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神は言っている。ここで死ぬ運命ではないと__

遂に主人公の過去が明らかに!(名前は未だに不明)


彼らがダンボール箱と大量の缶詰を持って行ったことを見届けて、天井から地面に着地する。


__しまった。食べ損ねた


物色中に来てしまった為、食べ物を一口も食べずに殆ど持ってかれてしまった。

仕方なく非常用と手書きで書かれた防災バックを漁り、乾パンを見つけると一口食べる。


__あ、美味しい


乾パンをスナック菓子感覚で食べつつ、バックを更に漁ってみる。


中には多機能ライト、保存水×5、レジャーシート、乾パン×3、救急セット、レインコート、ガムテープ、乾電池×6、簡易トイレ、軍手、マスク、etc……と色々入っていた。


__あ、生理用品も入ってる。有り難や〜


諸々をバックに仕舞い、まず目先の目的を決めていく。

このまま体育館に行って保護してもらうのは、先程の仮説を考えるとあまり良い結果にはならない気がする。

ここは家に戻って、武器を調達してから安全な場所を確保するしかないだろう。


見た目が美少女の女の子が、ゴリラのような馬鹿力を持っている。そんな危ない人と同じ空間で普通に接していける人なんて、漫画でもない限りいない。


集団のトップの人も、緊張状態の時に厄介ごとを持って来られるのは拒否するだろうし、最悪の場合、私が馬車馬のように働かせられる未来しか見えない。


とりあえず正面からの脱出は無理。

残るは業者のトラックが入ってくる裏口くらい。

貯蔵庫の窓から外を見てみると、既に太陽は殆ど沈んでおり、お月様が出てきていた。


校舎から出て裏口に向かう途中、太陽は完全に沈み切っていたが、私の視界は未だに昼の様によく見える。

ライトがスマホの携帯充電器と化した瞬間であったが、そんな考えも一瞬で消え去る。


裏口の門から血の匂いと腐臭を漂いさせる三体のゾンビが入ってきたのだ。


初めてのエンカウントを果たした私は……


思いっきり真っ直ぐにタックルを決めて、ゾンビを吹っ飛ばした。

ゾンビは6m程バウンドしながら転がってゆくと唸り声を出しながら起き上がろうとしていた。


私はタックルを成功させると一目散に門を出て、自分の家へと帰るため走り出した。



住宅街にある私の家は、かれこれ二年は一人で住んでいる。

理由は両親の交通事故による事故死。

私は一人っ子だったし、二人のお爺ちゃんもお婆ちゃんも私が中学生の時に他界してしまった。


父のお兄さんが結婚していて、一緒に住まないかと聞かれたが、両親が有り難い事に高校の学費だけでなく大学から就職までにかかるお金も用意していてくれたり、自衛官だった二人の保険金も二人分しっかりと残してくれた。

家のローンも返済が済んでいたので、私はこの家で暮らすことを願ったのだ。


最初は、慣れない一人暮らしで大変だったけど、親戚やお隣さんの助言を貰ったりして、一年経てば趣味にお金を使うためにバイトをするくらい余裕が持てていた。


いつもならどこの家からも光が漏れて、賑わう住宅街は悲しいほど静かで冷たく感じた。


カードキーを取り出し扉のロックを解除する。

女の一人暮らしという事で色々と防犯対策をしていた私の家は、どうやら荒らされていなかったらしくホッとする。

自室に入り、箪笥から服や下着、生理用品や風邪薬や抗生物質などが色々入った薬箱や防災バック、フリーズドライとレトルトと缶詰とカロリーメイトを登山部の活動や登山ガイドのバイトでも偶にしか使ったことがなかった容量80Lのバックパックに詰め込んでゆく。


まだ空きがあるバックパックにある物を入れるため、クローゼットを開ける。


そこには、軍用ナイフやサバイバルナイフなどの様々なナイフが飾られており、オーダーメイドで作った、ナイフを装備出来るタクティカルベストやタクティカルブーツやハードナックルグローブに、実際に軍用として使われているコンバットシャツ、BDUパンツなどが飾られていた。


鍛錬以外では、ただの飾り物にしていたが、ちゃんと定期的に手入れはしているので、いつでも使える状態となっている。


私は着ている制服を脱ぎ、コンバットシャツとBDUパンツに着替えて、ベスト、ポーチ、ブーツ、グローブと装備していく。


ナイフの手入れ用具をバックパックに詰めると背中に背負い、両足の足首にタクティカルナイフ入りのホルダーを専用ベルト固定し、左肩に軍用ナイフをホルダーごとマジックテープで固定する。


数本の投げナイフを胸のホルダーにセットし、予備のナイフやサバイバルナイフをバックパックに仕舞い準備が整った。


外が騒がしくなってきた。

どうやら逃げていた途中で出会ったゾンビ達が追いついて来たようだ。


もうこの家には留まれない。



父から教わったナイフ術と母から教わった刀術、そしてゴリラのような力が、今ある私の抵抗手段。


__これで何処まで生きていけるかなんてわからない。


しかし、私は生きるんだ。


何がなんでも生きてみせる。


私は玄関の扉を開けて、外に出る。




そんな装備で大丈夫かだって?















大丈夫だ、問題ない。









次回、主人公の名前が明らかとなる。



※作者は登山経験者ですが、登ったのは雲取山くらいで、本作品の登山やアウトドア商品の内容は、山男の父の経験談が主となっておりますので、ここはこうじゃない?とか、これは違うよ!などの意見は感想で教えて貰えると嬉しく思います。



※改稿しました。

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