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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
1章 ー朝陽覚醒編ー
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第十六星:成長

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。司令官である大和を補佐する。


斑鳩 朝陽(18)

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めているが、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『天照す日輪イノセント・サンシャイン』を覚醒させた。


斑鳩夜宵(22)

千葉根拠地に所属する女性。所属している根拠地における『グリッター』達を束ねる部隊の隊長。実力さながら面倒見の良い性格で、仲間からの信頼は厚い。戦場に現れた妹の朝陽の危険にいち早く勘付き重傷を負った。


樹神 三咲 (22)

千葉支部所属。夜宵の率いる『輝く戦士(グリッター)』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。


佐久間 椿(22)

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。


塚間義一(35)

千葉根拠地における指揮官で階級は少佐。『グリッター』に対する差別意識が強く、彼女達を平気や道具のように思い扱っている。特攻をしろと命じたところに大和が現れ、更迭された。

「『光の翼よ(フリューゲル)』!!」



 三咲達が順当にメナス達を撃破していく中、朝陽は『光輝く聖槍ブリリアント・ヘレバルデ』と『フリューゲル』を駆使し、『メナス』との戦いを優勢に進めていた。


 その戦い振りは凄まじく、既に13体いたメナスは10体にまで減っていた。


 ふと、朝陽は夜宵に纏わせた光によって、夜宵が戦域から離れていることを感じ取った。


 味方が夜宵の救出に成功し、安全な地帯まで運んでくれたのだということに気が付くと、夜宵を包んでいた光を解除した。


 それにより、バリアに費やしていたエナジーの負担がなくなり、朝陽の全身に更に力が戻ってくる。



「…うん、これで全力が出せる!ありがとうございます、三咲さん!!」



 朝陽の全身に溢れ出ていた光が、更に輝きを増していく。


 その光を嫌う『メナス』達は比例するように顔を歪め、獰猛に攻めてくる。


 しかし、朝陽に慌てる様子はない。


 朝陽が夜宵を守るために回していた光のエナジーは、自身の総量のおよそ三割にも及ぶ。


 ここまでの戦闘で消耗していたエナジーは全て回復し、これまで以上の力を発揮できるようになったのだ。



「さぁ行くよ!!こっからは全身全霊!!」



 その言葉と同時に、朝陽は『光の翼(フリューゲル)』を高速展開。その展開速度も先程よりさらに早くなっていた。



「『光の弾丸よ(ゲジョス)』!!」



 『光の翼(フリューゲル)』展開後、それぞれの刃の先端から光弾が放たれる。



【────ゥウ゛!!】


 しかし既に三体もやられている『メナス』達も、朝陽を最大限警戒している。


 突然の攻撃に対しても持ち前の身体能力でその攻撃を躱し、対処した。



「『誘導ゲシュトイアーテ』!!」 



 が、しかし、避けたはずの光弾は、『メナス』を追いかけるようにしてその向きを変えていく。


 回避した光弾が再び向かってくるとは思っていなかった『メナス』は、これを再び躱すことは出来ず直撃する。


 朝陽が放ったのは、『光の弾丸(ゲジョス)』と呼ばれる光の弾。


 その前に使った『光の矢(プフェイル)』に比べると、速度や貫通性は劣るものの、一つひとつの威力が高く『誘導(ゲシュトイアーテ)』と呼ばれるホーミング機能が備わっている。


 『光の矢(プフェイル)』が一撃必殺の矢だとすれば、『光の弾丸(ゲジョス)』は多撃必中の弾丸と言えるだろう。


 放たれたホーミング弾は三体の『メナス』に着弾。


 その分当てられた弾丸も分散されてしまったが、動きを止めるには十分だった。



「光よ、集え!!」



 朝陽が槍を構え、その先端に光が収束していく。


 光は巨大な槍の穂先を形作っていき、同様に展開されていた『光の翼(フリューゲル)』が二つずつ重なり、その刃の先端に光が集まり槍を形作っていく。



「『光の槍よ(ランツェ)』!!」



 その言葉と同時に朝陽、『光の翼(フリューゲル)』は一気に加速。


 瞬く間に距離を詰め、的確に三体の『メナス』の胸を貫いた。


 『メナス』が苦悶の表情を浮かべたのは一瞬、直ぐに黒い瘴気が噴出し塵となって消えていった。


 『メナス』の弱点は人間と同じだ。


 胸や脳を貫かれればその活動を停止する。


 逆にそれ以外の身体を攻撃してもあまり効果はない。


 一時的にダメージを与えることは可能だが、すぐに回復してしまうからだ。


 ()()()()()()腕の切断なども行われたが、数分後には何事もなかったかのように再生したとの結果が上がっている。


 そのため、動きを封じる以外の場合を除き、『メナス』を消滅させるには急所を的確に突くか、回復速度を上回る威力で攻撃する必要があった。



「残り、7体!!」



 同時に三体を仕留めた朝陽だったが、その目に油断はない。


 代わりに動きが変わったのは『メナス』の方だった。


 敵意むき出しだった瞳には僅かな困惑…いや、恐怖の表情が生まれていた。


 元々本能で動いてきた『メナス』達は、まさに本能で感じ取っていたのだ。


 ()()()()()()()()()()()()()、と悟らせたのだ。



【────ゥ、ウ゛ウ゛…】



 時に恐怖ソレは…



「ッ!?」



 ()()()()()()()()()()()


