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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
10章 ー開幕:『大輝戦』編ー
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第277星:エスコート

国舘 大和(24)

 千葉根拠地の司令官として配属された青年。右腕でもある咲夜とともに指揮をとりつつ、根拠地内の環境面、戦術面、待遇面の改善にも取り組み続け、『グリッター』達からの信頼を勝ち得た。実は関東総司令官という立場であるが、それを隠している。


早乙女 咲夜(24?)

 常に大和に付き従う黒長髪の美女。一度は誰しも目を奪われる美貌の持ち主。落ち着いた振る舞いながら、時に優しく、時に厳しく『グリッター』を導く。その正体は100年前に現れた伝説の原初の『グリッター』本人であり、最強の戦士。


斑鳩 朝陽(18)四等星

 千葉根拠地に所属する少女。自分に自信が持てない面もあるが、明るく純心。大和と出会い『グリッター』として覚醒。以降急速に成長を続け、戦果を上げ続ける。力不足を痛感し、咲夜に弟子入りを志願する。


斑鳩夜宵(22)三等星

千葉根拠地に所属する女性。実力もさながら面倒見の良い性格で仲間からの信頼は厚いが、妹の朝陽には弱い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は夜宵小隊の小隊長を務める。その身には謎の人物の心が潜んでいるようだが…?


望生(16)

大和達の前に現れたメイド服姿の美少女。無表情ながら礼儀正しく、『大輝戦』のため最高本部へ訪れた大和達一行を迎えエスコートする。大和や咲夜、飛鳥には他者には見せない友人以上の表情を見せる。

「千葉根拠地の皆様、心よりお待ちしておりました」



 大和達が東京最高本部に到着するや否や、四人を出迎える人物、望生が立っていた。



「望生さん!貴方がお迎えに来てくださるだなんて」



 珍しく真っ先に反応したのは咲夜だった。そして同じように、感情の起伏の少ない望生もニコッと笑みを浮かべ、咲夜へ歩み寄った。



「咲夜様、大変お久しゅうございます。お元気そうで何よりで御座います」



 礼儀の正しさは変わらず、両手を膝の前に置き、丁寧な所作でお辞儀をする。



「ふふっ、貴方は何も変わらない……いいえ、()()()()()()()()()()()()



 嬉しそうに微笑みながら、これもまた珍しく、咲夜は優しく望生を抱きしめた。


 望生も照れながらこれを受け入れ、抱きしめ返した。


 大和と朝陽がこれを微笑ましく見るなか、唯一事情を知らない夜宵がそっと二人に尋ねる。



「えっと…二人はどういった?」

「あぁ、彼女は望生。ボクと咲夜の古い友人…いや、家族でね。ボク達が『軍』に入るまで一緒に暮らしてたんだ」



 夜宵は成る程と言った様子で頷く。



「ボクと朝陽君は以前召集の命令があった時に会ってるけど、咲夜はその時居なかったからね。一年近くぶりに会うことになるんじゃないかな」

「なるほど…それで…」



 望生は咲夜から離れると、再度深く頭を下げた。



「改めまして、ようこそいらっしゃいました千葉根拠地の皆様。『大輝戦』の期間中は私が皆様をエスコートさせていただきます、望生と申します。宜しくお願い致します」






●●●






 以前と同じく、望生は用意された車に朝陽達を乗せ移動し、およそ30分ほどで最高本部に到着した。



「開会式まではまだ時間がございますので、休息にお使いいただく控室にご案内致します」



 車を降りると直ぐに別のものが車を移動させ、望生は大和達をエスコートする。



「じゃあボクはここで。三人を頼んだよ、望生」



 と、そこで大和は唐突に四人に別れを告げる。



「えっ!?司令官はご一緒されないんですか?」

「あぁ、ごめんよ。ボクは【大輝戦】中は司令官同士の集まりがあってね、一緒にはいられないんだ」

「そう…なんですか…」



 露骨に寂しそうな表情を見せる朝陽に、大和は苦笑いを浮かべると、ポンポンと頭を撫でた。



「許しておくれ。けれど本番中は必ず君のことを見ているから。だから、思いっきり戦っておいで」

「〜〜〜ッ!!はい!!」



 朝陽は満面の笑みを浮かべ、深く頷いた。



「じゃあ望生、頼んだよ」

「はい、ご主人様。お任せください」



 それだけ言い残すと、大和は側に寄ってきた黒服姿の二人組と一緒にその場をさっていった。



「ではこちらへ」



 大和を見届けた後、望生達もその場を後にした。






●●●






「お部屋はこちらになります。部屋数は三つ用意してございますので、個別でも共同でもお好きにお使いください」



 望生に案内された先の部屋は、控え室と呼ぶにはとても広く、そして豪勢であった。



「え、ええ!?こ、これで個室!!それにこんな豪勢な……ほ、ほんとに使って良いんですか?」



 朝陽が驚くのも無理は無い。


 テレビやエアコンなどの家電品はもちろん、高級そうなソファーやベッド、ティーセットなど、もはやホテルのような待遇であった。


 夜宵も過去に同じような想いをしたために懐かしさと苦さから苦笑いをしながらも、二度目とはいえやはり馴れない豪勢さに圧倒されていた。



「勿論でございます。朝陽様はご自覚が無いかもしれませんが、『大輝戦』の選抜メンバーに選ばれるというのは、これに値するほどの名誉なので御座います。ですから、どうぞ気兼ねなくご利用ください」



