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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
336/481

第302星:共同戦線

第一部:北海道 VS 中部 VS 近畿


◆北海道選抜メンバー


加我 真白

 北海道根拠地のエース。あらゆる武器の達人で、『シュヴァリエ』の一人である戦国 巴に憧れている。『グリット』は『投影武器オールマイティ・レプリカ』で、これまで使用・対峙してきた武器をイメージすることで、『エナジー』を使用しライン状にエネルギー体の武器を形成し生み出すことが出来る。


三雲 冴子

 北海道根拠地の裏エース。実力と行動で引っ張るタイプの真白に対し、言葉と知略で味方を引っ張る根拠地の顔。『移転瞬印(ムーブ・マーキング)』で、触れた箇所にマーキングし、自身、又は触れた味方ごとそこへ高速移動できる能力で、連続使用も可能。


能代(のしろ) (そそぐ)

 北海道の構成員の一人。物事に無頓着で、あまり意欲を見せないが、根拠地の面々は信頼しており、頼まれれば行動する。『グリット』は『緩徐侵冷(イロウジョン・ゼロ)』で、時間の経過とともに一定空間内の温度が徐々に下げる事が出来る。北海道メンバーが活動できるマイナス50°で止めることも可能。


真白 冷那 【脱落】

 北海道根拠地構成員の一人。北海道地方は一つしかないため選ばれたが、それでも選ばれた自負はあり、同時に選ばれた責任感を持っている。『グリット』は『氷凍結(フローズン)』で、空気中の水分を凍結させたり、放ったりする。能力としては氷雪地帯において真価を発揮するため、但し雪との相性は良い。『エナジー』切れにより脱落した。



◆中部地方


矢巾(やはば) アズキ 【脱落】

 静岡根拠地のエース。可憐でキュートであると自負する少女。実際それに見合うだけの外観もあり、それに実力も伴っているため人気は高い。『グリット』は『私を見つけて(プリティ・シュリンク)』で、サイズを1センチ程まで縮めることができる他、小さくなった分圧縮された攻撃を放てる。小柄になった時専用の『戦闘補具(バトルマシナリー)』、『可憐な翼(プリティ・ウィング)』がある。近畿メンバー、織田野々の攻撃により脱落。


小鳥遊 結華 【脱落】

 愛知根拠地のエース。極めて珍しい根拠地所属ながら実家暮らしという、育ちの良いお嬢様で純真無垢な人物。但しいつかはその家系を継ぐために、交渉などにおいては強かさを供える。『グリット』は『境界延離ボーダー・ディスタンス』で、エナジーの残滓を縦に引けば縦に、横に引けば横に空間がズレる特異系な能力。織田野々の攻撃により脱落。


鍜名(かじな) 剣美

 新潟根拠地のエース。剣術の達人で、『現代の上杉謙信』とも言わせしめる程の実力を持つ。口数は少ないが仲間への理解は深く、また情にも厚いため、仲間のことを第一とする。


長野 絵摩(えま) 【脱落】

 長野根拠地のエース。能天気ながら掴み所のない人物で、時に人をからかうお調子者。但し戦況を見極め、状況に応じた動きをするのが上手い。『グリット』は『具現絵化(ライブ・アクション)』で、描いた絵を実体化させる能力。精密に描けば描くほど精巧な作りの出来になる。織田野々の攻撃により脱落。



◆近畿地方


黒田 カナエ

 兵庫根拠地きっての智将。近畿の平穏にこの人有りとまで言われ、近畿では犬猿の仲である奈良や大阪の根拠地からも一目置かれている。『グリット』は『念通信(テレパシー)』で、自身のエナジーを飛ばして脳内に語りかけるものだが、それだけに留まらず、自身の考えを理解できるように断片的に送り込むことも可能。


射武屋 沙月

 奈良根拠地のエース。明るく前向きながら冷静で、矢の腕には自信がある。個性的なメンバーが揃う近畿メンバーを纏めるリーダーシップ性も備わっている。『グリット』は放った弓に様々な効果を付与する『付乗の矢アタッチメント・アロー』で、局面を打開する爆破や、壁を貫く高速の矢など、様々な場面に対応できる万能系の『グリット』。


真田 幸町 【脱落】

 京都根拠地のエース。猪突猛進、直往邁進の恐れ知れずで真っ直ぐな性格だが、基本的に素直な性格のため、止まれと言われれば止まる。また、無闇に突っ込んでも勝てる実力も備わっている。『グリット』は『直進邁進猛進(ストレートアクセル)』で、進めば進むほど加速していく。但し加速しすぎると自分でも見えず、立ち止まると徐々に効力を失う。『戦神』と化した剣美の攻撃を受け、脱落した。


織田 野々

 大阪根拠地のリーダー。傲岸不遜で唯我独尊で傍若無人。自分こそが次に選ばれる『シュヴァリエ』と疑わない。基本的に京都根拠地とは犬猿の仲で、特にリーダー格である武田晴風とは仲が悪いものの、忠実で真っ直ぐな真田はそこまで嫌っていない。傲慢な性格ではあるが、それに見合う器は持っている。

