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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
348/481

第314星:東京選抜VS⑦

第二部:東京VS東北VS四国


◆東京本部選抜


唯我 天城 (17)

東京本部に所属する『グリッター』。当時見習いの立場にありながら一羽に認められ、正式な『軍』の『グリッター』へ昇格した。任務を経て一つの殻を破ったが、その後、月影 天星に抜擢されたことで、力を追い求めるようになる。『グリット』は『未光粒操作(タキオン・レイン)』で、新時代により現認された光速を超えるタキオン粒子を操る力。未だ未熟な力ではあるが、光速に近い速度と衝撃を出せるようになっている。



佐伯 遥 (24)

東京本部エリート。フレンドリーで明るく、堅物で自尊心の高い東京本部では珍しい友好的な人物。一歩間違えれば仲違いしかねない選抜メンバーをまとめ上げる。『グリット』は『輝弾射手(バレットアーチャー)』で、『エナジー』を攻撃用の『エネルギー』に変質して放つ能力。シンプルが故に強く、弾にも誘導や炸裂、起動変化など様々な効果を与える事が出来る。


草壁 円香 (21)

東京本部エリート。クールで鋭い目つきが特徴。分析力が鋭く、敵の能力から戦闘面を予測する能力に長けている。指揮力も高いが、エリートが故に能力を過信してしまうことも。


片桐 葉子 (21)

東京本部エリート。移り気かつ気分屋な性格だが天才肌で、一度こなした事は大抵モノにする。その分精神面ではやや幼く、小さな煽りに対して過敏に反応する事がある。『グリット』は『輝伝衝波(トランスミッション)』で、手首から指までに沿うようにして複数の光の帯が出現し、この状態で壁や地面を叩き付ける事で物体の表面に光の筋を伝播させ、攻撃対象の近くに『エナジー』による攻撃を行う事が出来る。



◆東北地方


神守 紅葉(くれは) (24)

 青森根拠地のエース。頭の回転が速く、盤面を読む力や相手の思考を読むことにも長けた切れ者で、常に笑みを浮かべ精神的余裕がある。能力は『分身裂(アバタール)』で、自身の身体を映し出す分身と、肉体を持つ分裂能力を持つ。分身は数が多いが実態はなく、分裂は実態を持つが数が多いほど弱体化して現出する。


幻詠(まほろよみ) カナヨ (22)

 青森根拠地の裏エース。低く落ち着いた声を持つ物静かな人物だが浮世離れしており、話す内容は抽象的でスピリチュアルな印象を与える。『グリット』は『幻影霧イリュージョン・ミスト』で、口から吐き出した霧で幻影を作りだす。紅葉とは阿吽の呼吸且つ親友で、分身の姿を変えることも可能。


矢吹 立花 (22)

 秋田根拠地のエース。品行方正で押しが強く、声量も仕草も基本的にうるさい。自己肯定も強いが、それ故に他人を貶すことは無く仲間思い。『グリット』は『大気射出(フライ・ハイ)』で、周囲の空気を一定方向に射出し、空へ浮上したり、相手を吹き飛ばしたりする。持続時間は数秒で、後先考えず放つと自分が吹き飛ぶ。


隠蓑(かくれみの) イロハ (21)

 福島根拠地の選抜メンバー。どちらかと言えばサポート役として貢献し、それを護里が見抜き抜擢した。言葉数は多くないが強さに自負を持ち、自分に自信をつけるべく【大輝戦】出場を受け入れた。『グリット』は『無色消姿(ハイデンカラー)』で、触れた箇所と同色に身体を染めることができる。



◆四国地方


今獅子 スバル (24)

 徳島根拠地のエース。やや熱血な面もあるが努力家で、実力者が集うこの場において最もしっかりとした常識人で、実質的に指揮を取る。『グリット』は『獣化・獅子(ライレオン)』で、『エナジー』を集約し、獅子を象ったエネルギー体の姿になる。走力や攻撃力、五感に至るまで獅子レベルまで向上するレアな能力。性格は元のままを維持している。


双波 セナ (20)

 愛媛根拠地の前衛隊長を務める『グリッター』。真っ直ぐで語尾に「っす!」等をつける後輩的キャラ。近接戦闘における戦闘力が非常に高く、近接に特化した海音に匹敵する感覚を実戦で養い、俊敏な動きで相手を翻弄する。『グリット』は攻撃を当てたあと、同じ箇所に二度目、二倍の威力にした衝撃を当てる『二重衝撃(ツインインパクト)』。


是衝(これちか) 椰静(やしず) (22)

 香川根拠地のエース。寡黙で最低限の言葉しか話さないため若干コミュ障だが戦闘での発言は的確。『戦闘補具(バトルマシナリー)』を駆使した戦闘スタイル。


撫子(なでしこ) 撫子(なでこ) (22)

