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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
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第347星:思考の袋小路

斑鳩 朝陽(18)

 千葉根拠地に所属する少女。自分に自信が持てない面もあるが、明るく純心。大和と出会い『グリッター』として覚醒。以降急速に成長を続け、戦果を上げ続ける。力不足を痛感し、咲夜に弟子入りを志願する。『グリット』は光を操る『天照らす日輪イノセント・サンシャイン』。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。実力もさながら面倒見の良い性格で仲間からの信頼は厚いが、妹の朝陽には弱い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は夜宵小隊の小隊長を務める。その身には謎の人物の心が潜んでいるようだが…?『グリット』は闇を操る『闇夜の月輪ダークネス・エクリプセ』。


矢武雨(やぶさめ) 瑠河(るか) (24)

 栃木根拠地の大隊長を務める大黒柱。生真面目だが状況に応じて思考を変える柔軟性も併せ持つ。以前千葉根拠地の夜宵と共闘したことがあるため、二人に面識がある。弓術の達人で、『グリット』は弓と矢にエナジーを加え、加えた量により矢が分裂する、『放発射抜(ハンドレット・ヒット)』。


道祖土(さいど) 真衣 (22)

 埼玉根拠地のエース。腰の低い人物で、実績を残しながらも謙虚な姿勢を崩さない。逆を言えば自分に自信を持てない性格。『グリット』は『加速投球(アクセルスロー)』で、投擲した物体が跳ね返り続けるほど加速していく能力。専用の『戦闘補具(バトルマシナリー)』、『硬歪翼球ウルツァイト・ウィングレット』を所有している。



◆中国地方


百目鬼(どうめき) 大河

 鳥取根拠地のエース。身長が2m近くあり好戦的な性格ではあるが、局面を見極める冷静さも兼ね備える。戦闘の荒々しさから、『荒波鬼』の異名を持つ。『グリット』は『硬化』で、『メナス』の攻撃も凌ぐ硬度を誇る。同じ鳥取根拠地である駿河とは仲が良い上連携力がある。

 

安鬼(あじき) 駿河

 鳥取根拠地の戦略担当。人の深層心理を理解するのが上手く、要は空気を読むのが得意。言葉巧みに味方の士気をあげたりまとめ上げたりする。『グリット』は『引用率糸』で、10本の指それぞれから目的に応じた糸を放つもの。これを駆使し、『メナス』の動きを鈍らせ、大河が倒す連携が鳥取根拠地の強み。


大心地(おごろち) 安奈やすな

 広島根拠地のエース。非常に穏やかでふわふわした性格の女性。庇護欲に狩られるような雰囲気を纏っており、駿河達とは別の意味で士気を上げるのが得意。『グリット』は、『想いを香りに添えて(アロマ・フィーリング)』で、エナジーを香りに変え、各効果による香りを吸った者の気分の抑揚や感情の起伏を操るもの。


渦巻 カリナ

 山口根拠地のエース。刺々しい口調とサバサバした雰囲気、好戦的な様子が特徴の女性。独断行動に走るように見えて、その実、自身の能力を活かすための動きをするのが得意。『グリット』は、『螺旋形状(ジ・スパイラル)』で、触れたモノ、もしくは一定の範囲内の物質を螺旋状に捻じ曲げる。触れてなくても操れるため、気付けば拘束されているケースも多い。



◆九州沖縄地方



仙波 盾子(じゅんこ)

 鹿児島根拠地のエース。『メナス』を倒した功績ではなく、味方を幾度と救ってきた功績で選ばれた特異な例で『守護神』の二つ名を持つ。凛々しく毅然とした態度を取るが、頑固ではなく、柔軟な思考も併せ持つ。『グリット』は『守護壁(エスクード)』で、線上に盾を展開する。その盾は非常に堅固でありながら展開も素早く、絶対防御とも評される。


才波 アズサ

 福岡根拠地のエース。寡黙でやや覇気に欠ける口調なのが特徴的だが、自分の役割をしっかりと果たす程度の自覚と覚悟を持っている。『死中に活路(アライブ・ヴィジョン)』で、相手の攻撃が当たる場所が淡く輝いて見えるようになる。あまり前線へは飛び込まないが、この効果を活かした戦闘も得意とする。


与那覇 ナミ・ミナ

 沖縄根拠地の双子のエース。見慣れた人でも間違える程そっくりな双子で、息もぴったし。時々交互にセリフを呟くこともあるため、思考も全く同じなのではと言われる。『グリット』はナミが『液状化』、ミナが『硬化』。連携もずば抜けており、タッグで右に出るものはいない。沖縄人らしく明るく前向き。

