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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
353/481

第319星:開幕準備

第三部 関東VS中国VS九州・沖縄



◆関東地方


斑鳩 朝陽(18)四等星

 千葉根拠地に所属する少女。自分に自信が持てない面もあるが、明るく純心。大和と出会い『グリッター』として覚醒。以降急速に成長を続け、戦果を上げ続ける。力不足を痛感し、咲夜に弟子入りを志願する。


斑鳩夜宵(22)三等星

千葉根拠地に所属する女性。実力もさながら面倒見の良い性格で仲間からの信頼は厚いが、妹の朝陽には弱い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は夜宵小隊の小隊長を務める。その身には謎の人物の心が潜んでいるようだが…?


矢武雨(やぶさめ) 瑠河(るか) (24)

 栃木根拠地の大隊長を務める大黒柱。生真面目だが状況に応じて思考を変える柔軟性も併せ持つ。以前千葉根拠地の夜宵と共闘したことがあるため、二人に面識がある。


道祖土(さいど) 真衣 (22)

 埼玉根拠地のエース。腰の低い人物で、実績を残しながらも謙虚な姿勢を崩さない。逆を言えば自分に自信を持てない性格。



◆中国地方


百目鬼(どうめき) 大河

 鳥取根拠地のエース。大胆不敵で豪快な性格。身長が2m近くあるが、それを感じさせないフランクさがある。好戦的な性格ではあるが、局面を見極める冷静さも兼ね備える。

 

安鬼(あじき) 駿河

 鳥取根拠地の戦略担当。人の深層心理を理解するのが上手く、要は空気を読むのが得意。言葉巧みに味方の士気をあげたりまとめ上げたりする。


大心地(おごろち) 安奈やすな

 広島根拠地のエース。非常に穏やかでふわふわした性格の女性。庇護欲に狩られるような雰囲気を纏っており、咲夜達とは別の意味で士気を上げるのが得意。


渦巻 カリナ

 山口根拠地のエース。刺々しい口調とサバサバした雰囲気、好戦的な様子が特徴の女性。独断行動に走るように見えて、その実、自身の能力を活かすための動きをするのが得意。



◆九州沖縄地方



仙波 盾子(じゅんこ)

 鹿児島根拠地のエース。『メナス』を倒した功績ではなく、味方を幾度と救ってきた功績で選ばれた特異な例。凛々しく毅然とした態度が印象的だが、決して頑固というわけでもなく、柔軟な思考も併せ持つ。


才波 アズサ

 福岡根拠地のエース。寡黙でやや覇気に欠ける口調なのが特徴的だが、自分の役割をしっかりと果たす程度の自覚と覚悟を持っている。


与那覇 ナミ・ミナ

 沖縄根拠地の双子のエース。見慣れた人でも間違える程そっくりな双子で、息もぴったし。時々交互にセリフを呟くこともあるため、思考も全く同じなのではと言われる。沖縄人らしく明るく前向き。