「……まさかこのバトルロワイヤルでの戦いで、こんな光景を目にするとは思ってなかったわ」



 真白はため息の中に笑みを交えながら一言溢す。



「ふはっ!遺憾ながら我もだ!だがこれもまた一興というものだろう!()()並び立てることを光栄に思うんだな!!」



 カナエが真白達に()()()()()()()のは、ほんの数分前のこと。






●●●






「は?共同戦線?」



 真白達のもとへやってきた近畿メンバー、その内の黒田カナエは、『戦神』剣美を討ち倒すべく、突如として共闘を申し出たのであった。



「はい!お宅らも、あの剣美さんを攻略できずに困っているでしょう?このままでは力押しで敗れてしまうのをご理解されているでしょう?」



 にっこりと営業スマイルを浮かべながら歩み寄るカナエを訝しげに見ながらも、的を射ている発言に、真白達は黙り込む。



「誠に遺憾ながら、私達もちっとばっかし手を焼いているのですよ!『戦神』となった剣美さんはまさに戦の神。真っ向から挑んで勝てるのなんて、『シュヴァリエ』くらいですからね」



 少しでも信頼を得ようとしているのか、自分達も手詰まり状態であることを明かし、真白達に歩み寄る姿勢を見せる。


 ハッキリ言えば、真白達にとっても魅力的な提案ではあった。


 真白と冴子の二人でも連携は取れるものの、やはり攻撃力的な面では不足している。


 そこに、冴子以上の智将であるカナエの戦略と、大阪根拠地のリーダー格である織田野々、奈良根拠地のエースである射武屋沙月が加われば、勝機は見えて来る。


 しかし…



「手段としては有りかもしれないけど…分かってるの?これはバトルロワイヤル。仮に私達が手を組んで剣美(かのじょ)を倒したとしても、勝利にはならないのよ?」

「分かってますとも」



 真白の問いに、カナエは即座に答えた。



「しかし、このままでは彼女に敗れてしまうのも事実。それならば、ここで今この時限りの同盟を組み、そして…」

「その後で、私達で決着をつけよう…というわけですか」



 カナエの説明の途中で意味を理解した冴子が続けると、カナエはコクリと頷いた。


 真白と冴子は僅かに考えた後、二人で見つめ合い頷くと、結論を出した。






●●●








 そして、今に至るわけである。


 カナエの提案を受けた理由は二つある。


 一つは、カナエの言う通り、手を組むことで『戦神』剣美を倒せる可能性が高まること。


 火力不足を感じていた真白達にとっては、願ったり叶ったりの条件であったからだ。


 そしてもう一つは、この同盟におけるデメリットがほとんどないと言うこと。


 両者の目的は剣美を倒すこと。そしてそこから先は同盟が破棄され、北海道と近畿の戦いになる。


 その時、有利になるのは北海道地方側である。


 何故なら、互いに消耗した状態であろうとも、フィールドを支配し、優位に立てるのは自分達だからである。



「(稀代屈指の智将がそんな分かりきったことを放っておくわけがない。何か策はあるんでしょうが…)」



 悩みながらもこの提案を受け入れた冴子は、一抹の不安を覚えながらも、この共同戦線に、一旦意識を集中させる。



「うちの沙月が彼奴の射程圏外から攻撃を仕掛け、動きを鈍らせる。その隙に我と貴様で攻撃を仕掛け、彼奴の隙を突く。単純だがこれしかあるまい」



 野々の提案に、真白も異論は無く頷く。



「その前に、貴方の背中を失礼します」



 そういうと、冴子さ野々の背中にソッと触れた。すると、その背中に、雪の結晶のような刻印が刻まれた。



「なんだ、これは」

「私が『グリット』を発動する時に必要な『マーキング』です。それがあれば、緊急回避が必要な時に私が高速移動で貴方を抱えて一度距離を離すことが出来ます」

「…はん!なるほどな」



 それは同時に、同盟破棄後に背後を取られるリスクを背負ってしまったことを意味するが、共同戦線を提案した側として、一先ず野々はこれを受け入れた。



「準備は良いな。沙月が攻撃を仕掛けたら我々の出番だ。早速この『マーキング』による仕掛けを試して貰おうじゃないか」



 そう言うと、野々は自身の戦闘補具(愛刀)である、『()し斬り長谷部』を構える。


 真白も、自信が一番得意とする双剣を携え、攻撃のタイミングを今か今かと待つ。


 その両者の両肩に冴子が肩を乗せ、高速移動を行なうタイミングを図る。


 この間、剣美は身動き一つ取らなかった。


 剣美の攻撃手段が、その場に留まり瞬時に断ち切る居合であることもあるが、自分から寄らずとも向かってくることを理解していたからだ。


 そして、その身動き一つしない剣美に、少し離れた位置に立っていた沙月がグッと矢の弦を引き、狙いを定める。



「…行くわよ!!」



 ピュッ────


 という音ともに放たれた矢が真っ先に剣美に向かっていき、これを切り払おうとした時だった。


 矢の先端の刃の部分が弾け飛び、無数の刃の破片となって襲い掛かった。



「…遅い。毘沙門抜刀・神速(カミク)



