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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
2章 ー小隊編成編ー
34/481

第33星:椿小隊

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。新しい環境で新しいことに挑もうとするが…?


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めているが、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『天照す日輪イノセント・サンシャイン』を覚醒させ、仲間の命を救った。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。戦場に現れた妹の朝陽の危険にいち早く勘付き重傷を負う。現在は療養中。


樹神 三咲 (22)

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。


佐久間 椿(22)

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。


【椿小隊】

写沢 七 21歳 159cm

 写真を撮るのが大好きで、同時に仲間のことをよく観察し、僅かに変化に気遣うことができる。


重袮 言葉 20歳 158cm

 活発で女の子が大好きでいつもセクハラまがいの行いをするが、時折その表情に影を落とすことがある…


海藤 海音 16歳 151cm 四等星 能力『乗れない波はないシックスセンス・オーラ

 誰に対しても物事をハッキリ言う性格だが、仲間のために行動する優しい心の持ち主。

────朝陽達のメナス殲滅と同刻




「…よしっと〜。皆〜罠はは仕掛け終わったよ〜。座標はマップに送ってあるから確認してね〜」



 既に椿小隊は交戦を開始。


 椿はこれまで通りと同じく、『鮮美透涼の誑惑(ラオム・クラルハイト)』によって罠を仕掛けていく。



「了解了解!ほんじゃ写り映えしそうな戦闘を始めますかね!!言葉さん!!いつまでも海音ちゃんのお尻追っかけてないで作戦に移りましょう!」

「あいよ七ちゃん〜。目の保養は済んだからね」

「気付いてるんだったら止めろよぉ!!さっきからお尻がゾクゾクして集中できなないんだよぉ!!保養ってなんなんだよぉ!!」



 若干カオスなことになりつつも、海音は『乗れない波はないシックスセンス・オーラ』を駆使し、メナスの攻撃を的確に回避。


 椿が罠を仕掛けている間、キチンとメナスの目を引き付けていた。



「ほい!!『輝線誘導弾(グリット・ミサイル)』!!」



 言葉はどこから取り出したのか、巨大なバズーカ砲のようなものを抱え込む。


 発射口と思われる穴は四つ。そこから一斉にミサイルが放たれる。


 ミサイルは海音を避け、真っ直ぐメナスの方へと飛んでいく。


 当然メナスも回避行動に移るが、ミサイルはそれに合わせて進行方向を変えていく。



「残念、誘導弾なんだな~、これが」



────ボンッ!!という大きな爆発音とともに、固まっていた五体のメナスに直撃する。


 爆発による煙で姿が確認できないため、椿達は警戒を緩めない。



「さて…効果の方はどうかな…っと」



 言葉は手元で()()()()()()()()()()『グリット・ミサイル』をポイっと捨てながら、煙の奥を注視する。


 やがて煙は晴れていき、中からは無傷のメナス達が姿を現した。



「ありゃ~無傷だよ七。結構強力なの使ったのに」

「私のせいみたいに言わないでよ。これでもしっかり『解析スキャン』したんだからさ」

「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったんだよ。この辺りは新しい司令官さんと指揮官さんとでかいぜんしてこ。ほんじゃ次々!!」



 言葉達が次の手を打つ前に、メナス達が反撃に出る。


 距離を保ったまま三体がレーザーを放ち、その合間を潜るようにして二体のメナスが突っ込んでくる。



「あれ、まじ!?そんな搦め手を使ってくるの!?」



 七が驚いた様子を見せるも、海音は慌てなかった。



「七さん!!【耐熱反射鏡ゲドゥルト・シュピゲール】ちょうだい!!」

「あ、分かった!でも手元にあるの結構な廉価版しかないけど…」

「一発防げれば良いから十分!!」



 宙に放り投げられた四枚の【耐熱反射鏡ゲドゥルト・シュピゲール】を器用に回収し、海音も前に出る。


 受け取った【耐熱反射鏡ゲドゥルト・シュピゲール】元来のモノより小さく薄いように見える。


 海音はそのまま鏡を展開。一辺30センチ程の小型の盾が出来上がる。


 通常であるのならばメナスのレーザーはこれで防げない。


 しかし、海音は『乗れない波はないシックスセンス・オーラ』で動きを感じ、レーザーの射線を読み取っていた。


 結果、最小限の動きと防御のみでメナスのレーザーを回避することに成功する。


 それでも回避できないレーザーは渡された鏡で回避。


 それも正面から受けるのではなく、角度を調整し、受け流すようにして上手くレーザーを捌いていた。



「やぁ流石だねぇ。私達の小隊の戦い方は時間が掛かるうえに、正面切っての戦闘はあまり得意じゃないから、海音ちゃんみたいに前線で戦ってくれる人がいると助かるよねぇ」

「そうね!戦ってる時の彼女すっごいかっこいいし、写真に収めたいくらい!」

「あ、現像したら私にも一枚頂戴!!三日はいけるわ!!」

「撮るなよ!!貰うなよ!!ていうか頼むから戦ってくれえ!!」



 既に距離を詰めてきていたメナスと交戦していた海音は涙声で叫ぶ。


 が、当然椿達もただ談笑していたわけではない。


 海音が再びメナスを引き付けている内に、既に次手を打っていた。



「ほんじゃ海音ちゃんをサポートしますかね。七、用意は出来た?」

「とりあえず六個ほど。二つは保障するけど、四つは効果低いかも」



 そう言って手渡されたのは、エナジーを吸収して炸裂時発光する閃光弾だ。


 それを七はどこからともなく取り出していた。


 七の能力は『解析分裂(レプリック・マンス)』。自分が触れたモノを『解析スキャン』し、『分裂コピー』する能力である。


 原則コピー出来ないものはないものの、物体が複雑であったり、巨大なモノであるほど一定の体力を使うのと、自分でコピーしたものを更にコピーした場合その物体が劣化する欠点を持っている。


