現場の三小隊も姿を確認したという報告を受け、咲夜と夕の2人は僅かに安堵する。


 しかし、その打開策の案を出した大和の表情はどこか冴えなかった。



「大和…どうなさいました?」



 咲夜の言葉を受けても、大和は直ぐには口を開かなかった。しかし、しばらくして漸く重そうに口を開いた。



「いま、ボクが各市の非戦闘に指示を出した、偏光鏡(フレネル・レンズ)を使用した光を曲げるという作戦が成功したのは良かった。相手の擬態は光を曲げて姿を消す、いわゆる光化学迷彩(ステルスアーマー)の応用だったわけだ…だが…」



 大和は一度目を瞑り、そしてその言葉を口にした。



「その力は…『アイドス・キュエネ』…四代目悪厄災(マリス・ディザスター)が扱っていた能力なんだ」



 大和の言わんとしていることは、咲夜は直ぐに理解することができた。


 しかし、情報統制により悪厄災(マリス・ディザスター)の存在を知らされていない夕は、わからないと言った様子で首を傾げていた。



「大和…それでは…」

「…いや、まだ何も確定はしていない。今は目の前の事態に一つ一つ対処していこう」



 大和の言葉に咲夜も同意し、一度話の内容を忘れ、目の前の戦いに集中し出す。



「(そうだ…集中しろ。俺は司令官だ。分からないことを…先のことを考えていても仕方ないだろ!!)」



 帽子を被り直し、気持ちを再度奮い立たせる。



「(さぁいくぞ…必ず彼女達に勝利をもたらせてみせる!!)」






●●●






「せぇあ!!」



 タチの一振りとともに、メナスの身体は切り裂かれ、黒い霧となって霧散していく。



「ふむ、今のところ作戦は順調なんじゃないかい三咲さん?」



 現れたメナスの対応に追われながらも、一息入れられるタイミングで紬が三咲の作戦を称賛する。



「バラバラの地域に現れたメナスも、各場所に配置された小隊のみんなが対応できる位置みたいだし、大成功じゃない!!」



 それに同意するようにして、凛も嬉しそうに微笑む。


 しかし、それとは反対に、三咲とタチの表情は優れなかった。



「確かに作戦は上手くいっているようですが…しかし…タチ、貴方はどう思いますか?」



 三咲に尋ねられ、実質的にこの小隊の副官を務めているタチは、考える素振りを見せる。



「順調なのは間違い無いかと思います。ですが…対応出来ていている点が気になります」

「どうして?対応出来てるのは良いことでしょ?」



 タチの答えに、凛がわからないと言った様子で返す。



「確かに、今回のメナスの襲撃に対して、私達の作戦…と言うより対応策は十分に機能していますし、読み勝ちをしたとも取れます。しかし、ここまで何の問題もなく対応出来ているともなると…」