「先ずは状況確認。お姉ちゃん、あとどのくらい使える『エナジー』が残ってる?」



 どこまでも冷静な朝陽は、大河達の動向を警戒しつつ、夜宵の状態を訪ねた。



「…正直、余力は余り残ってないわ。さっきの…暴走のせいで、大量の『エナジー』を消費しちゃったから」



 全身から感じる倦怠感から、夜宵は正直に自分の状態を朝陽に話す。


 朝陽にとって、それは予想の範囲であったのか、特に表情を変えることは無かった。


 しかし、劣勢な状況であることが分かったことで、内心ではどうこの局面を打開していくかで、思考を張り巡らせていた。



「(私も正直、盾子さんの壁を破るために技を多用しちゃったから、そこまで余裕は無い。それに、私の攻撃だと、中国選抜のなかの主力の大河さんに十分なダメージを与えられない…)」



 朝陽の攻撃を真正面から受け止めていた光景を思い出し、朝陽は汗を一つ垂らす。



「(理想は私が他の三人を引きつけて、お姉ちゃんと真衣さんで大河さんを倒して貰うこと…だけど、駿河さんは大河さんとは絶妙な連携を繰り出してくるから引き離すのは難しいし、カリナさんは私の光線を曲げれる能力を持ってるから、ある意味で大河さんよりもやり辛い…)」



 能力の相性の悪さも相まって、朝陽達が苦戦を強いられるのは想像に難くなかった。



「(お姉ちゃんを主軸に添えて戦えればベストだけど、『エナジー』の限界が近いなら、それも厳しい…真衣さんは前線に張って戦うタイプじゃ無いし…)」



 考えれば考えるほど、思考の袋小路に入ってしまい、朝陽は結論を出せずにいた。


 そして、タイムリミットがやってきた。


 これまで静観していた大河達が、攻勢を仕掛けてきたのだ。



「…ッ!!お姉ちゃんは一度後方に下がって真衣さんと合流して!!しばらくの間、私が中国選抜の皆さんを相手する!!」



 苦肉の策に打って出た朝陽は、夜宵の答えを聞く前に出る。


 夜宵は朝陽を止めようと手を差し出すが時既に遅く、その手は空を切った。


 こうなってはやむを得ないと判断し、そもそも今の自分では前衛に出ても役に立たないと理解した上で、朝陽の指示に従った。



「はっは〜ッ!!やっと勝負できるな斑鳩 朝陽!!前夜祭の時からずっとお前のことが気になってたんだよ!!」



 声を張り上げながら、大河は『硬化』させた拳を勢いよく振り下ろした。


 朝陽は直前で加速を止め、これを回避すると、大河の拳は地面に叩きつけられ、大きな地割れを引き起こした。



「(ただ振り下ろしただけの拳でこの威力…まともに食らったら私じゃ三度はない)」



 大河の攻撃の威力を見極めた朝陽は、手に握る槍を主軸に、距離を保ちながらこれに応戦した。


 何度も繰り出される拳を素早い動きと槍捌きでかわしながら、どうにか反撃の隙を見出す。



「(ここっ!!)」



 生み出した隙を突こうと、槍を繰り出そうとするが、ガクンと突如槍が動かなくなる。



「おっと残念!!そうはさせませんよ〜?」



 よく見れば、槍の柄の部分に無数の糸が張り付いており、それが朝陽の槍の動きを止めていた。



「(しまった!!駿河さんの『引用率糸』!!)」



 槍を防がれたことで、朝陽の動きが止まり、今度は逆に朝陽に出来た隙に、大河が拳を振り下ろす。



「『光の壁(ヴァント)』!!」



 出来る限り技の使用は抑えたかった朝陽であったが、この攻撃を回避することは不可能と判断し、自身の目の前に光の壁を展開させた。



「『螺旋形状(ジ・スパイラル)』!!」



 その横から聞こえて来る声と共に、朝陽が形成した盾が、グニャリと螺旋状に変形していった。



「(カリナさんの『螺旋形状(ジ・スパイラル)』!!これだけ堅甲なものでも形を変えられるんだ!!)」



 壁に隙間ができ、その隙間を縫うようにして、大河の拳が振り下ろされた。



「『フリューゲル』!!」



 その直前に朝陽は『フリューゲル』を自身の前に展開させ、少しでもダメージの軽減を試みた。


 不幸中の幸いにも、盾の合間を縫うように拳が振り下ろされたことで、回避までの時間が出来たことで、『フリューゲル』による防御の展開はぎりぎりのところで間に合っていた。