 第三部に向けたフィールドの準備を進める中、朝陽達関東メンバーはフィールドの待機場所に待機していた。


 咲夜の言葉で十分に気合いは入っており、若干緊張気味の真衣を除けば、全員が準備万端であった。


 その中で、ふと夜宵が一つのことを思い出す。



「そう言えば朝陽、第一部が始まる時に指揮官に何か言いかけてたけど、それは結局なんだったの?」

「え?あぁそれは…」



 夜宵に尋ねられ、朝陽は視線を最高司令官達の方へと向ける。



「各地域の総司令官はいるのに、関東総司令官だけいないって思って」

「……言われてみれば」



 これまで繰り広げられて来た激戦のみに集中していた夜宵達は、朝陽の言葉に「確かに…」といった様子で頷いた。



「他のところは揃っていて、関東(うち)の総司令官だけ居ないってのも変な話だな。もしかして今空席なのか?」

「あ、それは無いと思います」



 瑠河の言葉を、朝陽が即座に否定する。



「私達、何回か総司令官の事を聞いた事がありますし、うちの司令官からも話しておく、って言われた事があったので」

「で、でもそれなら尚更、あそこにいらっしゃらないのは不思議じゃ無いですか?」



 朝陽の言葉に的確な指摘を入れる真衣の言葉に、一同は口を閉じてしまう。



「まぁ必ずあの場所で観戦しないといけないわけじゃ無いでしょうし、違うところで見てるだけかも知れないわ。今はこれから始まる戦いに集中しましょう」

「そ、そうだね!」

「うむ。関東選抜の力を見せつけてやろう」

「わ、私も精一杯頑張ります!!」



 夜宵の発破で気持ちを切り替えた関東メンバーは、間も無く始まる第三部に向けて、意欲は十分であった。






●●●






「あ〜この時間が退屈だ。早く始まんねぇかな」



 退屈そうに立ち尽くすのは、鳥取根拠地のエース、百目鬼(どうめき) 大河。


 その体躯は2m近くあるが、纏うオーラは圧倒されるモノではなく、どこか親密さを感じさせるフランクさがあった。



「仕方がありませんよ。第一部も第二部も、内容は異なりますが激しい戦闘でしたし、修繕にも当然時間は掛かってしまいます」



 落ち着いた口調で答えたのは、広島根拠地のエース、大心地(おごろち) 安奈あんな


 フランクな感じで親密な雰囲気を醸し出す大河とはまた異なる雰囲気を持っており、どこかおっとりとした口調から非常に穏やかでふわふわした性格であることが分かる。



「そうは言ってもよぉ。せっかく降りて来たのに直ぐに始まらんねぇのは退屈じゃねぇか。なぁ、駿河」

「いや〜私に同意求められてもねぇ。いま安奈さんが言った通り、待つしか無いんだから気合いでも込めときなよ〜」



 そう大河の言葉に答えたのは、大河と同じ鳥取根拠地から選抜された安鬼(あじき) 駿河。


 鳥取根拠地における戦略担当とも呼ばれ、特に人の深層心理を理解するのが上手く、空気を読むのが得意とも言える。



「テキトーに待ってれば始まんだろ。まぁアタシも早くやりたいのは同感だがな」



 トゲトゲしい口調で反応したのは山口根拠地のエース、渦巻 カリナ。


 口調と同じように鋭い目つきと性格をした人物で、大河と同じように好戦的な人物である。



「のんびりねぇ。私は待つのが苦手なんだが……」



 大河は今はまだ見えない各地域の方向を見ながら、ニッと笑みを浮かべる。



「ま、どんな強ぇやつがいるのか想像しておくのも悪くはねぇか」






●●●






「やは〜!!やっと私達の順番さ〜!!」

「なは〜!!待ちくたびれたさ〜!!」



 全く同じ声、全く同じ口調。そして瓜二つの姿。


 沖縄根拠地の二代エースにして、双子の姉妹でもある与那覇 ナミと与那覇 ミナの二人は、今にも始まる戦いに心を躍らせているようであった。


 というより、実際に身体を動かして踊っていた。



「ふふふ、この大舞台でその終始マイペースな様子、緊張は一切なさそうだ」



 二人とは一転して、落ち着いた様子で微笑みかけるのは、鹿児島根拠地のエース、仙波 盾子。


 こちらも緊張した様子は一切ないものの、ナミとミナの二人とは異なり、静かで穏やかな雰囲気であった。



「そりゃそうさ〜!!これまでずっと熱い戦いを見せられて、ここまでずっとおあずけだったからさ〜!!ねぇナミ!!」

