第288星:黒田 カナエ
第一部:北海道 VS 中部 VS 近畿
◆北海道選抜メンバー
加我 真白
北海道根拠地のエース。あらゆる武器の達人で、『シュヴァリエ』の一人である戦国 巴に憧れている。
三雲 冴子
北海道根拠地の裏エース。実力と行動で引っ張るタイプの真白に対し、言葉と知略で味方を引っ張る根拠地の顔。
能代 雪
北海道の構成員の一人。物事に無頓着で、あまり意欲を見せないが、根拠地の面々は信頼しており、頼まれれば行動する。
真白 冷那
北海道根拠地構成員の一人。北海道地方は一つしかないため選ばれたが、それでも選ばれた自負はあり、同時に選ばれた責任感を持っている。
◆中部地方
矢巾 アズキ
静岡根拠地のエース。可憐でキュートであると自負する少女。実際それに見合うだけの外観もあり、それに実力も伴っているため人気は高い。専用の『戦闘補具』、『可憐な翼』がある。
小鳥遊 結華
愛知根拠地のエース。極めて珍しい根拠地所属ながら実家暮らしという、育ちの良いお嬢様で純真無垢な人物。但しいつかはその家系を継ぐために、交渉などにおいては強かさを供える。
鍜名 剣美
新潟根拠地のエース。剣術の達人で、『現代の上杉謙信』とも言わせしめる程の実力を持つ。口数は少ないが仲間への理解は深く、また情にも厚いため、仲間のことを第一とする。
長野 絵摩
長野根拠地のエース。能天気ながら掴み所のない人物で、時に人をからかうお調子者。但し戦況を見極め、状況に応じた動きをするのが上手い。
◆近畿地方
黒田 カナエ
兵庫根拠地きっての智将。近畿の平穏にこの人有りとまで言われ、近畿では犬猿の仲である奈良や大阪の根拠地からも一目置かれている。
射武屋 沙月
奈良根拠地のエース。明るく前向きながら冷静で、矢の腕には自信がある。個性的なメンバーが揃う近畿メンバーを纏めるリーダーシップ性も備わっている。
真田 幸町
京都根拠地のエース。猪突猛進、直往邁進の恐れ知れずで真っ直ぐな性格。どんな敵にも真っ向から挑むため時に窮地を招くが、基本的に素直な性格のため、止まれと言われれば止まる。また、無闇に突っ込んでも勝てる実力も備わっている。
織田 野々
大阪根拠地のリーダー。傲岸不遜で唯我独尊で傍若無人。自分こそが次に選ばれる『シュヴァリエ』と疑わない。基本的に京都根拠地とは犬猿の仲で、特にリーダー格である武田晴風とは仲が悪いものの、忠実で真っ直ぐな真田はそこまで嫌っていない。傲慢な性格ではあるが、それに見合う器は持っている。
立ち上がりは非常に静かであった。
第一戦ということもあってか、各地方ともに互いの状況を測っているようであった。
「仕掛けてこないね。こうなってくると初手が大事になってくるかしら」
物陰で様子を見ながら呟いたのは、北海道根拠地のエース、加我 真白。
周囲を見渡し、敵が近づいて来ていないかを警戒していた。
「そうですね。お互い能力は知りつつも、連携や攻撃手段が読めませんから、最初は慎重になるでしょう」
答えたのは北海道根拠地における真白の相方、三雲 冴子。こちらは情報を整理しながら最初にとるべき行動を考えていた。
「でも貴方ならどうすれば良いか直ぐに考えつくでしょう?」
「いつもなら。でも、今回はちょっと状況が違うんです」
困った様子で苦笑いを浮かべる冴子に、同じく北海道根拠地所属の能代 雪が首を傾げる。
「状況が…違う?どう…違うの?」
透き通るような美しくハスキーな声で尋ねると、冴子は困ったような、震えるような表情で答えた。
「私一応、北海道では智将みたいな扱いになっていますけど、あくまで真白とか雪とか、皆さんがいてくれて、皆さんのことを知ってるから出来ているわけでして…」
珍しく要領を得ない口籠った受け答えに、北海道根拠地の最後のメンバーの一人である白石 冷那が再度尋ねた。
