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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
2章 ー小隊編成編ー
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第38星:勝利後のひと時

国舘 大和(24)

新司令官として正式に根拠地に着任した温和な青年。右腕でもある咲夜とともに改革にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。そして全員の信頼を得ることに成功し、『小隊編成』という新たな戦術を組み込んだ。


咲夜(24?)

常に大和についている女性。一度は誰しも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。大人しそうな風貌からは想像できない身体能力を誇り、『グリッター』並びに司令官である大和を補佐する。現在は指揮官として彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)

千葉根拠地に所属する少女。大和の言葉により、『天照す日輪イノセント・サンシャイン』を覚醒させ、初の実戦で仲間の命を救った。大和に指名され、新戦術の小隊長に任命された。

「やー完勝完勝!小隊編成ってのも結構良いもんね!!」



 小隊によるメナス戦から半刻たった夕食時。食堂には 朝陽、海音、凛、優弦の四人が食席を囲み会話に華を咲かせていた。


 一見なんの接点も無いように見える四人だが、配属がほぼ同時期がであり、また年齢も近いことから非常に仲が良い(そもそもこの根拠地は基本的に全員仲が良いが)。



「お前らにも見せたかったなぁ~!!一人前線に出てメナスと戦う私の活躍をさぁ!!今回の戦闘のMVPは私と言っても過言じゃないね!!」

「はぁ!?バカ言ってんじゃないわよ!!私なんてメナス一体倒してるんだからね!!MVPは私でしょ」



 海音が自慢げに話すと、凛がそれに競り合って語り出す。



「(…あ…本当は…途中までハブられてたんだ…ね)」



 その横では、優弦が密かに凛の本心を精霊から聞き取っていた。



「へっ!甘いな凛!!私なんか二体同時にメナスを倒してんだからな!!」

「え、うそ…」

「(ふふ…凛完敗…)」



 真顔で落ち込む凛を尻目に、優弦は密かに笑っていた。



「つ、次よ次!!次こそは私の方が成果をあげてみせるわ!!」

「(次の時に…機会がもらえれば…ね、フフ)」



 会話に区切りがついたところで、3人の興味は朝陽に移る。



「それで、朝陽の方はどうだったんだ?」

「小隊長だったんでしょ?バンバン指示とか出したりしたの?」

「ううん、私は何も。私の隊の人達は皆ベテランの人ばかりだったから。寧ろ指示を出して貰ってばかりだったかな」



 朝陽の答えに、海音と凛の二人が顔を見合わせる。



「んん?じゃあ別に朝陽が小隊長じゃなくても良いんじゃないか?」

「そうよね?別に何か指示出すわけでも無いんだし」


 

 二人の言葉に朝陽は苦笑いを浮かべた後、迷いのない口調で答えた。



「私もそう思ってたんだけど、小隊の皆さんが言ってくれたの。『指示を出すことだけが隊長の役割じゃない』…って」



 二人が頭を傾かせるのを見ながら、朝陽は続ける。



「私は、前に進むことで隊の皆を引っ張って行けば良いんだって、そう教えてくれたの。だから、二人の隊の隊長とは違うかもしれないけど、私は私なりの小隊長としての役割をこなそうって、そう思ったんだ」