 高知根拠地のエース。一人称は『なでこ』。子供の頃から名前で揶揄われていたが、親から『優しい立派な女性になって欲しい』という想いを知っているため、揶揄われると怒る。『グリット』は『撫返(なでがえし)』で、両手同士で繋ぎ合わせた『エナジー』で相手の攻撃を吸収し跳ね返したり曲げたりするモノ。また近接戦闘の攻撃を絡め取ることも可能。

「(しつこいな、まだ落ちてない…)」



 自身が放った弾丸による巨大な爆発を目にしながら、遥はまだ四国メンバーが脱落していないことを確信していた。



「(手応えはあった。けれど爆発が少し押し返されたような様子があった。ということはおそらく…)」



 ほんの僅かな手掛かりから推測していく遥は、攻撃の手を止めるつもりは微塵もなく、再び『輝弾射手(バレットアーチャー)』による攻撃の準備に入っていた。






●●●






「スバルさん!!」



 周囲に立ち込める爆煙のなかで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()、力無く倒れ込んでいた。



「す、すいません、ごめんなさい!!私の力が足りないせいでスバルさんが…!!」

「誤ってる…場合じゃ…止まってる場合じゃ…ないよ、みんな」



 撫子が涙を流しながら謝り続けるなか、スバルは掠れた声で四国メンバーに声をかけた。



「まだ…負けてない。足を止めてたら…狙い撃ちにされる…だけ。だから皆、走って…」



 傷だらけになりながらも、尚も勝利を諦めないスバルの言葉に、意気消沈としつつあった四国メンバーの瞳に再び火が灯る。



「スバル…はもう走れないけど…皆はまだ走…れる。前を向け…る。だから……行って。それで…皆でまた…明日戦おうよ」



 セナも、椰静も、涙を流していた撫子もそれを拭い、全員が力強く頷いた。



「力を合わせて。スバル達は…」

「「「チームだから!!」」」



 最初に掛けられた言葉を全員が繰り返し、一同は覚悟を決め前に走り出した。


 最後に見た四国メンバーの目を焼き付けたスバルは、満足そうに瞼を閉じた。


 その場所に、どこからともなく俊雅が現れる。



「だいぶ無理したねぇ嬢ちゃん。直ぐに医者のところへ行くかい?」

「いや…観客席へ…最後まで、側にいたいから…」



 目を閉じながらもそう口にしたスバルの答えに、俊雅も予想はしていたのか、笑って頷いた。



「分かった。でも側で医療班の治療は受けてもらうからね」



 スバルが頷き同意を得ると、俊雅は移魅の方に視線を向ける。


 移魅もアイコンタクトだけで理解すると、スバルを飲み込むようにして空間の穴で飲み込んでいく。


 次の瞬間、スバルは観戦用の場所へと移動しており、次いで先程と同じような空間の穴が出現し、そこから医療班と思われる数人の人物が現れ、スバルの治療を始めた。



「あとは、任せたよ皆…」



 そう言い残したスバルは、ゆっくりと意識を失った。






●●●






 天井に吊り下げられたモニターに、スバルの脱落が表示されるのと同時に、四国メンバーが爆煙の中から姿を現した。



「追ってくる弾丸は、誘導可能範囲があるはずすっす!!だから走り続けてればその範囲を見極められるはずっす!!」

「わ、分かった!!避けれない分の攻撃と、伝播してくる攻撃は可能な限り私が跳ね返すよ!!」

「最短、最速、敵を倒す…!!」



 最も強力な『グリット』を持つスバルが脱落したことで、却って腹を決めた四国メンバーは、遥や葉子の『グリット』を恐れず、真っ直ぐ直進していった。



「舐めんなっての!!それだけ単純な動きしてたらやり方なんていくらでもあんのよ!!」



 葉子は左手に残された三本の帯を地面から伝わらせ、四国メンバーの通り道で炸裂するように放った。



「散開するっす!!」



 セナの掛け声で一同は直線から三方向へと広がる。


 唯一真っ直ぐ進んだ撫子は『グリット』でこれを跳ね返し、他のメンバーは葉子の『グリット』を単純にかわして対応した。



「彼女の『グリット』の警戒する面は、目の届かないところからの急襲っす!!だから、視界に入ってるいまここで一気に叩くっすよ!!」

「「了解!!」」



 元々最前線の更に前衛で隊長を任せられているセナの指示に従い、四国メンバーは一直線に葉子に向かっていく。



「ちっ、この…!!」



 片手に握られた『輝線銃(グリットガン)』で応戦するなか、その後方で様子を見ていた遥が次の手を考える。



『(あの移動速度、私の誘導弾の誘導範囲を警戒してるのね。それならそれで打つ手はいくらでもあるけど、あの勢い…生半可な攻撃じゃ怯まなさそうね)』



 遥の言う通り、スバルをやられた事で闘志に火がついた四国メンバーの勢いは凄まじく、そして圧と勢いを感じさせていた。



『(私の攻撃で仕留めても良いけど、元々支援向きの私の《グリット》じゃさっきみたいに仕留め損なう可能性も否めない。それなら近くにいる葉子ちゃんに仕留めてもらうのが確実ね)』



