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Eclat Etoile ―星に輝く光の物語―  作者: 琥珀
5章 ー海外交流編ー
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第109星:帰還

国舘 大和(24)

再び根拠地に現れた青年。『軍』関東総司令部より『特級』の階級を与えられ、新司令官として正式に根拠地に着任した。右腕でもある咲夜とともに早速指揮にとりかかり、朝陽の『グリット』覚醒を促した。『グリッター』とのぶつかり合いを経て信頼を勝ち得た。


咲夜(24?)

常に大和についている黒長髪の美女。一度は必ずしも目を奪われる美貌の持ち主で、礼儀正しい。落ち着いたただ振る舞いからは信じられい圧力を放つことも。指揮官として司令官である大和を補佐する。並外れた戦闘能力でグリッター達の信頼を集め、彼女達に戦う術を伝える。


斑鳩 朝陽(18)四等星

千葉根拠地に所属する少女。『グリッター』としての力を秘めており、開花に至たらないまま戦場に立ったが、大和の言葉により、『グリット』を覚醒させ、仲間の命を救う。大和から信頼され、小隊長にも任命される。


樹神 三咲 (22) 三等星

千葉支部所属。夜宵の率いる『グリッター』部隊の副隊長を務めている。生真面目な性格で、少し緩い隊長に変わって隊を締める右腕。戦場全体を見渡せる『グリット』で戦況を見渡す。大和方針に反対している。『三咲小隊』小隊長。


佐久間 椿(22) 三等星

千葉支部所属。夜宵率いる『グリッター』部隊メンバー。包囲陣形の時には後方隊の指揮を任せられる。洞察力に優れ、物体を還元して透明な罠を作る『グリット』を効率よく扱う。おっとりした口調が特徴。『椿小隊』小隊長。


ヴィルヴァーラ・スビルコフ (20) 二等星

ロシアスルーツク支部所属。海外派遣交流により日本の千葉根拠地にやってきたロシアの『グリッター』。根拠地の『グリッター』と少しずつ交友を深めていたが…?


早乙女 護進(28)

派遣交流の監査役として千葉根拠地にやってきた(というか連行)非戦闘員・専門指揮官。『軍』最高司令官である早乙女 護里の息女であるが、品行は非常に悪い。大和の戦術の師であるが、過去に重いトラウマを抱えており…?


【朝陽小隊】

譲羽 梓月(23) 四等星

 冷静で優しいお姉さん。物事を達観気味に多角的に捉えるベテラン。


久留 華 (22)四等星

 おっとりで実は大食いキャラも、人見が良い。経験豊富なベテラン。


曲山 奏(20)四等星

明るく元気で爽やかな性格。真面目な性格ながら物事の核心をつく慧眼の持ち主。


【椿小隊】

写沢 七 21歳 159cm 四等星

 写真を撮るのが大好きで、同時に仲間のことをよく観察し、僅かに変化に気遣うことができる。


重袮 言葉 20歳 158cm 四等星

 活発で女の子が大好きでいつもセクハラまがいの行いをするが、時折その表情に影を落とすことがある…


海藤 海音 16歳 151cm 四等星

 誰に対しても物事をハッキリ言う性格だが、仲間のために行動する優しい心の持ち主。


【三咲小隊】

椎名 紬 22歳 四等星

 ややキザッたい口調だが、経験も多く冷静な女性。


八条 凛 16歳 四等星

 自信家で勝気な性格だが実際は素直で純粋な性格。


大刀祢 タチ 17歳 四等星

 メナス襲撃後も密かに残った武家の家系で、礼儀を重んじる。根拠地の少ない常識者。


【夜宵小隊】

私市 伊与 19歳 四等星

 年齢関係なく他者を慕う後輩系『グリッター』。近接戦闘を得意とする。


早鞆 瑠衣 18歳 四等星

 十代には見えない落ち着きを持つ、お嬢様系『グリッター』。支援を得意とする。


矢々 優弦 16歳 四等星

 幼少期を山で過ごし、『グリット』無しでも強い戦闘力を発揮する。自然の声を聞くことができる。

「お前…どうしてここに…?」



 護進が驚きの眼差しを向ける視線の先には、根拠地から離れている筈の大和が立っていた。



「何やら緊急事態が起きていると聞き及びまして、馳せ参じました」



 切迫した状況に似つかわない、しかし不思議と安心感を覚える微笑みを浮かべ、大和が答える。



「馳せ参じました…じゃないわよ大和司令官」



 その背後から、一人の女性が姿を現す。


 腰まで伸びた長い髪に、カチューシャによってまくられた前髪、そしてトレンドマークであろうメガネをかけた女性だ。



「移動船の緊急依頼に、本来使用する筈だった物資の運休停止及び臨時使用。それにここまでの移動費、全て司令官の指示によるものなんだから、費用は全部この根拠地に請求しておくからね」

