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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
346/481

第312星:東京選抜VS⑤

第二部:東京VS東北VS四国


◆東京本部選抜


唯我 天城 (17)

東京本部に所属する『グリッター』。当時見習いの立場にありながら一羽に認められ、正式な『軍』の『グリッター』へ昇格した。任務を経て一つの殻を破ったが、その後、月影 天星に抜擢されたことで、力を追い求めるようになる。『グリット』は『未光粒操作(タキオン・レイン)』で、新時代により現認された光速を超えるタキオン粒子を操る力。未だ未熟な力ではあるが、光速に近い速度と衝撃を出せるようになっている。



佐伯 遥 (24)

東京本部エリート。フレンドリーで明るく、堅物で自尊心の高い東京本部では珍しい友好的な人物。一歩間違えれば仲違いしかねない選抜メンバーをまとめ上げる。『グリット』は『輝弾射手(バレットアーチャー)』で、『エナジー』を攻撃用の『エネルギー』に変質して放つ能力。シンプルが故に強く、弾にも誘導や炸裂、起動変化など様々な効果を与える事が出来る。


草壁 円香 (21)

東京本部エリート。クールで鋭い目つきが特徴。分析力が鋭く、敵の能力から戦闘面を予測する能力に長けている。指揮力も高いが、エリートが故に能力を過信してしまうことも。


片桐 葉子 (21)

東京本部エリート。移り気かつ気分屋な性格だが天才肌で、一度こなした事は大抵モノにする。その分精神面ではやや幼く、小さな煽りに対して過敏に反応する事がある。『グリット』は『輝伝衝波(トランスミッション)』で、手首から指までに沿うようにして複数の光の帯が出現し、この状態で壁や地面を叩き付ける事で物体の表面に光の筋を伝播させ、攻撃対象の近くに『エナジー』による攻撃を行う事が出来る。



◆東北地方


神守 紅葉(くれは) (24)

 青森根拠地のエース。頭の回転が速く、盤面を読む力や相手の思考を読むことにも長けた切れ者で、常に笑みを浮かべ精神的余裕がある。能力は『分身裂(アバタール)』で、自身の身体を映し出す分身と、肉体を持つ分裂能力を持つ。分身は数が多いが実態はなく、分裂は実態を持つが数が多いほど弱体化して現出する。


幻詠(まほろよみ) カナヨ (22)

 青森根拠地の裏エース。低く落ち着いた声を持つ物静かな人物だが浮世離れしており、話す内容は抽象的でスピリチュアルな印象を与える。『グリット』は『幻影霧イリュージョン・ミスト』で、口から吐き出した霧で幻影を作りだす。紅葉とは阿吽の呼吸且つ親友で、分身の姿を変えることも可能。


矢吹 立花 (22)

 秋田根拠地のエース。品行方正で押しが強く、声量も仕草も基本的にうるさい。自己肯定も強いが、それ故に他人を貶すことは無く仲間思い。『グリット』は『大気射出(フライ・ハイ)』で、周囲の空気を一定方向に射出し、空へ浮上したり、相手を吹き飛ばしたりする。持続時間は数秒で、後先考えず放つと自分が吹き飛ぶ。


隠蓑(かくれみの) イロハ (21)

 福島根拠地の選抜メンバー。どちらかと言えばサポート役として貢献し、それを護里が見抜き抜擢した。言葉数は多くないが強さに自負を持ち、自分に自信をつけるべく【大輝戦】出場を受け入れた。『グリット』は『無色消姿(ハイデンカラー)』で、触れた箇所と同色に身体を染めることができる。



◆四国地方


今獅子 スバル (24)

 徳島根拠地のエース。やや熱血な面もあるが努力家で、実力者が集うこの場において最もしっかりとした常識人で、実質的に指揮を取る。『グリット』は『獣化・獅子(ライレオン)』で、『エナジー』を集約し、獅子を象ったエネルギー体の姿になる。走力や攻撃力、五感に至るまで獅子レベルまで向上するレアな能力。性格は元のままを維持している。


双波 セナ (20)

 愛媛根拠地の前衛隊長を務める『グリッター』。真っ直ぐで語尾に「っす!」等をつける後輩的キャラ。近接戦闘における戦闘力が非常に高く、近接に特化した海音に匹敵する感覚を実戦で養い、俊敏な動きで相手を翻弄する。


是衝(これちか) 椰静(やしず) (22)

 香川根拠地のエース。寡黙で最低限の言葉しか話さないため若干コミュ障だが戦闘での発言は的確。『戦闘補具(バトルマシナリー)』を駆使した戦闘スタイル。


撫子(なでしこ) 撫子(なでこ) (22)

