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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
360/481

第326星:闇の影

斑鳩 朝陽(18)

 千葉根拠地に所属する少女。自分に自信が持てない面もあるが、明るく純心。大和と出会い『グリッター』として覚醒。以降急速に成長を続け、戦果を上げ続ける。力不足を痛感し、咲夜に弟子入りを志願する。『グリット』は光を操る『天照らす日輪イノセント・サンシャイン』。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。実力もさながら面倒見の良い性格で仲間からの信頼は厚いが、妹の朝陽には弱い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は夜宵小隊の小隊長を務める。その身には謎の人物の心が潜んでいるようだが…?『グリット』は闇を操る『闇夜の月輪ダークネス・エクリプセ』。


矢武雨(やぶさめ) 瑠河(るか) (24)

 栃木根拠地の大隊長を務める大黒柱。生真面目だが状況に応じて思考を変える柔軟性も併せ持つ。以前千葉根拠地の夜宵と共闘したことがあるため、二人に面識がある。弓術の達人で、『グリット』は弓と矢にエナジーを加え、加えた量により矢が分裂する、『放発射抜(ハンドレット・ヒット)』。


道祖土(さいど) 真衣 (22)

 埼玉根拠地のエース。腰の低い人物で、実績を残しながらも謙虚な姿勢を崩さない。逆を言えば自分に自信を持てない性格。



◆中国地方


百目鬼(どうめき) 大河

 鳥取根拠地のエース。身長が2m近くあり好戦的な性格ではあるが、局面を見極める冷静さも兼ね備える。戦闘の荒々しさから、『荒波鬼』の異名を持つ。『グリット』は『硬化』で、『メナス』の攻撃も凌ぐ硬度を誇る。同じ茨城根拠地である駿河とは仲が良い上連携力がある。

 

安鬼(あじき) 駿河

 鳥取根拠地の戦略担当。人の深層心理を理解するのが上手く、要は空気を読むのが得意。言葉巧みに味方の士気をあげたりまとめ上げたりする。『グリット』は『引用率糸』で、10本の指それぞれから目的に応じた糸を放つもの。これを駆使し、『メナス』の動きを鈍らせ、大河が倒す連携が鳥取根拠地の強み。


大心地(おごろち) 安奈やすな

 広島根拠地のエース。非常に穏やかでふわふわした性格の女性。庇護欲に狩られるような雰囲気を纏っており、駿河達とは別の意味で士気を上げるのが得意。


渦巻 カリナ

 山口根拠地のエース。刺々しい口調とサバサバした雰囲気、好戦的な様子が特徴の女性。独断行動に走るように見えて、その実、自身の能力を活かすための動きをするのが得意。



◆九州沖縄地方



仙波 盾子(じゅんこ)

 鹿児島根拠地のエース。『メナス』を倒した功績ではなく、味方を幾度と救ってきた功績で選ばれた特異な例で『守護神』の二つ名を持つ。凛々しく毅然とした態度を取るが、頑固ではなく、柔軟な思考も併せ持つ。『グリット』は『守護壁(エスクード)』で、線上に盾を展開する。その盾は非常に堅固でありながら展開も素早く、絶対防御とも評される。


才波 アズサ

 福岡根拠地のエース。寡黙でやや覇気に欠ける口調なのが特徴的だが、自分の役割をしっかりと果たす程度の自覚と覚悟を持っている。


与那覇 ナミ・ミナ

 沖縄根拠地の双子のエース。見慣れた人でも間違える程そっくりな双子で、息もぴったし。時々交互にセリフを呟くこともあるため、思考も全く同じなのではと言われる。『グリット』はナミが『液状化』、ミナが『硬化』。連携もずば抜けており、タッグで右に出るものはいない。沖縄人らしく明るく前向き。