 プランを立てた遥は、通信機に手をあてる。



『円香ちゃん、四国メンバーの情報を全部頂戴』

『全てとなるとかなり膨大な量になりますが…』

『大丈夫、必要な情報だけ抜き取って、私の方で処理するから』

『…了解』



 それから間も無くして送られてきた情報の中から、自身の攻撃に必要な情報だけを抜き取り、遥は攻撃態勢に入った。



『《操作弾(マニューバーバレット)》×《 爆裂弾(バーストバレット)》=《操作爆裂弾(マニューバーバースト)》』



 それぞれ性質の異なる弾丸を融合させ、二つの性能を持つ一つの弾丸を作り上げた遥は、それを即座に放った。



「…!!弾丸が来るっす!!移動速度を緩めちゃダメっすよ!!」

「「了解!!」」



 セナの指示に、四国メンバーは従い真っ直ぐと最速最短の道を進んでいく。


 そのセナ達の頭上を、遥の放った弾丸は()()()()()()()()()()



「!?誘導弾じゃ、ない!?」



 異変に気づいたセナが背後を振り返った瞬間、通過した遥の弾丸が()()()()()()、セナ達の元へ迫ってきていた。



「誘導弾だけじゃないってことっすか!?みんな避けるっす!!」



 セナの素早い反応により、他のメンバーも背後から迫る弾丸に気が付き、姿勢が整わず『グリット』が発動できない撫子も含め全員が回避の行動を取った。


 その直後、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



「しま…ッ!!」



 セナの言葉は最後までいうことは叶わず、四国メンバー全員に遥の放った弾丸が直撃し、複数箇所で爆発の音が鳴り響いた。



「遥さんの《操作爆裂弾(マニューバーバースト)》、久々に見たけどやっぱりエグいわ。初見でこれかわせる奴、いないでしょ」



 葉子はその爆煙を見て、どこか恐れた様子で呟いた。



「さて…っと…」



 そしてゆっくりと、再装填(リロード)された右手を地面に添えた。






●●●






『…命中しました。お見事です』

「いやいや、円香ちゃんの予測能力あってこその弾道よ。助かったわ」



 東京選抜、草壁 円香の『グリット』は、『計算予知オートマチック・サイト』。


 相手の動きを観察し続けることで、動きの癖や特徴を計測し、予知のように情報を読み解く能力である。


 観察する時間が長ければ長いほどその精度は高くなるため、これまで観察に徹していたのはそのためであった。


 そこから得た情報を遥に伝えることで、遥の弾の性能の一つである『《操作弾(マニューバーバレット)》』が最大限の性能を発揮する。


 『《操作弾(マニューバーバレット)》』は自動で相手を追尾する《誘導弾(オートリードバレット)》とは異なり、自ら弾丸の進路を決めることが出来る弾丸である。


 誘導弾よりも自由が効く反面、正確に当てるには技術と経験、そして相手の動きを知る必要がある。


 そこで円香から情報を得たことで、遥は四国メンバーの交わした後の動きまで読み、弾道を定めていたのである。



「これで葉子ちゃんの方は終わり。私は天城君の方のサポートに移るから、円香ちゃんは万が一のために葉子ちゃんの方を宜しくね」

『…了解』



 そう言うと遥は本当に結果を見るまでもなく、葉子の方から視線を逸らし、天城の方の観察に入った。






●●●






「ゲホッ…ま、まだまだっす!!」



 回避したことで空中で攻撃を受けたセナは、外傷を負いながらもフィールドギリギリのところで踏ん張っていた。



「これくらいでやられてたら、愛媛根拠地の前衛隊長の名が泣くっす…」



 セナは「それに…」と続ける。



「こんなあっさりとやられたら、身を挺して守ってくれたスバルさんに申し訳が立たない…っす!!」



 全身の痛みに耐えながら立ち上がったセナが、再び葉子の方へ走り出そうした時だった────ドッ!!!!!!



「!?カッ…ハッ…」



 どこからともなく現れた攻撃がセナを直撃し、どうにか保っていた意識と体勢もろとも刈り取っていった。


 薄れる意識の中で、セナは自身に向かって伸びている光の筋に気がついた。



「彼女の……『グリッ』…」



 セナの意識は途切れ、そのままゆっくりと後方へと倒れていった。


 その背後には既にフィールドはなく、セナはゆっくりとそのまま場外へと落ちていった。


 間も無くして、()()()()()()()()()セナと()()の脱落の文字が天井に吊るされたモニターに映し出された。

※後書きです







ども、琥珀です


最近物忘れが酷く、予約していた通院忘れる(二回目)失態をやらかしました…


忘れたらそれを気にして一日ドキドキしてしまう質が故に、そう言ったことは忘れないタイプの私がまさかの同じことを二回してしまうとは…


もう三度目はないぞ、と自分に言い聞かせる琥珀でした…


本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は水曜日を予定しておりますので宜しくお願いします。

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