 高知根拠地のエース。一人称は『なでこ』。子供の頃から名前で揶揄われていたが、親から『優しい立派な女性になって欲しい』という想いを知っているため、揶揄われると怒る。『グリット』は『撫返(なでがえし)』で、両手同士で繋ぎ合わせた『エナジー』で相手の攻撃を吸収し跳ね返したり曲げたりするモノ。また近接戦闘の攻撃を絡め取ることも可能。

「ちっ…次から次へと…!訳わかんなぇ攻撃してきやがって!!」



 東北メンバーと対峙する天城は、紅葉の作り出す分身体と、それを変幻自在に変化させるカナヨの『グリット』に翻弄されていた。



「(いま壊れた岩の砂利を踏む音がした。だからそれが本体だと思って攻撃した。なのに俺の攻撃は空ぶって、逆に攻撃を受けた?だが攻撃をしたのが分身体なのに、どうやって反撃したってんだ?東北の奴らは全員あの場にいるだろうが!!)」



 カナヨの作り出している幻覚の手中にはまり、天城の頭はドンドン混乱していった。



「ちっ…スフィアがいれば…」



 その時、ふと溢した一言に自分で驚き、天城は首を何度も振った。



「何を言ってんだ俺は。力を手にすることを選んだ時に、決めたはずだろうが!!」



 湧いた雑念を振り払い、天城は混乱していた頭を一度リセットする。



「(攻撃してたのは分身体だった…これはあり得る。見えないところから反撃をされた。これもあり得る。分からねぇのは、見えないところから反撃できるイロハって奴があそこにいるにも関わらず、攻撃が来るって点だ…)」



 そこで天城は、ふと一つの疑問に気付く。



「(待てよ?隣にいるカナヨって奴が霧を吐き出してから、イロハって奴は隣に姿を現した。今まで『グリット』で姿を消して攻撃してきてたのに、なんでだ)」



 段々と謎を解き明かしていきつつある天城は、疑問を確信に変えるべく更に考える。



「(正確に言えば、今もイロハって奴の攻撃は受けてる。向こうに姿があるのに、攻撃は俺の近くから来てる。だとすれば…)」



 天城は一つの仮説を立てると、手に持っていた『機槍』を構え、まるでスナイパーのように狙いを定める。



「『機槍』─一点放射!!」



 そして、その槍の最先端部分から、少量の爆弾がこれまでとは違い一直線に放たれた。


 速度も射程もこれまでとは遥かに長く、カナヨの隣に立っていた()()()()()()()()()()()()



「そういうことかよ、クソが」



 仮説が確信に変わり、天城は苛立ちながらも笑みを浮かべた。



「そこの女が出してる霧、俺に幻覚みたいなものを見せてるな。目だけじゃねぇ、聴覚も錯覚するほどのレベルの幻覚。さっきの砂利を踏む音も、作られた音だったわけか」



 カナヨの『グリット』を言い当てられた東北メンバーは、しかし誰一人として驚かなかった。


 何故なら、『グリット』の情報を知る事が可能だから。故に見破られてもおかしくないと始めから思っていた。


 しかし、その中で唯一、分身を出しながら前進気味に戦っていた紅葉は、僅かに目を細めて天城を注視した。



「(さっきまでは理解不能な攻撃で困惑したり、怒ったりしていた。それを一瞬で振り払い、知識を得ることさえ可能だったことを知らなかった『グリット』の特性を直ぐに理解し、状況を把握した…成る程、その若さで選ばれるだけはあるということかな)」