「いやぁ想像以上さぁ!!あれじゃ迂闊に接近戦に持ち込めないさぁ!!」

「というか二人がかりで挑んだのに返り討ちにあったさ〜!!噂以上の実力さ〜!!」



 一度距離を取ったナミとミナの二人は、変わらないハイテンションで朝陽を警戒する。



「うむ、そのようだ。私の『エスクード』もギリギリだった。技の発動までの流れが非常にスムーズだな」



 こちらは対照的に冷静な表情。しかし、二人と同じように朝陽を称えていた。



「しかしかといって、我々としては距離を詰めないわけには行かないだろう。私達は遠距離からの攻撃手段を殆ど持たないからな。となると…」



 盾子はそこまで言うと、チラッと隣に立つアズサに目を向ける。


 その視線と意図を察したアズサは、ポリポリと頬を掻きながらこれに答えた。



「まぁ……私ならある程度は。さっきみたいに能力じゃない攻撃の部分を自力で防いでくれるなら」



 期待通りの返答に、盾子はニッと笑みを浮かべると、ナミとミナの二人に目を向けた。



「だそうだ。いざとなれば私が防ぐことも可能だが、二人ともいけるか?」

「勿論さぁ!!」

「二人のバックアップがあれば鬼に金棒さ〜!!」



 槍を構え直す二人と、その少し後方にアズサが立つ。その瞳は、うっすらと黄色く輝いていた。






●●●






「おいおいおい。想像以上の化け物だぜアイツ!!」



 朝陽の攻撃を受け、強制的に引き離された大河は、追いかけるようにしてやってきた駿河達と合流し、今受けた攻撃に感心していた。



「矢の攻撃によるサポートがあったとはいえ、私の『引用率糸』を受けても全く動じてなかったですからね〜。あれ、ほっといても自分で対処してたかもしれないですよ」



 同じく朝陽の行動に感心していた駿河も、大河の言葉に同意する。



「結果として挟み込む形にはなっていましたが、それを押し返す実力…得ていた情報よりも遥かに実力が備わっていますね」



 ジッと戦闘の光景を見ていた安奈も、圧巻の動きを繰り出していた朝陽に驚いていた。



「ハッ!だからこそ燃えるじゃねぇか!!噂がどうだか知らねぇが、それをぶちのめせば私達の知名度が上がるってもんだろ!」



 その朝陽の動きを見て、より闘志を燃やしたのはカリナであった。


 そしてそれを受け、同じく好戦的な大河もニィッと笑みを浮かべた。



「あぁその通りだ!!強ぇ奴とやる程、燃えるってもんだ!」

「おやおや、血の気の多いチームですなぁ」



 駿河は笑みを浮かべながらやれやれといった様子を見せる。



「少しクールダウンさせましょうか?」

「いえいえ、ここはこの勢いを利用しましょう。私と大河に加えてカリナさんも交えて戦っていきますから、安奈さんは必要以上にヒートアップしていると思った時にお願いします」



 安奈の提案をやんわりと断りつつ、万が一に備えての用意を依頼しておく。


 安奈もこれを了承し、僅かに下がってサポートの体勢を整える。



「向こうも一人増やして攻撃してきそうです。形はさっきと同じで私達で関東メンバーを挟むようにはなると思いますが、不意打ちで仕掛けてくる可能性もあります。気をつけて」

「おうよ!!」

「ハハッ!!やっとこさ戦えるぜ!!」



 両者共に気合いは十分と言った様子を見せ、再び前線へ向かう準備は整っていた。






●●●





「…また来そうです。距離を取るつもりは無さそうなので、皆さんはサポートをお願いします」



 両地域からの殺気を感じ取った朝陽が槍を構えると、そこへ夜宵が近寄ってくる。



「朝陽、その前にちょっとごめんね」



 そう言うと、夜宵はその場にしゃがみ込み、そして()()()()()()()()()()()()()