「……それはまぁ…追々示談しようか……」



 女性ーーー佐々波 桐恵の指摘に、先程とは違う引きつった笑みを浮かべ、一度話を脇に置いた大和に対し、桐恵はため息を一つ吐いただけで応じる。



「大和司令官に…隣の方は…」



 初めて見る人物に戸惑う夕に、咲夜が近付いて説明する。



「彼女は佐々波 桐恵。関東総司令部に所属していて、関東総司令部におけるNo.2…副総司令を務める人物よ」



 ヒェ…と息を飲む音が聞こえるほど動揺を見せ、緊張のあまり固まってしまう。


 桐恵もそれに気付いて宥めようとするが、話しかける方が逆効果になると考え直し、一度放置することを決める。



「今更ノコノコ出てきてなんだ大和…目の前でまた部下を見殺しにする私を笑いにきたのか…?」

「久々の再会なのにそんな卑屈なことを言わないでくださいよ護進さん。それに部下を見殺しにする?それは違います護進さん。ボクは部下を救いにきたんだ」



 大和の発言に、護進は訝しげな表情を浮かべる。



「救いにだぁ…?じゃあお前は、この状況をひっくり返すことが出来るって言うのか?」

()()()()



 なんの躊躇いもなく、大和は間を開けずに答えた。それは、思わず護進がたじろいでしまうほど自信に溢れていた。


 大和は驚きの眼差しを向ける護進の横を通り過ぎ、モニターとデスクの側まで歩み寄る。


 そこには、夕と咲夜が立っていた。


 咲夜は大和が自身の前に立ち、足を止めるや否や、頭を深く下げた。



「申し訳ありません、大和。貴方に任せられたというのに、私は、その使命を果たすことが出来ませんでした」



 目の前で下げられた頭に、大和は暫く言葉を返さなかった。


 少しして、大和は咲夜の肩に手を置き、頭を上げるよう促した。



「咲夜、ボクが君に任せた内容は覚えているかい?」

「…はい…根拠地のことを任せる、と」

「そう、()()()()()()()、根拠地のことを任せた、そう言ったんだよ」

「……!」



 咲夜は何かに気付いたように顔を上げ、大和の顔を真っ直ぐみた。


 大和の表情は一切曇っておらず、咲夜に対して柔和で労うような笑みを浮かべていた。



「ボクは帰ってきたよ、咲夜。よく根拠地を守ってくれたね」



 次の瞬間、咲夜は目尻に涙を浮かべ、もう一度頭を下げた。


 それが謝罪であったのか、感謝であったのか、はたまた涙を隠すためであったのかは分からない。



「…それでお前は…どうやって戦うって言うんだ?姿見えねぇ、触れもしねぇ敵に対してよ」



 その雰囲気を壊すように、護進は険しい表情で大和を見る。


 しかし、大和はこれものらりくらりとかわし、答えた。



「言ったでしょう?触れることの出来ない世界なら、飲み込めば良いんですよ、って」

「それがどう言う意味かって聞いてるんだ」



 答えを言わない大和に苛立ちを覚えたのか、護進は声を荒げて尋ねる。



「護進さん、前の立場から離れて、資料を読むのを省くようになりましたね?以前の貴方なら万全を期すためにあらゆる資料や書物を読みあさっていたのに…」

「…あぁそうだな。もう必要ねぇと思ってたからな。それが今の状況と何の関係があるって言うんだ?」



 大和は護進から視線を外し、モニターに目を向ける。



「以前の貴方なら、この状況であっても真っ先に解決策を思いついていた筈…つまり、今のボクと貴方の差はここにある、ということです」

「…?」



 答えが掴めない大和の発言に困惑する護進であったが、尚も大和は笑みを崩さない。



「解決策は彼女達にある、というこですよ。出来るだろう、()()()

