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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
2章 ー小隊編成編ー
31/481

第30星:開始

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。新しい環境で新しいことに挑もうとするが…?


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めているが、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『天照す日輪イノセント・サンシャイン』を覚醒させ、仲間の命を救った。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。戦場に現れた妹の朝陽の危険にいち早く勘付き重傷を負う。現在は療養中。


樹神 三咲 (22)

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。


佐久間 椿(22)

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。

『こちら椿小隊。ターゲットを視認したよぉ。数5。これならやれると思ねぇ』

『こちら三咲小隊。同じく目標を捕捉。数は4です。交戦を開始します』

『同じく朝陽小隊、メナスを確認しました!!数6!!戦闘に入ります!!』


 3小隊が交戦を開始したのはほぼ同時。敵戦力の報告を聞いた大和は、問題ないと判断し、交戦の許可を出した。


「始まったか。ここから忙しくなるぞ、咲夜、夕」

「は、はい!!頑張ります!!」


 裏返った声でガチガチな反応を返したのは、朝陽に代わって報告官として任命された新島 夕。正式な仕事として役割を果たすのは今回が初めてであり、流石に緊張を隠せていない。


「大丈夫ですよ新島さん。貴方は貴方に出来ることをやってください。貴方の最大限の努力が、私の支えになりますから」

「は、はい!!分かりました!!」


 その緊張を見抜き、咲夜は優しい言葉で語りかける。まだ固さはあるものの、先程よりも遥かにリラックスした様子で夕は答えた。


「さぁ、戦闘開始だ」






●●●







【三咲小隊】


「こちら三咲小隊。同じく目標を捕捉。数は4です。交戦を開始します」


 司令官(やまと)に交戦開始の合図を伝え、三咲達は戦闘体勢に入る。


「小隊編成初の実戦ですが、どうですか3人とも。やれそうですか?」


 メナスを視界に収めながら、三咲はメンバーに対して言う。


「フッ…任せてよ三咲さん。後方で応援する準備は万端だから」

「いや戦いなさいっての。サポート系のグリットであってもバトル・マシナリーがあれば戦えるでしょ」


 茶色の前髪をキザったく払いながら答えたのは、椎名 紬。その明らかに逃げ腰な発言に、三咲は的確なツッコミを入れる。


「戦闘なら私に任せなさいよ!!ボッコボコにしてやるんだから!!」

「あなたは毎度突っ込みすぎ。サポートする側の気持ちにもなりなさいよ」


 強気な発言がモロに顔に出ているのは、八条 凛。赤髪をツインテールに束ねているあたり、16歳の少女らしさの面影が残っている。


「大丈夫ですよ三咲さん。私が先陣を切ってサポートします」

「ホントに貴方だけが頼りです…お願いしますね…」

「「頼りにする相手が違うじゃない!!!!」ないのかい?」


 メンバーの中でも最も頼りにされているタチは、仲間からの突っ込みに苦笑いの笑みを浮かべていた。


「さて、実際今回に私達がとる戦術は似たようなものになります。最前線にタチ、二列目に凛、私と紬の二人は後方支援に回ります。私達もバトル・マシナリーで最大限援護しますが、直接的な戦闘は二人に任せることになると思います。良いですね」

