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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
8章 ー千葉根拠地総力戦ー
192/481

第186星:ざまぁみろ

※大変申し訳ありません。1月8日に更新する予定が、日付を一週間間違えておりました。改めて投稿させていただきます


国舘 大和(24)

千葉根拠地の司令官として配属された青年。右腕でもある咲夜とともに根拠地の指揮をとりつつ、環境面、戦術面、待遇面の改善にも取り組み続け、『グリッター』達からの信頼を勝ち得た。関東総司令官という立場であるが、それを隠している。


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いながら、時に優しく、時に厳しく『グリッター』と接する。高い戦闘能力と強大な『グリット』を備えるが、その素性は謎が多い。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。自分に自信が持てない面もあるが、明るく純心。大和と出会い『グリッター』として覚醒。以降急速に成長を続け、戦果を上げ続ける。大和により、現在は小隊長も務めている。陣営は前衛。


斑鳩夜宵(22)三等星

千葉根拠地に所属する女性。実力もさながら面倒見の良い性格で仲間からの信頼は厚いが、妹の朝陽には弱い。自身の『グリット』の強大さに悩みを抱えている。現在は夜宵小隊の小隊長を務め、今戦闘では前衛及び大隊の隊長を再び務める。


樹神 三咲 (22) 四等星 《ベイルアウト》

千葉根拠地所属。生真面目な性格な反面融通が利かないことも。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を冷静に判断、指揮する。当初は大和方針に反対していたが和解し、現在は『三咲小隊』隊長を務め、今戦闘では後衛部隊の隊長も務める。


佐久間 椿(22) 四等星

千葉根拠地所属。洞察力に優れ、トラップを作る『グリット』を扱う。『アウトロー』との戦いでかつての自分と葛藤するが、三咲とのやり取りで再び『グリッター』としての姿を取り戻す。『椿小隊』隊長にして、今戦闘では中衛部隊の隊長も務める。


【朝陽小隊】

譲羽 梓月(23

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。物体を操る『グリット』を持つ。


久留 華 (22)

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。物体を圧縮する『グリット』を持つ。


曲山 奏(20)

明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。物体を屈折させる『グリット』を持つ。


【椿小隊】

写沢 七 (21)

 写真を撮るのが大好きで、同時に仲間のことをよく観察し、僅かに変化に気遣うことができる。物体をコピーする『グリット』を持つ。


重袮 言葉 (20)

 活発で女の子が大好きでいつもセクハラまがいの行いをするが、時折その表情に影を落とすことがある…幻覚・幻視・催眠の『グリット』を操る。


海藤 海音 (16)

 誰に対しても物事をハッキリ言う性格だが、仲間のために行動する優しい心の持ち主。僅かな機微から動きを直感的に読み取る『グリット』を持つ。


【三咲小隊】

椎名 紬 (22)

 ややキザッたい口調だが、経験も多く冷静な女性。相手と視線を合わせることで、相手の視界を共有する『グリット』を持つ。


八条 凛 (16)

 自信家で勝気な性格だが実際は素直で純粋な性格。自身の『エナジー』を纏わせ、その物体を操る『グリット』を持つ。


大刀祢 タチ (17)

 メナス襲撃後も密かに残った武家の家系で、礼儀を重んじる。根拠地の少ない常識者。攻撃した動線上に『エナジー』を残し攻撃する『グリット』を持つ。


【夜宵小隊】

私市 伊与 (19) 《ベイルアウト》

 年齢関係なく他者を慕う後輩系『グリッター』。近接戦闘を得意とする。自身の肉体の動きを加減速する『グリット』を持つ。


早鞆 瑠衣 (18)