「これでよし」

「……!お姉ちゃん、これって」



 影から夜宵の気配を感じた朝陽は、すぐに今の行動の正体を理解する。



「これで朝陽の影を自在に操れるわ。効果範囲は広く無いけど、私も接近戦の攻防に参加出来ると思うわ」



 夜宵の新技に、朝陽はいつの間に、と思いつつも、姉が背中を支えてくれると感じ、それがとても頼もしく思えていた。



「貴方の影を操りながら、私は別の攻撃の準備も進めておくわ。よっぽどのことがない限り、私の出番はないだろうから」

「無論、私も先程のようにサポートはするぞ。少しでも攻撃に意識を避けるように支援するから、思う存分戦ってほしい」

「わ、私も参戦できるように準備は進めておきます!!必要になったら教えて下さい!!」



 朝陽の先程の攻防に感銘を受けたのか、関東メンバーには勢いが出ていた。


 夜宵だけでなく、頼もしい味方が背中についていることを頼もしく思いながら、朝陽は再び強く槍を握りしめた。



「(多分、さっきのは様子見半分だったはず。私の動きを知ったから、ここからが本番。でも大丈夫。私の後ろには頼りになる仲間がいるから)」



 一瞬感じた緊張感は直ぐに解かれ、朝陽はリラックスした姿勢で迎撃体制に入る。


 両地域が再び攻め込んできたのは、それと同時のタイミングであった。



「とりゃ〜!!」

「うりゃ〜!!」



 仕掛けてくるのが早かったのはナミとミナ。先程同様、槍を振りかぶり振り下ろそうとしてくる。


 しかし、同じ攻撃を二度同じように迎え撃つほど、今の朝陽は経験不足ではない。



「『六枚刃(フリューゲル)』!!」



 槍の先端付近を浮遊していた『フリューゲル』を操り周囲に展開。



「『光の矢(プフェイル)』!!」



 そして、その『フリューゲル』から矢のような光線を放った。



「ナミは左に、ミナは下に避けて。あとは突っ込んで大丈夫」



 その時、二人の背後に控えていたアズサが通信機で二人に指示を出す。


 二人はその指示通りに回避すると、朝陽の放った光線は最も容易くかわされる。



「!!」



 出力を抑えているとはいえ、『メナス』でさえ回避の難しい技を悠々と回避され、朝陽は少なからず驚いた表情を浮かべる。



「隙有りさ〜!!」

「貰ったさ〜!!」



 動揺と呼ぶには一瞬ではあったが、選抜入りしているだけあり、二人はその一瞬を見逃さなかった。



「『闇の影(ダーク・スレッド)』」



 その朝陽をカバーしたのは夜宵であった。


 先程仕込んだ朝陽の影(やみ)を操り、そこから無数の糸とも触手とも取れるような形をした影が浮き出る。


 その影が迫っていた二人の槍を掴み、動きを止める。



「『光の連輝弾(マシーネンゲヴェーア)』!!」



 夜宵が作った隙に、朝陽は再び『フリューゲル』から攻撃を行う。


 『フリューゲル』からは無数の細かな弾丸が放たれ、避ける隙間もなく撃ち続けられていった。



「ナミ、ミナ、出来るだけ身体を屈めて。盾子さんは盾薄めで良いから展開を。数は多いけど一発一発の威力は高くない」

「分かった、『エスクード』」



 ナミとミナは言われた通りに身を屈め、盾子も同じくこれまでよりは厚みの薄い盾を二人の前に展開した。


 朝陽の放った弾丸は、盾子の壁に直撃し、小さなへこみこそ作ったが、貫くには至らなかった。



「(私の攻撃を見切っただけじゃなく、性質も読まれてる?さっき避けられたのも、四肢を狙ったのもバレてた見たい…と言うことは、アズサさんが指示を出してるんだ!)」



 朝陽の攻撃を凌いだ二人は、笑顔ながらも困った表情を浮かべていた。



「やは〜!これは困ったさ〜!」

「なは〜!もう近づけもしないさ〜!」



 攻撃をすることさえ叶わず再び撤退させられた二人も、流石にこの状況には参っていたようであった。



「そうだな。アズサ君のカバーがあったから防げたが、上手く関東メンバーの連携にやられてしまったな」



 盾子は変わらず冷静な表情を浮かべていたが、その内で朝陽の攻略方法を考えているようであった。



「先手でダメなら、後の先を行けば良いよ」



 その時、意見を発したのは、二人に指示を出していたアズサだった。



「…つまり?」

「こっちが先に攻撃をして対処されるなら、向こうに攻撃をさせてこっちが対応すれば良い。盾子さんの『グリット』と、私の『グリット』、それから二人の連携力を考えればれが一番効率的だと思う」



 ナミとミナは首を傾げていたが、盾子は理解したようで、成る程と頷いていた。



「つまり、私が朝陽君の攻撃をアズサの指示で先に防ぎ、その攻撃と攻撃の間を二人に攻撃してもらうわけか。確かにその通りだな」



 改めて盾子が言い直したことで二人も理解したのか、ブンブンと何度も頷いていた。



「よし、ならば次の私達の攻め手は決まった。()()()()()()()()()()

※後書きです






ども、琥珀です。


寒かったり暖かったり、体調を崩しやすい時期になりましたね。


私はインフルエンザや花粉症には全くかからないのですが、季節の変わり目ってやつに弱くて、結果熱出しやすいんです…


今年は何もないと良いな…


本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は水曜日の朝を予定していますので宜しくお願いします。

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