「はい」「わかってるわ!!」


 返ってきた返答に三咲は頷きながら、視線を紬に向ける。


「二人の負担をどれだけ減らせるかは私達二人にかかっています。良いですね、紬」

「勿論、全力を尽くすさ」


 全員の返答と意思を確認し終えた三咲は、僅かに瞼を閉じる。


「(小隊編成に反対だとかどうとか、今は関係ない。小隊長に選ばれ、それを受けたからには、その務めを果たしてみせます)」


 ゆっくりと目を開け、力強い眼をメナスに向ける。


「さぁ、行きますよ!!戦闘開始!!」

「「「了解!!!!」」」






●●●






【椿小隊】



「よしよし〜一先ず5体ならやれそうだね〜」


 大和との通信を終えた椿が、メンバーを一瞥し確認する。


「しっかしこういう編成になるんだね。せっかくの初出動だし、是非記念に一枚写真に収めたいものだけど」


 最初に答えたのは写沢うつりざわ なな。黒よりの紺色の髪をサイドテールに束ね、椿小隊を納めるように手カメラのポーズを取っている。


「まぁたそんなこと言ってるんですか七さんは!戦場でそんなことやってたらホントに命を落としうひゃあ!!」


 突如奇声を挙げたのは海堂かいどう 海音あまねだ。いつもの気の強そうな顔が一転、顔を赤らめて恥ずかしがっている様子だ。


「そんな男勝りなこと言いながらこっちはちゃんと乙女だねぇ〜!」


 理由は明白。海音の背後から忍び寄った重袮かさね 言葉ことはが胸を揉みしだいていたからだ。


「ほれほれ!!もっとお姉さんにステキな表情をウボァ!?」

「い、いい加減にしろぉ!!」


 流石は指揮官(さくや)をぶっ飛ばしただけあり、翼をぶん殴るのにも躊躇はなかった。


「ふ、ふふふ…可愛い女の子に殴られるのもまた刺激的…」


 当の本人には全く効果がなく、寧ろ喜んでいるようにさえ見えた。しかし、そんな事は些事とばかりに、椿は全くのスルーだ。


「みんな、もうすぐメナスが見えてくるよ〜。準備は良いね〜?」

「はいよ!写り映えする戦い見せてやりましょう!!」

「おにゃのこパワーいただいたから元気いっぱい!!さぁいったりますか!!」

「うぅ…もうやだこの人…お前(メナス)らで八つ当たりだぁ!!」


 阿鼻叫喚のような叫び声を交えながら、椿小隊も交戦を開始する。






●●●






「朝陽小隊、三咲小隊、椿小隊、共に交戦開始」

「て、敵の数に変化はありません!!」


 咲夜と夕の二人が、それぞれに分けられた必要な情報を大和に伝える。


「分かった。咲夜はそのまま戦闘状況を逐一教えてくれ。夕は前回のように近くにメナスが潜んでいる可能性もある。警戒を怠らないでくれ。」

「り「了解」!!」


 咲夜と夕が眺めている机の上のモニターと、大和の前に大きく映し出されているモニターには、それぞれ味方と敵を表すビーコンが表示されている。


 これは前回の戦闘には使用されていなかった機器である。反応を示しているのは探知機(マーカー)と呼ばれる戦闘補具(バトル・マシナリー)である。


 腕に備え付けられたアームの部分に装着することで味方の位置を、そして特殊な超音波を発することで、メナスのみが放つ特殊なパルスを捉え位置を示すソナーの役割を担う。


 小隊メンバーを発表した際に咲夜が渡していたものは、このマーカーであった。


 但し、ソナーは互いのビーコンが放つ超音波がぶつかり合うことでメナスのパルスを捉えるため、距離は最大で15m程。


 更に超音波の波動は大きな機械で行えば行うほどその波は大きくなり、位置情報が雑になるため、まだレーダーとしての利用価値は高くない。


 それでも、小型のマーカーであればその位置情報は正確になり、今回のように戦闘において指示を出しやすくなるのである。


 更にこのマーカーには、もう一つ画期的な機能が搭載されている。


「各小隊の戦況は落ち着いたか?」

「はい、交戦してから3分経過し、現在は拮抗した戦闘を行なっている様子です」

「よし、そしたら各小隊長にタイミングを見計らってトレースを発動するよう伝えてくれ」

「了解しました。トレース機能のオンを通達します」


 咲夜は耳元に付けられたマイクを使い、朝陽達に指示を飛ばす。


「各小隊長へ司令官より通達。戦況安定後、マーカーによるトレース機能を発動してください」

『朝陽小隊、了解!!』

『三咲小隊、了解』

『椿小隊、了解〜』


 各小隊の返答から間も無くして、司令室中央部にビーコンとは別のモニターが床に表示される。その映像はやがて立体的になり、そして現場の様子を映し出していった。


 マーカーが持つもう一つの機能は、このホログラフ機能である。マーカーが周囲の様子をレーザー&ソナーによりサーチ、記録することで立体的な情報を得ることができる。


 その情報を複数のマーカーと合わせることでホログラフとしての映像で映し出されるのである。


 まだ鮮明度が足りない、色合いが青のみと難点は残すものの、これにより更に現場に沿った指示を出すことができるのである。


 備えあれば憂いなし。大和はこの一週間、与えられた資金と資源ででき得る限り彼女達をサポートできる環境を整えてきたのだ。


「前回は準備期間がなく、裏をかかれ彼女達を危険に晒してしまった。しかし、今度は違う。出来得る手全てを持って迎え撃とう。さぁ、かかってこい」



※ここから先は筆者の後書きになります!!ご興味の無い方はどうぞ読み飛ばして下さい!!






どうも琥珀です!!

週三更新から週二へ、そして2ヶ月の空白期間がありながら、どうにか30話まで到達しました…


このような状態にまでなりながら、続けて読んでくださっている皆様本当にありがとうございます!!


これからも何とか更新を続けて参りますので、宜しくお願いします!!


次回の更新は月曜日になりますので宜しくお願いします!!

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