『任せてください!!』



 大和の言葉に、夜宵は力強く答えた。






●●●






 必死にメナスの攻撃を凌ぎ続けて来た朝陽達であったが、体力・戦闘補具バトル・マシナリーともに限界が迫っていた。



「くっ…バトルマシナリー大破!!もう予備がありません!!」



 本来仕掛けとして使用する予定であったストックも使用してしまった梓月が、隊を纏める三咲に伝える。


 見れば、他のメンバーも既に使い切っており、ついにレーザーに対して無防備な状態に陥っていた。



「ここまで…なのか…!!」

「あ、諦めちゃダメです!!私が残りのレーザーを防ぎますから!!」



 タチが思わず零した弱気な発言を、朝陽が発破をかけて奮起を促す。



「…うっ!」



 しかし、朝陽が『グリット』を発動しようとすると、肩の傷が痛み、それにより光を操ることは出来なかった。



「こ、こんな傷くらいで…!!」

「やめなさい朝陽!!無理に発動しようとすれば命に関わるわ!!」

「でもこのままじゃどちらにせよやられてしまいます!!どうせやられるのなら、この命を引き換えにでも…」

「何を言っているの!!私達は死ぬために戦ってるんじゃない!!生きるために立ち向かっているのよ!!」



 死を覚悟して『グリット』を発動しようとする朝陽を、三咲が嗜める。


 それもあって朝陽はどうにか思い留まるものの、その後小さく言葉を零した。



「じゃあ…どうしたら良いんですか…立ち向かっても…死ぬしか結末は残ってないのに…抗うこともできないなんて…」



 この言葉には、三咲も、誰も答えることは出来なかった。


 ただ残された僅かな時間の中で、重苦しい沈黙の空気が漂う。



「…!!右前方!!来るわ!!」



 その刹那の時間も終わりを告げ、無情にも、止めとなる三咲の言葉が朝陽達の耳に届く。


 最早習性であるが故に、朝陽達はその方角を見るが、そこには絶望を生み出す閃光が目に入るだけであった。



「ッ!!やっぱり私の『グリット』で…!!」

「ダメよ!!一か八か、回避するのよ!!」



 メナスのレーザーは光の速さ。目に見えてから回避に出ては間に合わない。


 例え先に回避行動に出ようとも、メナス達の高い照準率から逃れることは出来ない。


 そして既に、その照準は終わっていた。


 朝陽達が回避に出る前に、無慈悲に閃光は放たれーーーーー



「『闇夜の月輪ダークネス・エクリプセ』」



 それを、闇が全て飲み込んでいった。



「間に合ってよかった。みんな、無事で良かったわ」



 思わず目を瞑っていた朝陽達が、目を開いた視線の先に、真っ黒なオーラを纏った斑鳩 夜宵の姿がそこにあった。



「お姉…ちゃん?」

「夜宵さん!!」



 自分を呼ぶ朝陽と三咲の声に、僅かに振り返り笑みを零す。


 その後に続くようにして、夜宵小隊のメンバーと、椿小隊が遅れて合流して来た。



「遅れてごめんね〜みんな無事でなによりだよ〜」



 普段から見慣れている筈の椿の笑みも、今この時ばかりは朝陽達に安堵を与えてくれる慈母の笑顔であった。


 再び姿を消したメナスに最大限警戒をしながら、夜宵は耳につけられた小型の通信機越しに大和からの指示を受け取る。



『作戦は話した通りだ。この戦いの核は、君と優弦君にかかっている。朝陽君達を…根拠地を救えるのは君達だけだ。任せたよ』

「分かっています。必ず私の…私達の務めを果たして見せます」



 通信を切り、夜宵は隣に立つ優弦に声をかける。



「司令官は私達が頼りだって言ってくれたけど、実際は貴方が作戦のキーマンよ。お願いね優弦」

「あんま…り、こういう役割任され…ないから、緊張する…ね。でも、夜宵さん…の信用には、答える…よ」



 言葉とは裏腹に緊張している様子は全く見せない優弦に、夜宵は笑顔で頷く。



「椿ちゃんは朝陽達を守りつつ、隙ができたら反撃をお願いね」

「任せて〜でも姿が見えないなんて初の体験だな〜」



 相変わらず戦場での緊張感が不足している椿の発言に、僅かにあった緊張感が取り除かれ、夜宵は改めて小さな笑みを浮かべる。



「さぁ行くわよ!反撃開始!!」

※祝・自粛解除






ども、琥珀です

(祝)で良いのかどうか分かりませんが、自粛生活が解除されましたね。


直近のニュースなどでも新型ウイルスの感染者が減少していると連日報道されていましたから、遠くはないかな、と思っておりました。


ただ、まだまだ未知数なウイルスであることに変わりはありません。

国からの宣言は解除されましたが、今度は各自で自粛を心がけ、二次感染被害などを抑えましょう。


以上、明日も通常通り仕事をする琥珀でした


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