「上手くいくように()()()()()()()…という可能性があるということね」



 タチの言わんとしていることを理解した三咲が結論を口にする。そしてタチもその通りだと頷いた。



「それが事実なのか、意図的なものであるのかの確信はありません。ですが、違和感を拭えないのも事実です」

「私も似たような感覚を覚えていました。自分で立案した作戦ながら恥ずかしいけど、良いように操られているような、そんな感覚を…」



 神妙な面持ちを浮かべ黙り込む二人に、紬が話しかける。



「考え方の最中すまないが、またメナスが暴れ出してるようだ。相手に意図があろうがなかろうが、まずはメナスの掃討。それが第一じゃないかい?」



 紬の言葉にハッとさせられた二人は、直ぐに気持ちを切り替える。



「すいません、その通りでした。迷っている場合ではありませんでしたね」

「何であれ、目の前で命が奪われようとしているんです。私達はそれに立ち向かわなくては。ありがとうございます、紬さん」



 二人の言葉に対し、紬はいつものようにキザったく「構わないさ」と答えるだけだった。しかし、その姿はいつもよりも頼りになるように見えた。



「行きましょう3人とも。命を救いに」



 三咲の言葉に3人は頷いて答え、再び戦場へと身を投じて行った。






●●●






「三咲小隊、再び交戦状態に入りました!椿小隊は尚も交戦中!!」

「夜宵小隊の地域は避難が完了。これより撃退体制に入るそうです」



 現在の戦況情報をタイムリーに知らせる二人からの報告を受けながら、大和はモニターに映し出されている各小隊とメナスの動向を伺っていた。



「(今のところ作戦は順調だ…メナスの動きも十分に対応できる範囲。だが、何か違和感を感じる…)」



 それは三咲とタチの二人が感じていたものと同じ違和感であった。


 二人が漠然と感じていた違和感を、大和はモニター越しにより強く感じ取っていた。



「(何か意図があるのか…?だが敵味方の動きにそれらしいものは…)」

「三咲小隊、付近の敵を撃退したとの報告です!!このまま富津の方へメナスを押し返すとのことです!!」

「夜宵小隊からも入電。メナスが撤退を始めたため、山武から銚子方面へ撃退を続けるそうです」



 報告を受けた大和が、モニターの映像を操り、そのままの動きを続けた場合のシミュレーションを行う。



「これは…咲夜、椿小隊の状況を教えてくれ」



 メナス達の何かの意図を感じ取った大和が、咲夜に尋ねる。



「はい。椿小隊は現在も交戦中。積極的な交戦を仕掛けてこないため、拮抗した状態が続いているそうです」



 椿小隊は打って出るタイプではなく、待ち構えて撃退するタイプの小隊であるため、メナスが仕掛けてこない分手間取るのはやむを得ないところである。


 しかし、大和が気になっていたのはそこではなかった。



「(メナス側から襲撃しておきながら、まるで時間をかけるようにして戦っているのはおかしな話だな。それだとこちら側に対応する時間を与えることになる…もし、何かを待っているのだとすれば…)」



 大和は一瞬で思考をまとめあげ、次の一手を考える。



「咲夜、夕。各小隊に連絡を。市街地に入り込んだメナスはが撃退のみで、深追いは不要。各エリアの警備に集中せよ、と」

「で、ですが、それですとメナスに逃げられてしまうのでは…?」



 大和の意図を理解できなかった夕は思わず聞き返してしまうが、大和はそれに怒鳴ることなく説明を始める。



「確かにメナスが逃亡する可能性はあるが、現在の戦況を見ると、寧ろ意図的に逃亡を図っているキライがある」



 大和は画面に映し出されたモニターの映像を掴み、それを卓上へと移動させる。


 卓上には、それまで平面に映し出されていた映像が立体となって映し出される。



「見てくれ。これはこれまでの報告を受けて、このあとのメナスの動きをシミュレーションしたものだ」



 二人は卓上で動きを始めた映像を見て、そのシミュレーション内容に驚く。



「これは…メナス達がドンドン根拠地から離れていっている!?」

「は、はい、私にもそう見えます!!」



 卓上の映像にあるメナス達は、確かに根拠地から離れる動きをしていた。それはまるで、意図的に小隊の面々を釣り出しているようであった。



「そのあとのメナスの狙いまでは分かっていないが、これが罠なのは明白だ。いま、これ以上必要以上に追撃するのは危険だと判断せざるを得ない。早急に市街地外に逃亡したメナスを追う必要はない、という旨の連絡を入れてくれ」

「「はい!!」」



 内容を理解した二人は直ぐ様各小隊に連絡を入れようと試みる。その瞬間のことであった。



「し、司令官大変です!!追撃にでた三咲小隊の前に、無数のメナスが現れたとのことです!!」

「夜宵、椿小隊からも同様の連絡が」

「…遅かったか…狙いはこれだったということか…」



 完全に釣り出された上に、各地域に配置するかによる戦力の希薄化を完全に読まれていたことに、大和は歯噛みする。


 しかし、悔しさを現したのはその一瞬のみで、直ぐに次の戦術を組み立てていた。



「夕君、直ぐに撤退の指示を。追撃することでそのエリアの避難は終了しているはずだ。後退しても人的被害は無いはず」

「りょ、了解しました!!」



 夕は、今度は間髪入れずに大和の指示に従う。そして大和は、次いで大和は咲夜に指示を出す。



「咲夜、朝陽小隊に連絡を」

「はい。どのような内容を?」



 大和は、その時初めて、どこか自信を持ったような笑みを浮かべ、答えた。



「逆襲の切り札になってもらうぞ、と」

※ここから先は筆者のどうでも良い後書きになります!興味のない方はどうぞ読み飛ばしてください!!







ども、琥珀です!


先日嫌な一件がありました。詳細を語ることはできないのですが、ともかく見る聞くだけでも良くない気分になる出来事でした。


私は当事者ではありませんが、その内容は理解に苦しむものでした。


意図せずのものであるのならまだしも、明らかに故意に行なっている悪事でした。決して許されることではありません。


同じ小説を書くもの同士なのですから、悪意のある悪事はやめましょう。


暗い後書きになってしまいました…本編は戦闘回に入りましたので、楽しみにしていてくださいね!!


本日もお読みくださりありがとうございました!!

次回の更新は金曜日を予定してますので宜しくお願いします!!

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