「らしくない、ですね?いつもなら直ぐに指針を示して下さるのに」
「アハハ、確かにそうかもね。でもさっきも言ったように、今回は状況が色々と違うんだよ。なかでも一番の問題は…」
冴子は言葉の途中で、恐らく敵が隠れているであろう方に視線を向けながら、呟くような声で伝えた。
「相手に、あの黒田カナエがいるからかな」
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『グリッター』、特に『大輝戦』という舞台の選抜では、対『メナス』を相手にした時の討伐数などが参考にされる。
無論、例外はあるが基本的にはこの数字が基盤となるだろう。
しかし、兵庫根拠地の黒田カナエは、この例外に当てはまる数少ない人物である。
「どこも様子見をしてくるのは間違いない。特に北海道根拠地の冴子は良い頭を持ってる。慎重を期すだろうね」
変動したフィールドはリアルで、岩だけの造形物だけでなく、地面もそれに近いものに再現されていた。
その砂利の地面に、カナエは指を使いものすごい速度で図面らしきものを描いていく。
「さて諸君。最終確認だ」
完成した図面を、近畿地方選抜ではメンバーが覗き込む。
「戦力図はこんな感じだ。まず北海道地方の強みはなんと言っても連携。地方などとは謳っているが、実際は同じ根拠地。互いの相互理解や連携力は雲泥の差だ。特にウチとはね」
カナエが「クックック」と悪戯っぽく笑うと、メンバーの一人である織田 野々が不快そうな目でカナエを見る。
「おい、やめよその目、その笑い。見て聞いていて腹が立つ。本来ならば我一人で十分なところを、貴様の話だからと聞いてやってるのだ。さっさと続けろ」
織田 野々は自信家である。
しかしそれを裏付ける実力とカリスマ性の持ち主で、大阪根拠地のリーダーとしても認められている。
傲岸不遜で唯我独尊、傍若無人な性格で自分こそが次に選ばれる『シュヴァリエ』と疑わない程である。
そんな野々が耳を傾ける程に、野々はカナエの事を認めていた。
「失礼失礼…ククッ!京都根拠地を嫌う貴方との差を考えると思わず笑いがね。えぇえぇ、続けさせていただきますよ」
溢れでる笑いをどうにか堪え、カナエは確認を続ける。
「北海道地方としての強みは今話した通り。個人に目を向けると、まぁどれも選抜メンバーなんで猛者なんですが、特に気をつけるのはこの二人」
カナエは図面の近くに書いておいた名前のうち、二人に丸をつける。
「まずは加我 真白。あらゆる武器に精通した達人で、『エナジー』で創り出した武器を使用して近接戦闘を仕掛けてくる実力者。余計な情報は省きますが、近接戦闘に持ち込まれると厄介なのは間違いなしです」
あくまで強者であると位置付けながら、カナエは真白にばつ印をつける。
「逆を言えば遠距離戦はそこまで得意にしてません。一応遠距離に適した武器を作り出して『エナジー』による攻撃は可能ですが、牽制程度。私達ならかわすのは容易でしょう」
カナエは「それに…」と続ける。
「仮に近接戦闘に持ち込まれても、こちらには真田さんがいらっしゃいますからね〜。いざと言うときは対応できますでしょ」
「はい!!一切合切お任せ下さい!!」
織田やカナエが思わず片耳を塞ぎたくなるほどの大声で返事を返したのは、京都根拠地のエース、真田 幸町。
今のやり取りだけで分かるように、元気さが取り柄で、猪突猛進、直往邁進の恐れ知れずで真っ直ぐな性格をしている。
どんな敵にも真っ向から挑むため時に窮地を招くこともあるも言われているが、基本的に素直な性格のため、止まれと言われれば止まる。
また、無闇に突っ込んでも勝てる実力も備わっているために、ある意味で長所であり強みであるとも言えるだろう。