 通常なら誰も気にかけないであろう細部まで目を行き届かせ、万全の状態を維持する。


 これが、紅葉が盤面を読む力や相手の思考を読むことにも長けた切れ者、と呼ばれる所以である。



「(このまま時間をかけて攻め込むつもりだったが、何やら危険な匂いがする。こちらの『グリット』は出し尽くしたし、攻め急ぐのも気がひけるが、ここは一気に…)」

「まぁ分かったところで俺にその幻覚を振り払う力は無ぇ」



 紅葉が行動に移そうと考えた瞬間、天城はダルそうな様子で肩に『機槍』を乗せ、ぼやく。


 その思いもよらない言動に、攻撃の指示を出そうとした紅葉の動きが止まる。



「もう少し俺の力を見せつけてやりたかったが、そもそも『グリット』だって俺の力だ。別に使用しても構わねぇか」



 面倒臭そうに呟いた天城は、更に紅葉の予想を裏切るようにして、武器である『機槍』を投げ捨てた。



「(一体何を…)」



 紅葉は一瞬その思考を悩ませたが、すぐに迷いを振り切った。



「(いや、これはチャンスだ。どういう訳か分からないが、彼は自ら状況を打破するための武器を捨てた。攻める時は今だ!)」



 紅葉はそう考えをまとめると、分身体に紛れ、カナヨの『グリット』で紅葉に姿を変えていた立花に目配せし、攻撃を仕掛けるよう指示した。


 当然天城は、立花の居場所を特定できていない。


 立花は自身の『グリット』で最高速度まで加速できる位置までゆっくりと移動。


 それも出来るだけ視覚となる位置まで移動していった。


 天城との距離は50m程。この位置ならば、立花の『グリット』、『大気射出(フライ・ハイ)』で一気に加速し、一気に場外まで運ぶドロップキックをかます事ができる。


 そして、『グリット』を発動し、全速力で天城に攻撃を仕掛けようとした時だった。




────ギロッ




 天城の視線が、確実に立花を捉えていることを、紅葉は見逃さなかった。



「!?立花、まっ……!!」



 しかし紅葉の声は間に合わなかった。


 既に『グリット』を発動していた立花は、全速力で天城に攻撃を仕掛けていた。


 立花のドロップキック(攻撃)が天城の背後から直撃する寸前、天城は瞬間的に目で追えないほどの超高速移動を繰り出しこれをかわす。


 そして、隙だらけで剥き出しになった立花の足を掴むと、思い切り良く投げつけた。


 もとの立花の加速に加え、天城の投げつけによる遠心力が加わり、立花はどうにか逆噴射で勢いを殺すものの、相殺しきれず岩場に衝突してしまう。


 それでも直ぐに反撃に出ようと前を向いた瞬間、()()()()()()()()()()()



「こっちからの攻撃で探れないなら、そっちから攻めてくるのを待てば良いだけの話だよな。直ぐに引っ掛かってくれたから察知もし易かったぜ」



 しまった、と紅葉は自身が失態を犯したことを理解する。


 攻めるのを止めた事も、武器を捨てたのも、全ては自分達から攻め込むのを待っていたからであったことに気付かされたからだ。



「(いや、迷いがあった時点で何かを感じていたはずだぞ私!!彼の行動が奇抜過ぎて攻め急いだか!!)」



 自身の失態を責めながら、紅葉は分身体を交えながら立花の救出に向かう。


 が、しかし────



「遅過ぎんだろ、それじゃあよ」



 次の瞬間、天城は再び目にまとまらぬ超高速移動を繰り出した。


 それも一瞬では無い、後方に下がっては立花に衝突し、再び下がっては立花に衝突を繰り返す。


 紅葉が一歩足を踏みすすめる間に、天城は数発の打撃を立花にくらわせていた。


 立花の背中にあった岩場が崩れても攻撃は続き、反撃をする間も無く押し込まれていく。


 そして最後には強烈な肘打ちを立花の腹部にくらわせ、立花はフラフラとしながら、気付けば無くなっていた背後の地面に倒れていく。



「立花!!」



 紅葉の張り上げた声も虚しく、天城の最後の攻撃で意識を失った立花は、そのままフィールドの外へと落下していった。


 その直後、天井に吊るされたモニターには、東北地方の矢吹 立花のフォールアウトの文字が映し出された。


 まさに一瞬の出来事。しかし紅葉が一番に驚いたのは、立花が落とされたことではなく、天城の『グリット』のことであった。



「(どういうことだ?情報では、彼の『グリット』はタキオン粒子を操作して自身を加速させる『グリット』であることには間違いない。けれど、今の攻撃の速度や持続時間は、事前に見て聞かされたものとは遥かに異なる!!)」



 紅葉が動揺したのはその一瞬、しかし、その一瞬で、天城は再び超高速移動をし、分身体かも本体かも分からない個体へ近付き語りかけた。



「聞いてた情報と能力が違う、とでも思ってんだろ?」



 目の前に迫られ、考えていたことを当てられた紅葉は、笑みは崩さなかったものの、額からはツーっと汗が垂れていた。



「当たり前だろ。俺がここまで強くなったのはここ数ヶ月のことなんだからな。情報の更新が遅くてもしょうがねぇよ」



 そして天城は、何の躊躇いもなく、その個体を超高速移動で消滅させた。



「ちっ、偽物か…まぁいいぜ」



 高速移動を終えた天城は、目の前に立つ紅葉の無数の分身体に対し、不敵な笑みを浮かべて続けた。



「オタクらの連携で俺が消耗するのが先か、俺の『光粒子動(タキオン・ライド)』でしらみ潰しに潰しまくって当たるのが先か、勝負といこうじゃねぇか」



 紅葉達の答えを待つことなく、天城は再び超高速移動を繰り出し、分身体の群れへと突っ込んでいった。

※後書きです







ども、琥珀です


ニンニクって万能調味料の一つだと思うんですよね。


ラーメンや炒め物、スープにも良いですしね。

私はカレーにも隠し味として入れたりします。


そしてたくさん使用した結果……腹を下します…


刺激物であることを忘れるべからず…


本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は金曜日を予定しておりますので宜しくお願いします。

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