 望生はキチンと説明を果たすと、これ以上は自分は必要ないと判断し、一礼して部屋を後にしようとする。



「望生」



 そんな望生を、咲夜が呼び止める。



「今日は又とない機会です。直ぐには無理ですが後で時間を作ります。その時間に私の部屋へ来て下さい。少しお話ししましょう」



 咲夜にそう話されると、望生は無表情ながら見て分かるほどに嬉しそうな雰囲気を醸し出し、「はい」と頷いた。


 そしてそれで思い出したのか、去る前にもう一つ朝陽達に説明を付け加える。



「『大輝戦』の本番は明日になります。本日中に確定したルール等が皆様のお手元に届くかと思いますが、その辺りの案内も含め、皆様の滞在中の身の回りのお世話は私が仰せ使っておりますので、ご用命の際はいつでもお呼びください」



 それだけ告げると、望生はしっかりと一礼し、今度こそ部屋を後にした。



「さて…せっかくのステキなお部屋ですが、明日の開催に向けて最終ミーティングをしましょう。宜しいですか?」

「「はいっ!!」」



 浮かれていたのも束の間。咲夜と朝陽達は、室内に用意された椅子に腰掛け、ミーティングを行なっていく。



「まずは基本的なルールの確認です」



 用意された資料を広げ、朝陽達はそれに目を向ける。



「本来の『大輝戦』はシューティングやテクニカルな様々な種目を通してptを競い合うものでしたが、()()()、強くなりつつある『メナス』への対策と向上を兼ねて、今回はバトルロワイヤル形式へと変更されました。ここまでは宜しいですね」



 一部の表現は気になったものの、いま汲み取れないということは、余計な情報だと判断し、朝陽も夜宵も追求することなく頷いた。



「さて、変更点はもう一つあります。それは地方が追加されたことです。これも資料に目を通しているので頭に入っているかと思いますが、通常の八つの地方に加え、関東地方からは独立して『東京本部』という枠が追加されています」



 各地方のメンバー一覧表が出される中、異色の名前を見せる『東京本部』のメンバーに朝陽は首をかしげる。



「どうしてわざわざ『東京本部』という形で枠を増やしたんでしょう?まぁそのお陰でお姉ちゃんはともかく私は選ばれることが出来たと思うんですけど…」

「それは謙遜し過ぎでしょう朝陽。この枠が無かったら順当に選ばれてたのは貴方よ」



 互いに互いをたてあい合うのを咲夜は「はいはい」と手を叩いて止め、その理由について説明する。



「考えられる理由は二つですね。一つはバトルロワイヤル形式における数合わせです」

「「数合わせ?」」



 二人同時に尋ねる姿に、咲夜は思わず小さく笑みを浮かべるが、再び続ける。



「北海道、東北、関東、中部、近畿、四国、中国、九州。かつての日本を取り戻したことで、その要となる各本部ももとの地方に置かれるようになりました。その数はいま言ったように八つです」

「…八つ…あ、そういう事ですか」



 咲夜の話を受け、先に理解したのは夜宵の方であった。



 脳天にクエスチョンマークを浮かべている朝陽のために、咲夜はそのまま説明を続けた。



「今回の【大輝戦】は二日に分けられて行われます。一日目は第一部、第二部、第三部という形で一部ごとに三つの地域同士で戦い合います」

「三つ…あ、それで数が崩れないように一つ増やしたってことですね!!」



 ようやく理解した朝陽に、咲夜は頷くが、しかし朝陽は再び首をかしげる。



「ん〜…?でもそれなら追加しなくても別に良かったんじゃないですか?三部に分けずに二部にすれば良かったんじゃないかなって……」



 咲夜は朝陽の言うことも理解しつつ、改めてメンバー表を指差した。



「今回の『大輝戦』はバトルロワイヤルを想定してから例年より一名多い四名ずつ選出されています。例えば東京本部が追加されなかった場合、一部で四つの地域が戦うことになるわけですが……」

「……計16人……多い、ですかね?」



 咲夜の言わんとしていることを理解し、朝陽は口籠もりながらも答えると、咲夜はその通りだと頷いた。



「多いですね。それにいくら最高本部と言えど、16人が完全な実戦方式を想定したフィールドを作成するのは難しいでしょう。第二部、第三部に向けての修復もありますし、四人違うだけで大きく変わります。だから一回の部で人数を減らす意図も含めて最高本部の選抜枠を増やしたのでしょう」



 咲夜の説明を受けて、朝陽も咲夜も納得した表情を浮かべる。


 しかし咲夜はもう一つ説明を付け加えた。



「それからもう一つ。まぁこれは最高司令官の本意では無いでしょうが、最高本部の力の示したいのでしょうね」



 咲夜は小さくため息を溢す。



「最高本部は優れた人物が集まっているとされています。だからこそ、それが事実であると言う事を誇示したいのでしょう」



 咲夜の言うことが正しければ、確かにその考えは護里によるものではないと朝陽はすぐに理解した。


 直接会ったことのある身として、護里は絶対に力を見せびらかすような人物ではないと知っていたからだ。



「まぁそういった理由もありまして、改めて一枠設けた、といったところでしょう」



 二つの理由を終えると、朝陽も夜宵も今度こそ納得いったといった様子で頷いた。



「それでは各地方のメンバーの特徴をおさらいしましょう。まずは……」



 次いて間もないなか、咲夜達のミーティングはその後三時間以上続けられていった……

※後書きです







ども、琥珀です。


私は以前、『和』について語らせて頂いたことがあるのですが、最近その『和』も一つでは無いと気がつきました。


互いに『和』を重んじながら、思い描く『和』が違ければ、それはもう『個』なんですよね


『和』とは一体何なのか…『個』が増長し、組織を運営している身として、頭を悩ませる日々にございます。


本日もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新は水曜日の朝七時を予定しておりますので宜しくお願いします。

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