「ほんとにそうさ〜!!早く私達も戦って、観客の皆をワッと驚かせたいさ〜!!」



 どこまでも明るく、見ているだけでワクワクしそうな様子の二人に、九州沖縄地方の最後のメンバーである、福岡根拠地のエースである才波 アズサは小さく息を吐く。



「二人を見ていると緊張しなくて良い。私、緊張しがちだから」



 ミナとナミとは対照的に、物静かで寡黙な口調でその様子を口にする。


 どちらかといえば静かで寡黙な盾子とともに、二人を微笑ましく見つめていた。



「アズサ君がいて助かるよ。私一人では上手く二人に言葉を届けられるか不安だったんだ」

「…いや、他ならぬ盾子さんの言葉なら二人も聞くよ。…まぁ、私にできる事があればやりますけどね」



 落ち着いた物腰で語りかける盾子の言葉に、どこか覇気にかける様子でアズサは答える。



「全員準備は万全のようだ。私が全身全霊でサポートするから、好きなように戦って来ると良い」



 アズサの言う通り、盾子が語りかけると、ミナとナミの二人もしっかりと「お〜」と返した。



「私は逃げることしか才能がないから。まずは生かすことから始めるよ」



 それに合わせてアズサも続き、ミナとナミに話しかける。



「やばい時の逃げ道は私が指示するから、二人はしっかりと()()()()()()()

「「お〜!!」」



 続けられたアズサの言葉に、二人は嬉しそうな表情を浮かべる。


 それだけ告げた後、盾子は僅かに笑みを浮かべ、ある地域の方を見つめた。



「今回の戦いには、前夜祭で出会った彼女がいる。少しだけ楽しみだよ、朝陽君」






●●●






「いよいよですね…夜宵さん達も十分な実力は備わってる…とは言えそれは他の地域の選抜メンバーも同じ。どれだけ実力を出し切れるかが勝負ですよ」



 先程までとは違い、周囲に誰もいなくなった観客席で、咲夜は一人呟く。



「心配ないよ。彼女達なら必ず勝てる。それだけの修羅場を潜って来たからね」



 そんななか、ジッとフィールドを見つめる咲夜に、男性が話しかける。



「大和!?何故こちらへ?」



 本来はここに居るべきではない人物に、咲夜は驚きの表情を浮かべる。



「まぁ向こうの席にいるわけにも行かないし、さりとてここに居るのもおかしいなと思って、少し離れたところでみてたんだよ」



 大和は観客席に用意された席に腰掛け、改めてフィールドを見る。



「中国地方も、九州沖縄地方も確かに曲者揃いだ。朝陽君達にはない強さを持ってるし、朝陽君達とは違う、反骨心みたいなものもある。けれど…」



 大和は笑みを浮かべながら、朝陽達の舞台を楽しそうにまつ童心のような表情で咲夜を見る。



「逆を言えば朝陽君達だって、彼女達にはない強さを持ってる。そして、ボク達のもとで培ってきた誇りがある。だから大丈夫だ」



 大和の言葉を受け、咲夜も大和から再びフィールドへと目を向ける。


 そこには緊張する様子は無く、いつもの悠然とした様子で次の試合を待っていた。



「君が思うほど、もう彼女達も子供じゃないよ。『悪厄災(マリス・ディザスター)』さえ退けて来た頼もしい仲間達だ。指揮官であると同時に師匠でもある君には難しいかも知れないけど、今は信じて見よう、この戦いを」



 大和にハッキリと指摘される程、自分の不安が顔に出ていたことに気が付き、咲夜は反省の意を込めて息を吐き出した。



「…ありがとうございます、大和。そうですね、『大輝戦』という大舞台を前に私が少し緊張しすぎていたようです」

「ハッハッハ!!まぁ確かに大きい舞台だけど、君が対峙して来た【オリジン】との祭りに比べたら、些細な規模だよ」



 嫌な記憶ではあるものの、大和の言葉に思わず咲夜は「確かに…」と思ってしまう。



「当の本人達は全く緊張してないんだ。だからボク達も気を楽にしてこの戦いを見よう。そして見届けよう。彼女達の成長を」

「…はい、大和」



 大和の言葉に咲夜が返した時、第三部の始まりを告げる声が鳴り響いた。

※後書きはお休みさせていただきます






本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は月曜日の朝を予定しておりますので宜しくお願いします。

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