 また、一度『解析スキャン』したものには自身のエナジーが残留し読み込めなくなるため、一定時間『分裂コピー』させることが出来なくなる。


 七が四つの効力について保障出来なかったのは、コピーにコピーを重ねた贋作(レプリカ)だからである。


 七の言葉に頷くと、言葉はそれを受け取り、海音とメナスとの距離を詰めていく。



「海音!!『フラッシュ』!!」



 言葉の合図を聞き取り、海音は一度メナスと距離を取り、目を閉じた。


 メナスがその行動に一瞬気を取られたのと同時に、目の前には三つの閃光弾が迫っていた。


 瞬間、言葉の投げた閃光弾が、()()()()()()()()


 もろにその閃光に充てられたメナスは視界を奪われ行動不能に陥る。



「不意打ちでもなんでもない、シンプルな作戦。だけど私達はこれで良いのよ。だってこんだけ隙を作ればさ…」

【────ヴゥッ!?】

「『パイル・グリット』!!」



 視界を取り戻した二体のメナス。その胸元には杭が打ち立てられていた。



「うちのエースなら倒してくれるからね」



 言葉が言い終えるのと同時に、二体にメナスは黒い塵となって消えていった。



「さぁこれで残り二体。悪いけど逃がしはしないわよ。海音がね」

「私に責任を全部押し付けるのはやめろよ!?」



 もはや恒例となりつつある海音のからかいの最中も、四人は一切油断する様子を見せていない。


 逆にメナスの方は、これまでとは違う効率の良い戦闘に、思うような戦いが出来ていないことを感じ取っていた。


 なまじ中途半端に知性を身に着けたために、本能的に現状での敗北の可能性を理解していたのだ。


 だからこそ、逃亡という行動に出るのも、ある意味必然的だと言える。



「そう来ると思って実は逃げ道塞いであるんだなぁ」



 それを視認した椿が、両腕の中指をパチッパチッ!と鳴らした。


 次の瞬間、どこからともなく現れた日本の金属の線が無数に現われ、メナスの行く手を塞ぐ。


 当然メナスはそれをどけるべく手をかざすが…



【────ッッッッツ!!??】



 その線に触れた瞬間、激しい閃光とともに、三体のメナスに一斉に電流が走った。


 目の前には何も無かったはずなのに、突如として出現れたために、超人的な身体能力を有するメナスも回避の選択肢は持つことが出来なかった。


 当然、この目の前に現れた罠は、椿の『鮮美透涼の誑惑(ラオム・クラルハイト)』によるものである。


 使用したのはステンレス製針金(1110円)と、圧電素子(『軍』改造版)。


 非常に安価に済ませられた椿ならではのトラップである。


 しかし、椿の『鮮美透涼の誑惑(ラオム・クラルハイト)』の強さはコスパの良さだけでなく、透過にもある。


 椿のグリットにより設置された罠は、その姿も気配も感じ取ることが出来ない。


 味方も椿が送るビーコンが無ければ設置された場所が分からない。


 撤退戦、混戦、奇襲など、様々な状況下においてその真価を発揮することのできる、ある意味最も戦闘に特化したグリットなのである。


 そして今回、以前の使い捨て電池とは違い、圧電素子を使用した圧電気によるシビレ罠であるため、麻痺の持続時間は更に長い。


 それだけの隙を、当然彼女達は逃さない。



「はい、これでお終い!」



 一人それぞれ二つずつ渡されていた『G(グリット)手榴弾(グレネード)』、それを更に七が『解析スキャン』し、『分裂コピー』分を合わせ、計16個ものグレネードが、身動きの取れないメナスの元へと投げつけられる。


 眩いばかりの爆発による閃光と、思わず耳を塞ぎたくなるような爆発音。


 そしてあとには爆破後の煙が立ち込めていた。



「や~戦闘痕ってのは写り映えしないなぁ…」

「だったらそっちじゃなくて私達を撮れば良いんじゃない?小隊初勝利って感じでさ」

「あ、それは確かに良いかも!でもまだキチンとした連携とか取れてなかったけど…」



 首を傾げる七に、椿が答える。



「別に全部の小隊が応用性の効いた連携をしなくても良いんじゃなないかなぁ。私達の場合シンプルイズベスト。各々の役割をしっかりこなすことが一番の連携なんじゃないかって思うよぉ」



 椿の言葉に、二人は確かにと頷く。



「こらぁ!!私を仲間外れにするなぁ!!」



 と、そこへ一人近接戦闘していた海音が、少し離れたところから声をあげていた。



「仲間外れになんてするわけないじゃない。ほら早く私の胸に飛び込んでベッド行きましょう?」

「なんか身の危険を感じるから言葉さんのところには絶対いかないかんなっ!!」

「…冗談よ冗談。ほら、帰りましょ」



 「なんだよ今の沈黙は…」とぶつくさ言いながら、海音が足を進めた時だった。



「…えっ?」



 海音の胸を、一筋の光が貫いていた。

※ここから先は筆者の後書きになります!興味のない方はどうぞ読み飛ばしてください!!






どうも琥珀です!!

先週は急遽お休みをいただき申し訳ありませんでした。お陰様でどうにかデータ移行をすることができ、執筆も少しずつ再開しております!


更新は今後も変わらず月と金の週2日になりますのでよろしくお願いします!!


本日もお読みくださり、ありがとうございました!!

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