 朝陽の目の前には、この場にいたすべての『メナス』の姿があった。彼らの本能がそう告げたのだ。


 ()()()()()()()()()


 だから『メナス』は、数の利で圧倒するために集った。そして襲い掛かる。


 無秩序ではなく、朝陽を殺すための統一された動きだ。


 そしてそれは、奇しくもそれは、これまで『グリッター』達がとってきた行動だった。



「くっ!?『光の翼(フリューゲル)』!!」



 数の差を埋めるべく、展開していた『光の翼(フリューゲル)』を呼び寄せ、これに応戦する。


 しかし、バラバラだった先ほどまでとは違い、数だけでなく、拙いながらも連携を見せている。


 『光の翼(フリューゲル)』を展開しようとも、いや、展開しているからこそ、その動きに朝陽の情報処理が追い付かなくなっていた。



「あぐっ!?」



 対処できなくなった隙を『メナス』が見逃すはずも無く、朝陽の脇腹を僅かにレーザーが掠めた。


 少しずつ、少しずつ『メナス』の猛攻が朝陽を追い詰めていく。


 そして朝陽の背後(死角)には、既にメナスは迫っていた。



「成程、メナスも生き物。成長するというわけですか…でも残念」



 しかしそれでも、朝陽の顔に焦りはなかった。


 朝陽は気が付いていたからだ。


 迫り来る『メナス』の存在に、ではない。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

『背後、右側面から来ています』



 自分を助けてくれる仲間の存在に、である。



【────ァ ア゛!?】



 突き出した腕を、光を纏った朝陽の『光の翼(フリューゲル)』が断ち切った。


 朝陽には死角から攻めてきたメナスの姿は見えていなかった。


 いや、見ていなかった。代わりに見ていたのは三咲。


 『対敵生命体感知エクスタミネーター』によって朝陽の代わりに敵を補足し、負担となっていた情報処理を行っていたのだ。






●●●






 突如目の前にいた『メナス』達が去ってからの行動も、大和の指示によるものだった。


 随時情報を与えられていた大和は、『メナス』の行動がただ本能的に動いているわけではないということをすぐさま察し、朝陽の支援を指示したのだ。



「(なんて素早く的確な指示。私が口頭で伝えただけなのに、まるで現場に立っているかのような…)」



 義一が無能だと考えていたが、恐らく一流の指揮官と比べても見劣りしないだろう判断力に理解力。


 その指示で動いていた三咲は、ただただ感心するだけだった。


 再び朝陽に迫る『メナス』達。


 その動きを三咲は見逃すことなく細かく朝陽に伝える。


 朝陽はそこから必要な情報だけを抽出し、槍と翼を奮う。


 互角の戦いを繰り広げる両者の均衡を崩したのは『グリッター』サイドだった。


 激しく動き回る『メナス』がある位置に着いた瞬間────


「残念、そこは()()()()()()()()()



────パチンッ!



 どこから聞こえてきた指を鳴らす音とともに、『メナス』の全身に電流が流れる。


 僅かな痺れを感じたあと一瞬の閃光。そして『メナス』の意識は途絶えた。






●●●






「(ありがとうございます、三咲さん、椿さん!!)」



 三咲と椿との連携を経て一体のメナスを消滅させることに成功した朝陽は、心の底から二人に感謝しつつ、直ぐに意識を集中させる。



「残り、12体!!」



 三咲達が対応していたメナスも朝陽のもとに集結したため、相対する数の上はほとんどほとんど元通りになってしまっていた。


 しかし、朝陽も既に一人ではない。


 その数は12対12。


 『メナス』のアドバンテージであった数の理も無くなった。勢いも完全に朝陽達にある。


 この場にいるすべての『メナス』が消滅させられるのも時間の問題だろう。


 そして当然、『メナス』もそれを感じ取っている。


 だから『メナス』達は動いた。本能がこの場を打開すべく理解した通りに…

※ここから先は筆者の後書きです。興味のない方は読み飛ばして下さいませ!






ども、琥珀であります!!

今話では再び場面が戻りまして朝陽の戦いになります。

いやぁ正直ここまでいきなり強く書くつもりはなかったんですけどね、朝陽ちゃん。

でもほら、勢いというかなんというか、ね?なんかここは強くないとダメじゃね!?っていう雰囲気のもと描いてたらこうなったと言うか!!


…はい、やり過ぎました〜笑

あ〜今後どうやって周りの仲間を目立たせようかなぁ〜笑


本日も【Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―】をお読みくださりありがとうございました!!

次の更新は明後日金曜日になりますので宜しくお願いします!!

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