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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
2章 ー小隊編成編ー
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第32星:連携

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。新しい環境で新しいことに挑もうとするが…?


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めているが、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『天照す日輪イノセント・サンシャイン』を覚醒させ、仲間の命を救った。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。戦場に現れた妹の朝陽の危険にいち早く勘付き重傷を負う。現在は療養中。


樹神 三咲 (22)

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。


佐久間 椿(22)

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。


【朝陽小隊】

譲羽 梓月 (23)

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。


久留 華 (22)

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。


曲山 奏(20)

明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。

「い、いくって…私はどうすれば?」



 準備が整ったのを察したものの、自分のすることが分かっていない小隊長の朝陽は、槍を抱えたままオロオロしてしまう。



「んふふ。大丈夫、朝陽ちゃんがするのを至極単純なことだよぉ」



 華は指を一つ立て、その指を真っ直ぐ奏へと向けた。



「朝陽ちゃんの強めの光線を、()()()()()()()()()()()()

「……………は?」



 混乱による長い沈下の末、ようやく絞り出した言葉だった。



「え…ええっ!?な、何言ってるんですか華さん!!そんなこと出来るわけ…」

「さぁ、いらっしゃい朝陽さん!!」

「なんで乗り気なんですか奏さん!!」



 戦場であるにもかかわらず、朝陽は思わず突っ込みを入れてしまう。


 しかし突っ込みたくもなる。


 まさか自分の『グリット』を味方に撃てと言われるなど、想像出来るわけがない。



「大丈夫だよぉ朝陽ちゃん。私にはちゃあんと作戦があるからぁ。だから…」

「だから、信じて撃ってください朝陽さん!!」

「うぅ…でもぉ…」



 尚も朝陽は戸惑うがそれも当然だ。


 味方に攻撃しろと言われて躊躇わない者はいない。



『朝陽さん、私達【グリッター】は一人ではメナスに及びません。【グリット】と、信頼できる仲間がいるからこそ、立ち向かうことができるのです』

「梓月さん…」

『私は朝陽さんを、そして皆を信じています。ですからどうか…朝陽さんも私達を信じてください』



 梓月の言葉に、朝陽は一度目を閉じ大きく深呼吸する。


 まだ躊躇いはある。それでも、梓月は朝陽を信じていると言ってくれた。


 だからこそ、朝陽も信じるべきだと思った。


 そして、その信頼の証を、行動で示す。戦闘開始前に、3人に言われた通りに。



「分かりました!私も皆さんを信じます!!」



 目を開き、朝陽は自身の周囲に『六枚刃(フリューゲル)』を展開しゆっくりと槍を奏の方へと構えた。



「…奏さん、行きます!!」

「はい!!どうぞ朝陽さん!!」

「行くよぉ梓月。準備は良いねぇ?」

『お任せ下さい』



 四人の意思が一つに揃う。そして朝陽が叫んだ。



「『光の矢よ(プフェイル)』!!」



 展開された六枚刃から、一斉に光の矢が放たれる。


 槍から放たれた矢も含め計7発。その矢が真っ直ぐ奏の方へと向かっていく。


 そしてその矢が奏に届く直前で、それまでメナスの方を向いていた奏が振り返る。


 そして向かって来た矢に向かって手を振りかざした。



「『目的地変更デスティネイション・フォールド』!!」



 奏も『グリット』を発動。


 朝陽の矢は奏から逸れ、四方八方へと飛散していく。


 それと同時に、全員の耳元から梓月の声が響く。



「『念力操作ユニヴァ・コントロール』!!」



 その声と共に現れたのは、無数の小さな鏡のようなものだった。


 その鏡は、何処からともなく飛翔し、『メナス』を囲うようにして空中に留まる。



「あ、あれは…【耐熱反射鏡ゲトゥルト・シュピゲール】!?」

「ん〜ん、違うよぉ」

「あれは【偏光反射鏡リベルベロ・シュピゲール】!!光線に耐える戦闘補具(バトル・マシナリー)ではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」



 奏の説明通り、『目的地変更デスティネイション・フォールド』によって四方八方に散っていった朝陽の『光の矢(プフェイル)』が、【偏光反射鏡リベルベロ・シュピゲール】によって全て跳ね返される。


 その全てが、()()()()()()()()