 十代には見えない落ち着きを持つ、お嬢様系『グリッター』。支援を得意とする。人体・物体を強化する『グリット』を持つ。


矢々 優弦 16歳 四等星 《ベイルアウト》

 幼少期を山で過ごし、『グリット』無しでも強い戦闘力を発揮する。自然の声を聞くことができる。自然の声を聞き取る『グリット』を持つ。

【…!】



 その予想外な行動に、【オリジン】は驚きこそすれど焦った様子は一切見せなかった。



【(コレハモウ怖クナイ…ケド)】



 初撃でこれを食らった時は予想以上の力に驚いたものの、一度破ってしまえばどうということはなく、【オリジン】であれば十分に対処できる技であった。



【(モシ、アッチノ奴ガ攻撃ヲシテキタラ…)】



 それ以上に【オリジン】が警戒していたのは朝陽の方であった。


 理由は不明だが朝陽の攻撃は【オリジン】と相性が良い(悪い)らしく、通常の攻撃よりも被ダメージが大きかった。


 それでも、先程までの朝陽の攻撃であれば問題なかったが、現在の変化した朝陽の攻撃はかなり致命的で、流石の【オリジン】も回避を選択した程であった。



【(ア…マズイ!!)】



 そこまで考えて、【オリジン】はようやく自分の状況を理解した。


 対処できるとはいえこの球体の力は強く、対処するまでに数秒時間を要する。


 先程までは距離があったことに加えて、球体同士をぶつけさせる意表を突いたために事なきを得たが、今回はほぼ距離はなく、球体も一つしかないため同じ手は使えない。



【(モシ今コイツガ攻撃ヲ仕掛ケテ来タラ…)】



 【オリジン】は僅かに焦った表情を浮かべ、いち早く脱出を試みる。


 対して朝陽は、一瞬夜宵と視線を交わした事で意図を察しており既に攻撃態勢に入ろうとしていた。



『…ッ!』



 しかし現実は非情であった。


 空間が歪むほどの磁場を消し去った朝陽の身体は限界で、攻撃を仕掛けるどころか武器を持ち上げることさえ出来なかったのだ。


 そのことに夜宵はすぐに気が付く。



『チィ!だから言わんことではない!最後のチャンスを無駄にしおって!』 



 そしてその様子には【オリジン】も気が付いており、ニイッと笑みを浮かべていた。



【アハハ!残念ダッタネ!!ソイツノ言ウ通リ、私ヲ仕留メル最後ノチャンスダッタノニネ!!】



 僅かに身体を拘束されながらも、【オリジン】は既に最後の重力球から抜け出しつつあった。



『…今度こそ終いだな。我の最後の重力球が破られれば、我等は即仕留められようよ』

『…最後の最後で、私が足を引っ張りましたね。申し訳ありません』

『やめよ。貴様に素直に謝られると全身がむず痒くなる』



 最後まで悪態をつく様子に、朝陽は笑みを浮かべていた。



【アハハ!!楽シカッタケドモウバイバイダネ!!楽シマセテクレタオ礼ニ、一瞬デ殺シテアゲルネ!!】

『おうおう是非そうしてくれ。苦しいのはいやだからの』



 抵抗する姿は、もう見せなかった。そして【オリジン】は更に力を入れて、最後の球体を破壊した。



────ドスッ



【…?】



 その直後、【オリジン】は自身の腹部に違和感を感じ取る。


 視線だけを向けると、そこには椿が四角くて黒いものを自身の腹部に刺し込んでいることに気が付く。



【…ナニ、コレ?】



 その正体が分からず、思わず【オリジン】は椿に尋ねていた。



「私さ〜」



 しかし、椿は話を聞いていないのか、はたまた会話をする気が無いのか、全く違う返答を始めた。



「最近訳あって自分と向き合うようになってさ。これでも一応『軍』の人間としての振る舞いを心掛けてきたんだよね」

【…?】



 全く意図の分からない内容に、身体の動きを止めてしまう。



「それでもさ、やっぱ昔のことを思い出しちゃうと、色々と思うことがあるわけよ。本当に『軍』にいて良いのかとか、しっかりと善人ぶれてるかなとか」



 そして椿はゆっくりと顔を上げ、【オリジン】の方へ向ける。



「私の『グリット』を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 そこに浮かんでいたのは、『アウトロー』としての非人道的な佐久間 椿の笑みの表情であった。



【…ナニヲ】

「言ってるか分からないよねいいのいいの」



 そこで漸く【オリジン】の言葉にまともに返事を返した椿は、次いで刺し込んだ黒い物体を指さす。



「ところでコレ、実は超小型の電源装置なの。凄いんだよ、これ一つで一戸建ての家の家電製品全部が賄えるくらいの電流は流せるんだ」



 何故か商品説明のような話を始めるが、やはりその意図は理解できない。



【…ソレガ】

「分かるわかる。お前にとってはそれぐらいの電流じゃ対したダメージにはならないよね。ところでさ」



 再び話題を切り替える椿。しかし、次に発した言葉は【オリジン】の表情を豹変させていた。



「私の『グリット』、発動すると使用した素材の性質を大体3〜4倍にさせるんだよね」

【…ッ、オマエ!!】



 表情を一変させた【オリジン】は、動きが制限される中で、比較的自由に動かせる脚で椿を思い切り蹴り飛ばした。


 身体をくの字に曲げ、口からは吐血しながらも、椿の顔には笑みが浮かんでいた。


 そして、言葉としては出せなかったものの、口元の動きだけで何を言ったのかが【オリジン】には伝わっていた。



『くたばれ化物(バケモン)