「ふん。カナエ、私は先に我が京都根拠地を嫌っていると言ったがそれは間違いだ。我が嫌っているのは向こうのリーダーである武田晴風のみ。少々やかましいがこの幸町のことは嫌っておらん」
実は貶されていながらも褒められていると思っている幸町は、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「しかしそれならば鼻から近付かなければ良い話ではないか。ちょうどそこに弓鉄砲の輩がいるわけだしな」
野々が目を向けた先で、弓鉄砲と呼ばれた女性、射武屋 沙月がムッとした様子で野々を見る。
「弓鉄砲なんて失礼しちゃうな〜これでも奈良根拠地ではエースの名、張ってるんだからね?」
いま自分で言ったように、沙月は奈良根拠地のエースである。
明るく快活な性格で、自信家でもある。
得意としてるのは弓術で、味方の援護は勿論、『メナス』を仕留める役割まで担う、エースの名にふさわしい活躍をして来た人物である。
「ふん、まぁ精々期待しておくとしようか。貴様が対抗心を燃やしている矢武雨 瑠河とやらも今回選ばれているようだしな」
そして、同じ弓使いでる矢武雨 瑠河に非常に興味を持ちながら、同時に対抗心を燃やしていた。
同じ部で戦えなかったのを残念がってはいたが、だからこそ次の舞台で戦えるように、この一戦に対する意気込みは強かった。
「まぁその通りで、近付かせない戦術を取るなら沙月さんに頼るのが一番ですわな。近接になれば幸町さん、遠距離なら沙月さんを徹底すれば抑え込むのはそう難しい事じゃない。問題はもう一人の要注意人物」
カナエはもう一人、丸で囲った人物を指差す。
「三雲 冴子。実力と行動で引っ張るタイプの真白に対して、言葉と知略で味方を引っ張る根拠地の顔。正に裏エースです」
ふむ、と一同は頷く。
「私ほどじゃないですがね、彼女も頭が切れる上に『グリット』が厄介。彼女の『移転瞬印』は、触れた箇所をマーキングして、自身、又は触れた味方ごとそこへ高速移動できる能力。混戦になるであろうこのバトルロワイヤルでは滅茶苦茶厄介な能力ですよ」
「気付けば目の前に真白とやらが現れる可能性があるということか。確かに厄介だ」
野々も認める厄介さに、分かってるのか分かってないのか幸町もうんうんと頷いている。
「なんでまぁ兎に角本格的な戦闘が始まったら、出来るだけ冴子さんの動きには注視してて下さいな。特に冴子さんの近くに真白さんが来たときは、ね」
「そんな厄介なことになる前に、我の『グリット』で一掃してしまえば良いのではないか?」
物騒な発言に、カナエは「ん〜」と猫目で唸ったあと、身体の前にバッテンマークを作った。
「そりゃちょっとダメですな。野々さんの『グリット』は強力無比で、確かに今すぐこの戦いを終わらせる事が出来るかもしれないですが…」
今度は首を傾げながら、カナエが考えの話を続ける。
「野々さんの『グリット』は目立つが故に奇襲には向いてないんですわな〜。加えて失敗した時のリスクもデカい。バトルロワイヤルが一日だけならまだしも、明日も続くとなると、出来るだけ温存しておきたいんですよ。うちの切り札ですからね」
カナエの発言に特に異論は無いようで、野々は「ふむ…」とだけ呟きそれ以上は何も言わなかった。
「さて、このまま中部の方のおさらいもしておきたいところですが、私の予想ではそろそろ……」
カナエがそう呟いた瞬間、近畿メンバー近くの岩がスパッ!と断ち切られた。
※後書きです
ども、琥珀です
連続投稿三日目です。
ストックはまぁ…何とかなるでしょう!←
そういえば私の地域は滅多に雪が降らないんですが、珍しく先日チラチラっと雪が降ったのですよ。
久々の雪に興奮しつつ、子供の頃とは違って通勤の恐怖を覚えましたね。
雪、怖い…
本日もお読みいただきありがとうございました。
明日も朝更新されますので宜しくお願いします。