【────ッ!?】



 全方位からの一斉攻撃。息を呑む間も無く、メナスの体を貫いていった。



「や、やった!!」

「いえ、まだです!!」



 朝陽が喜んだのも束の間。


 無数の光線は五体のメナスを貫いたものの、最後の一体を逃していた。



「一体逃しましたか!!やはりぶっつけ本番では完璧とはいきませんね!!」

『ですが、五体も一気に倒せたのは僥倖と言えるのではないでしょうか』



 取りこぼしがあったとはいえメナスの数は一体のみ。対して朝陽達は四人。


 既に勝敗に関しては決していると言っても良いだろう。


 生き残ったメナスもそれを感じ取っているのか、撤退する構えだ。


 既に体は宙に浮き、朝陽達に背中を向け始めている。



「…!!メナスが逃げます!!私の攻撃で追撃を…!!」

「その必要はありませんよ朝陽さん!!」



 『光輝く聖槍ブリリアント・ヘレバルデ』を構える朝陽を、奏の手が制止する。



「ど、どうしてですか!?このまま取り逃がしたまた分裂して…」

『大丈夫ですよ朝陽さん。メナスの数を減らし、逃亡を始めた瞬間から、私達の戦いの結末は決まっています』



 二人の言葉をまだ理解できずにいた朝陽だったが、その答えは華が持っていた。


 いや、正確には、華が手に握る小型のポットが持っていた。



「うふふ、ダメだよぉ戦闘中に敵に背を向けたら」



 華は小型のポットの蓋に手を乗せ、ゆっくりと蓋を開いていく。



「さて問題。このポットの中には何を圧縮して保存してあるでしょうか?」



 華のポットは、例えればメモリーカードの役割を担っている。


 圧縮した状態を維持するには当然エナジーを消費し続ければならないが、このポットはその圧縮した状態を、中にしまうことで保存することができるのである。


 保存できる物質(データ)は二つまで(同一のモノはカウントしない)。


 また、華自身がどのポットに何を保存したかを把握するため、ポットの数は四つになっている。


 最大で八つまでの物質を保存して置くことが出来ると言うわけである。



「正解はぁ、()()()()()()()()()()()()()()()



 ただし、データの圧縮と違い、物質の圧縮解放時には、圧縮された反動によって強力な反発力が発生する。


 華の『グリット』による圧縮も例外ではなく、当然圧縮したモノを解放する際にはソレが発生する。つまり…



「これ、お返しするねぇ~」



────ピュン… ────


 レーザーを解放すれば、それはほんの一瞬、光速さえも超える矢となるのである。


 背中を向け、逃亡していたメナスがどうなったのか、それは言うまでもないことだろう。





●●●





「…!司令官、朝陽小隊から報告。メナスの殲滅を完了したとのことです」



 朝陽小隊から届いた伝聞を、咲夜は笑みを浮かべて報告する。



「す、すごい!!個体数で言えば一番多かったのに、交戦してから10分足らずで…」



 そのメッセージは夕にも届いていたが、信じられないような、同時にその凄さに興奮した様子を見せていた。



「朝陽小隊には夜宵君と同じくらい場数を踏んできたベテランが配置されている。それに加え、この根拠地でいま最も爆発力のある朝陽君と組ませたんだ。彼女達が本来の力を発揮できれば、決して驚くことじゃない」



 それでも、大和の口元は小さく微笑んでいた。


 連携、勝利、そして生存。


 およそ大和が追求してきた結果が、いま報告されたのだ。


 頭では理解していても、それが現実となったことは嬉しかった。



「…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、上手く言ったようですね」



 咲夜はモニターを見つめながら、ソッと呟いた。


 その呟きに、大和は僅かに目を開いた後、苦笑いを浮かべた。



「なんだ、知っていたのか」

「えぇ、勿論です。普段彼女達を鍛えているのは誰だと思っているんですか?」



 咲夜の言葉に、大和は「参ったね…」と呟く。


 基本的に、大和は彼女達の連携面に口出しはしない。


 その辺りは咲夜が得意とする分野であることと、自分達自身が得意とするスタイルにまで口を出すのは過干渉であると考えているからだ。


 但し、今回に限っては別である。


 小隊編成の案を切り出したのは大和自身であるからだ。


 当然、小隊のメンバーには各々のグリットとの掛け合わせを踏まえて選別している。


 しかし、実際にそのメンバーで実戦をこなす機会を与えることができなかったからには、そのきっかけを与える必要はあると考えたのだ。


 その一例が、朝陽達のグリットによる連携技だ。


 直接的な攻撃方法を持たないグリットも、使い方次第で直接的な攻撃方法を持つグリットを活かすことができる。


 その考え方を持つためのきっかけを大和は与えていた。



「(勿論、全ての模範解答を教えたわけじゃないんだけどね。でも、彼女達はそれを消化し、見事一つの完成形へと導いた。これは流石、と言ったところだね)」



 これは、隊長として夜宵には出来なかったことの一つである。


 夜宵は隊長としてモチベータには優れていた反面、連携面や戦術面はあまり得意としていなかった。


 いや、そこまでの余裕がなかった…と言えるだろう。


 夜宵は隊長としての使命を大きく超える役割を担わされていた。


 作戦の立案や隊全体の統一、情報統制など、大部分は指揮官が担うべき役割だ。


 その全てを夜宵に押し付けておいて、夜宵の責任であるとは言えないだろう。


 少なくとも大和が夜宵を責めるつもりなど毛頭ない。寧ろ賞賛に値するとさえ考えている。


 だからこそ、今回の面ではその差が如実に表れている。


 戦場には戦場の隊長が、戦況に応じた戦術は指揮官が、そしてその統括は司令官が。


 役割を分けることでより明確に効率的且つ効果的な戦闘が行えているのである。


 同時にそれは、夜宵が復帰した際に更なる効果をもたらすことができることを示唆していた。



「…!!司令官報告です!!朝陽小隊に続き、椿小隊もメナスの殲滅に成功したそうです!!」

※ここから先は筆者の後書きになります!興味の無い方はどうぞ読み飛ばして下さい!!






どうも琥珀でございます!!


私ラーメンに目がなくて、三食ラーメンでもいけるのですが、中でも油そばが好きなんです!!


マイナーなラーメンかもしれませんが、ラー油、お酢、そしてニンニク!!これらを混ぜた時のあの美味しさは堪らないです…


ちなみに油そばの味によってはご飯があるとまた別次元の美味しさなんですよ


皆様どうぞ一度は食べてみてください!!

…え?なんの後書きなんだって?…すいません、私の好みの話です…

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