 海音と凛の二人は朝陽の言葉を聞いて数度頷いた。



「成る程ね。まぁでも朝陽はそっちの方があってる気がするわね」

「確かに。朝陽はこう…考えるよりは突っ込むみたいなタイプだからな」

「『他人の振り…して我が振り…直せ』って諺…知ってる?」



 二人は納得した後、朝陽の『グリット』のことを思い出す。



「朝陽の『グリット』すげぇからなぁ。ド派手というか何というかさ」

「凄いキレイよね。ただ光ってるからキレイなんじゃなくて、朝陽の心を表してるみたいに輝いてるのよね」

「う…ん。今まで見てきた『グリット』…とは違う、見惚れ…るような輝き…だった、ね」

「そ、それは言いすぎだよ皆…」



 普段褒められていないためか、朝陽は顔を赤くして俯いてしまう。



「でもキレイなだけじゃないんだよな。凄い攻撃力もってるしさ」

「攻撃力だけじゃないわ。応用性も半端ないわよ。レーザー、シールド、それから飛び道具…なんでもござれよ」



 『グリット』は人それぞれ、『グリッター』によって特徴、強み・弱みというものが存在する。


 しかし、朝陽の『天照す日輪イノセント・サンシャイン』は弱点らしい弱点は存在せず、またどの状況にも対応できる応用性が高い水準で備わっている。


 現存する『グリット』の中でもかなり高位の能力であると言えるだろう。



「でも実際さ、攻撃力が一番ヤバいと思うんだよ。私夜宵さん運んでたから全部は見れてないだけどさ、結局あの日いたメナスの殆どは朝陽が倒したんだろ?」

「全部では無い…けどね。でも朝陽ちゃん…が圧倒してた…のはホント」



 優弦が頷いて肯定すると、海音は「やっぱりなぁー 〜」と続ける。



「最後の光線も半端なかったからなぁ。()()()()二体のメナスをあっという間に倒しちゃってさぁ〜…」

「え?」



 この時、初めて海音以外が困惑の表情を浮かべた。



「海音、それ…なんの話?」

「何って…あの日数体メナスが逃げ出しただろ?そんでそん時に根拠地に向かってったメナスをヤベェ光が飲み込んで倒したんだよ。アレ、朝陽だろ?」



 朝陽はブンブンと何度も首を横に振り、否定した。



「それは私じゃないよ。私が最後に攻撃したのはあの戦場でだし、それも真下に向けて撃ったから、海音の方に行くことは無いと思うんだけど…」

「私もそれは間近で見てたわ。メナスが根拠地に向かった言う情報が届いてからは、確かに朝陽は攻撃してない」



 朝陽の答えを、凛が肯定する。しかし、それに優弦はそれに首を傾げた。



「でも…確かにおかしい…よね。ボク…はその日、見回りに出て…たから両方とも見てない…けど、それじゃあ根拠地…に向かってたメナス…は、誰が倒した…の?」



 優弦の疑問に、しかし誰も答えることが出来ない。その沈黙を破ったのは、食事を終えたばかりの梓月だった。



「少なくとも朝陽ちゃんでは無いことは確かです」

「梓月さん!」



 梓月は「隣失礼しますね」と確認をとってから朝陽の隣に腰掛ける。



「私は朝陽ちゃんの光と根拠地を狙ったメナスを消滅させた光を両方とも見てますが、そもそも光の質が違いました」

「光の…質?」



 凛が眉を顰めて尋ねると、梓月は頷いて続ける。



「朝陽ちゃんの光は温かくて淑やかな光です。それは正に星を照らす日輪の輝きと言えるでしょう」



 朝陽は照れて一人顔を赤くしているが、本音を語っているだけなので梓月は気にせず続ける。



「対して、私と海音ちゃんが夜宵さんを運んでいる時に見た光は洗練された輝きでした。鋭く美しく輝く光は、例えるなら見るものを魅了するような、月光の輝きでした」

「あー確かに!!まさに月と太陽みたいな感じだった!!」



 同じく二つの光を見比べていた海音が、納得したように手を打った。



「でもじゃあその光が朝陽じゃないとして、尚のこと誰がその閃光を放ったのよ」

「最近噂になっている『アウトロー』かもしれませんね!!」



 凛の言葉に反応したのは、これまた食事を終えて声を耳にした奏だった。


 全員が思わず肩をビク突かせてしまうほどの声量に驚く中、朝陽が奏の言葉に答える。



「お、お疲れ様です奏さん。それでその…『アウトロー』というのは…?」

「お疲れ様です朝陽さん!!本日の戦いはお見事でした!!小隊長としてこれからもよろしくお願いしますね!!」

「あ、えっと、はい、こちらこそ…」



 解答になってないなってない解答に朝陽が戸惑っていると、代わりに梓月が朝陽の質問に答えた。



「『アウトロー』というのは、本来『軍』が()()()()()()『グリッター』の枠組みから外れている人達のことを指しています」

「『軍』の管理から外れている『グリッター』…ですか?」



 朝陽の応えに、梓月が頷く。



「以前から『アウトロー』と呼ばれる者達は居たのですが、ここ最近その数が増えてきているそうなのです。恐らく奏さんが聞いた噂はこのことでしょう」

「その通りです!!『アウトロー』は我々と違って独断で動きメナスを殲滅しているのです!!」

「え、でもそれなら私達と目的は一緒なんじゃ…」



 朝陽の問いに、梓月は困ったような表情で答える。



「確かに目的は一緒なのですが、先程も言いました通り、『アウトロー』は独断で動きます。必要な情報も得ずにメナスを殲滅しようとするため、それが結果的に被害を大きくすることもあるのです」

「全員がそうだとは言いませんが、基本的に『アウトロー』は過激です!!町や人の被害を気にせずに戦うこともあると聞きました!!人々のために戦う我々とは相容れない存在と言えるでしょう!!」



 二人の説明に四人は確かに、と納得する。



「でもじゃあ、私と梓月さんが見た光はその『アウトロー』の攻撃によるもの…ってこと?」

「その可能性もありますが、一概にそうとも言い切れませんね!!」

「『軍』管轄外の『グリッター』は、『アウトロー』だけでは無いのです。独自組織『レジスタンス』も存在します」

「『レジスタンス』…反逆的…な意味を持つ言葉…だよね?」



 優弦の返しに、梓月は「その通りです」と返す。



「『レジスタンス』も同様にメナスの殲滅を目的にしており、また『アウトロー』とは違い、ある程度人民等に向けた被害も考慮して戦っています」



 「ですが…」と梓月は続ける。



「『グリッターの自由』を掲げており、『軍』、引いてはそれに従うモノを目の敵にしているとの話を聞いたことがあります。『レジスタンス』というのは、『軍』に対して使われているのかもしれません」



 その話を聞いた時、全員が胸に痛みを感じていた。


 特に、つい先日までその『軍』の指揮官にドヤされていた朝陽は、強く何か思う所があった。



「(もし…あんな日々が続いていたら…もしかしたら私は…)」



 そんな思いが心の中を駆け巡っていた。



「まぁどっちにしても、結局あの光の正体は分からず終い、ってことか」

「案外そのどちらでも無くて、この根拠地の『グリッター』かもしれないわよ?実は私は『グリット』を隠していました~みたいな」

「この根拠地にはそんな人もういないでしょwww」



 海音の発言に、一同は声を出して笑った。






●●●






「へっくち!!」

「おや、風邪かい?お大事に」

※ここから先は筆者の後書きになります!!興味のない方はどうぞ読み飛ばして下さい!!






どうも琥珀でございます!!


最近よく起こるのですが、突然打ち込んだ文字が全て消えることがあるんですよ…


もしかしてそういうボタンでもあるんですかね…非常に迷惑ですね…笑


はい、私の不注意です笑

以後気をつけますm(_ _)m


本日もお読みくださりありがとうございまさた!!

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