 しかし、展開した『フリューゲル』ごと吹き飛ばされた朝陽も無傷とはいかず、数度地面に叩きつけられながら、どうにかバランスを立て直していった。



「(上手い…連携力だけなら九州メンバーのミナさんとナミさんの方が上だけど、規模として捉えたら、中国メンバーの皆さんの方が巧みかもしれない…)」



 両陣営と戦闘を行った朝陽は、各陣営との差を感じながらも、その強さに圧倒されていた。



「(お姉ちゃん達と上手く連携が取れないのが痛いな…何とか力を合わせて行きたいけど…)」



 チラッと後方を見ると、夜宵は真衣と合流していた。


 先程の九州メンバーとの戦闘で活躍した真衣の『硬歪翼球ウルツァイト・ウィングレット』による連携も考えたが、朝陽は直ぐに首を横に振った。



「(恐らく、中国メンバーにはあの連携は通用しない。多分、仮に実行しても……!?)」



 朝陽の考えは最後までまとめることは出来なかった。


 大河の攻撃で距離を作っていた筈が、突如朝陽の身体が引き寄せられていったからだ。


 その原因は直ぐに分かった。



「(しまった!!駿河さんの糸、まだ切れてなかったんだ!!)」



 朝陽の『光輝く聖槍ブリリアント・ヘレバルデ』の柄には、まだ先程の駿河の糸が付けられたままの状態であった。



「吹き飛べば切れると思いました?意外と耐久力あるんです…よっ!!」



 駿河に思い切りよく引っ張られ、不意を突かれた朝陽の身体は、成す術なく宙に浮き引き寄せられていった。


 引き寄せられた先には、拳を振り翳した大河の姿があった。



「おら、くらえッ!!」



 回避しようにも場所は空中。加えて槍に糸が付けられていることで、逃げることも出来なかった。


 そこで朝陽は、『光輝く聖槍ブリリアント・ヘレバルデ』を()()()()



「うえっ!?」



 これにより、先ず駿河の糸による拘束から解放される。



「ちっ!!だがそんだけの勢いがついてたらかわせねぇだろ!!」



 大河の言う通り、駿河によって引き寄せられた勢いは強く、真っ直ぐと大河の方へと向かっていた。


 そこで朝陽は、いつもの飛行能力を応用させた。


 光の推進力をいつもより強くし、さらに方向を真上に調整。


 それを足側限定で行うことで、空中で無理矢理前宙を繰り出すという荒技に打って出た。


 これにより朝陽の位置が変わったことで大河の拳は空を切り、更に空振ったことで出来た後頭部の大きな隙に、朝陽はそのまま勢いよく踵落としを見舞った。



────ガキィン!!



 鳴り響いたのは金属音。そして、顔を痛みで歪めたのは朝陽の方であった。


 蹴り下ろした勢いでそのまま再び後方へ下がった朝陽であったが、着地後、踵落としをした足を庇うように手で支えていた。



「今のをかわした上に反撃までしてくるかよ!!やっぱり大した奴じゃねぇか斑鳩 朝陽!!」



 対して攻撃を喰らったはずの大河は何とも無い様子で、寧ろ笑みさえ浮かべていた。



「(これが大河さんの『硬化』…!!触れた物体を対象にしたミナさんの『硬化』とは違って自身を対象にするから、物理攻撃はほとんど意味がない…!!)」



 改めて自身との相性の悪さを悟った朝陽は、再び手元に『光輝く聖槍ブリリアント・ヘレバルデ』を顕現させた。


 物理攻撃が効かないと理解していたが、素手で戦ったところで傷めるのは自分の身体であるため、その負担を減らすためである。



「(『閃光の貫穿ブリリアント・ラディーレン』なら、大河さんの『硬化』を破れるかも知れない…けど、出力を抑えてるとはいえ、『閃光の貫穿よブリリアント・ラディーレン』は大量の『エナジー』を使うから多用は出来ない…せめて、『硬化』が弱まる隙が出来れば…)」



 たらればの思考をしていても仕方ないと頭では理解していても、具体的な解決策が出てこない現状、朝陽の頭の中では、そのような希望的観測をすることしか出来なかった。


 そしてそれは、その後方に控える夜宵と真衣も、同様であった…

※後書きです






ども、琥珀です。


皆さん、音楽は特定のアーティストを好きになりますか?

私は実は特定のアーティストを好きになることは無くて、今のところそう言えるのは一人だけなんです。


それ以外だと、色んなアニメ等の音楽やBGMを聴いて、その曲だけが好きになると言うことが殆どです。


このアーティストだから良いんだ!という方もいらっしゃると思うんですが、こういう楽しみ方をする人もいるんだって言う独り言でした。


もちろん、一つのこと(人・グループ)に熱中できるということは、素晴らしいことだと思いますけどね。


本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は水曜日を予定しておりますので宜しくお願いします。

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