 瞬間、【オリジン】の全身から収めきれないほどの電流が放電し始める。



【ガッ…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!】



 片腕を失っても平然としていた【オリジン】であったが、これ程明確に苦悶の表情を見せたのは初めてであった。



【(グッ…ウゥ…チョ、直接内部ニ流レ込ンデ来テル…カラ!!カ、身体ガイウコトヲキ、キカナイ!!)】



 通常の人間よりも身体能力に優れる『グリッター』、それを遥かに凌ぐ【オリジン】も、何倍にも膨れ上がった電流は効果があるようであった。



【ハ、ハヤクコレヲ…】



 電流を流しているポータブル型の電源装置を外そうとすると、力無く海面に浮かぶ椿はニヤリと笑みを浮かべた。


 次の瞬間、【オリジン】の立つ海面の四方から何かが飛び出し、それは球体となって【オリジン】を閉じ込めた。



【コレ…バ…ガババババババババ!!!!】



 球体は【オリジン】を閉じ込めただけでなく、大量の海水も含んでいた。


 電気を流す性質を持つ海水に閉じ込められたことで、【オリジン】はより一層強くなる電流をその身に受けていた。



「ヘッヘッヘ…ゲホッ!わ、私の『グリット』は複数のモノを掛け合わせて…と、トラップに出来るところがミソでね…今回使用したのはご存知、ぐ、軍作成の長距離ポータブル電源装置、そんでもう…一つは、軍特注絶縁体の…()()()()()()()だよ」



 そう、【オリジン】を海水ごと閉じ込めていた物の正体はバランスボールであった。


 軍が改良を加えたゴム素材でできたボールにより、通常よりも遥かに高い電流にも耐えられるように設計されており、更に椿の『グリット』により強化されたことで、絶縁体としての機能はもとより、高い耐久力も備わっていた。



【グガガガガガガ…!!オ、オマエ…!!】

「ハハハ…思い切り蹴飛ばされ…て、距離も離れてるし…ボールのせいで…姿…も見えないけど…怒ってる…のは分かるよ…」

『佐久間 椿四等星、生体反応危険水準まで低下、ベイルアウト、作動します』



 椿が言葉を発した瞬間、腰につけられていたベルトが作動する。


 機械の音声がなったあと、水晶が発光し、椿の全身を光が包んでいった。


 ゆっくりと浮遊を始める中、椿は最後まで笑みを崩さず、顔だけ動かし【オリジン】に向かって最後の一言を放った。



「三咲ちゃんと…みんなの分の仕返しよ、ざまぁみろ」



 その言葉が届いたかどうかは分からないが、椿はそのまま光の球に包まれ、戦場を後にしていった。



【ガワッ!!ガワワワワワワッ!!!!】



 夜宵が作った好機は去った。


 しかし、そのチャンスを、椿は最後の力で生み出した、千載一遇にして正真正銘最後のチャンスであった。



『これを逃したら後はないぞ!!力を振り絞れや光姫!!』

『分かって…います!!!!』



 名前と思わしき呼称を叫ばれた朝陽は、椿の勇姿を目にして、最後の力を振り絞り武器を持ち上げた。



『コレが…最後の力です!!後光日輪(ごこうにちりん)…』



 朝陽が構えると、六枚刃が後方に円を描くように展開される。


 六枚刃が激しく発光すると、その中央に次々と光が集約され、まるで太陽のように眩く輝き出した。



【ガァ…ァァァァァァ!!ヤ、ヤメ…ロ!!】

『《日光天輪(にっこうてんりん)》!!!!』



 そして、朝陽の叫びと共に辺りを純白に包み込むような強大な閃光が放たれた────

※後書きです






ども、琥珀です


大変申し訳ありませんでした。8日にセットしたつもりが、一週間ずれ込んで15日になっていました…


ホントにごめんなさい…以後気をつけますので今後とも宜しくお願い致します…


急遽の更新でしたが、本日もお読みいただきありがとうございました。

次の更新は、日曜日のお休みを挟んで月曜日に更新されますのでので宜しくお願い致します!!

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