 が、抜刀した剣美はこれを当然のように全て切り払う。


 しかし、当然沙月もこれで仕留められる等とは毛頭思っていない。


 本人にとってはほんの僅か、しかしそれでも確実に削がれた意識。


 その隙をついて、冴子は『移転瞬印(マーキング・ムーブ)』を発動。


 刃を鞘に納めた瞬間に、二人を剣美の側まで高速移動で運んでいた。



「シッ!!」

「せぇあ!!」



 そして、攻撃を終えたばかりの剣美目掛け、二人が刃を振るった。



「カミク」



 しかし、剣美の抜刀はそれでも尚二人の攻撃に追いつき、これに対応していた。



「このタイミングで追いつくか!!化け物め!!」

「口動かしてないで手を動かしなさい!!二人でも押し負けてるわよ!!」



 連続で繰り出される攻撃を、二人がかりでどうにか捌いていく。



「毘沙門抜刀・神撃(カゲキ)



 二人で攻勢を続けている最中、ふと、剣美の太刀筋が一瞬変わる。



────バギィ!!



「はっ!?」



 その剣美の刃が真白の武器に触れた瞬間、真白の双剣は粉々に砕けた。


 完全に無防備になった真白に剣美の猛威が迫るが、その直後に冴子が近寄り、『移転瞬印(マーキング・ムーブ)』で距離を取らせる。


 距離を取って直ぐに真白は再び武器を作成するものの、頭には武器を砕かれたイメージが残っていた。



「(あの切り合いのなかで、私の攻撃に合わせながら強力な打撃を両側面から衝突させて、私の武器を破壊した!?どんな剣速してるのよ!!)」



 驚愕、そして感心。その両方の感情に板挟みになりながら、真白は再び気持ちを剣美へと向けた。



「冴子!!次武器破壊されても逃さなくて良いわ!!」

「え!?でもそれじゃ…」

「良いの!!次の攻撃が来る前に生成してみせる!!じゃなきゃ彼女には届かない!!」



 剣美の圧倒的な強よさに引っ張られているのか、真白はいつもより興奮気味な様子であった。


 真白が戦闘でここまで楽しそうな様子を見せるのは珍しく、冴子は戸惑いに近い感情を覚えていた。


 それでも、真白(エース)が言うのなら、と信頼し、再び真白を剣美と元へと送り込んだ。



「二人がかりで、しかもこの気温、長期戦という環境で、息の一つも上げんのか!!正真正銘の化け物、否、『戦神』の名に相応しい奴よな!!」



 真白が戻ってくるまでの間、一人で剣美と斬り合い続けていた野々は、自身の強さを自負しながらも、剣美の強さもハッキリと認めていた。



「お待たせ!!」



 間も無くして真白が戻り、再び二人がかりで剣美を攻め込む。



「クハッ!!武器は折られても心は折られなんだか!!貴様もエースに相応しい奴よな!!」

「ありがとさん!!生憎これくらいで心折れるほど甘い環境で育ってないんでね!!」



 口は話しながらも切り合いは止めない。


 もはや狂気のような域に達しつつあったが、そんな状況下にありながら、三者による斬り合いは、互いに互いを高め合っていた。


 野々、真白共に斬り込む鋭さは増していき、ただただ圧倒されていた当初の雰囲気は無くなり、まともに斬り合うまでになっていた。



「(強さに、引っ張られる!!私にも、こんな戦いが出来たんだ!!)」



 戦いの中で成長を実感している真白は、戦いにおける喜びを強く感じていた。



「もっと……もっと早く!!もっと鋭く!!」



 その言葉に釣られるように、確かに鋭くなっていく真白の刃。


 そしてその刃が、遂に剣美の剣を乗り越え────

※後書きです






ども、琥珀です


連続投稿も終わり、何とか生存しています。


皆さん髪の毛の長さって意識されてますか?

勿論男女によって違いはあるでしょうが、私は自分の髪が長くなるのがとにかく嫌です。


それはもう極端で、美容院いって数週間経ち、髪の毛に重みを感じたら嫌だレベルです。

カット自体もかなり短く切ってもらってるので、尚更そう感じやすいのかも知れません…


坊主で良いと思ってるのですが周囲の反対に合い…

いっそ長髪にして後ろで結おうかな…


何の話やねんって話でした。


本日もお読みいただきありがとうございました。

今週からはこれまで通り、月・水・金の週三回更新に戻りますので宜しくお願いします。

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