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由起は冬威のそばにいるから!

結構普通?のラブストーリーって難しいかも(笑)

プロローグにどうつなげるか思案中。

冬威と由起…どこまで行かせよっかな~

「って由起ちゃん随分唐突だね? なんかあった?」


冬威は不意に胸に飛び込んできた由起の様子を伺う。


「別に‥何もないよ? 何でそう思ったの?」

由起は冬威の胸にうずくまったままで呟く。


「由起ちゃんのことまだよく知らないけど、ちょいイメージ違ったからなんか事情あるのかなって?」

「何にもないよ? 好きになるのに理由とか事情とか必要?」


「全然? 恋愛は自由契約だからお互いが良ければ好きにすれば良いと思うよ?」

「恋愛は自由契約って? どう言うこと?」


「ん〜何らお互いを束縛したりされたりする権利も義務も無いって感じ?」

「それって付き合ってる意味ないみたいだけど‥」


「そっかな? 嫌いになって別れたって何にも責任無いんだよ? お互いの自由意志によって成り立ってるだけなんだからさ」

釈然としない顔をする由起。

「なんか‥変なの。‥冬威ってやっぱり変わってるよね?」


「ありがと由起ちゃん、俺にとっては最高の褒め言葉だよ。ってそんな俺の事好きって言うんだから由起ちゃんもだいぶ変わってるって事だよ? 大丈夫?」

「大丈夫ってどういう事?」


「なんでもないけどさ」

「冬威ってさ…みんなと仲良しだけど、それなのになんでいつも独りでいるの?」

由起が不思議そうな顔をして言う。


「そお? あんま意識したことなかったけど?」

「だっていっつも講義は一番前で聴いてて、昼ご飯なんかもあんまりみんなと一緒に食べないよね?」

由起は冬威を見上げながら話す。


「う~ん、そう言われればそうだね」

「由起はいつも見てたから知ってる…それにさ、冬威知ってる?」


「なにを?」

「基礎ゼミの飲み会とかも冬威あんまり来ないでしょ?」


「まぁね、俺ってシャイだから間が持たないんだよね、ははっ」

事も無げに笑う冬威。

「どこがシャイなの? ってそうじゃなくて、ゼミの女の子たちがさ『女の子呼びたかったら冬威呼ばなきゃ来ないよ』って男子たちに言ってるの知ってる?」


「知らな~い。だから行っても間が持たないんだって」

「ふ~ん…。本当は地元にすっごく嫉妬深い彼女がいるんだ?」

由起が憶測を確信めいて言う。


「なにそれ? そんな子いないけど」

「本当にいないの?」


「いるって言っといた方が良い?」

「なにそれ? 冬威って本当はどんな人なの?」


「別にこのまんまだけど…」

「由起の周りには今まで冬威みたいな人いなかった。みんなと仲良いのにべたべた媚びないし、独りでいても平気…。不安じゃないの?」


「不安って…?」

「何て言うか…みんなと一緒にいないと…」


「う~ん…女の子の由起ちゃんにはわかりにくいかもしれないけど…俺は男の子だからさ、独りでも立っていられないとね? って感じ?」

「独りでも立っていられる…」


「そうそう! 独りでもしっかり自分で立っていられないようじゃさ、自分も大事な人も大事な物も守れそうもないじゃん? 男ってさ?」

「ふ~ん…そんなこと考えてるんだ…」


「やっぱり由起、冬威のそばにいる。もう決めたから!」

「どしたの由起ちゃん?」


「由起はさ、さっき冬威のこと好きって言ったよね? 冬威ちゃんと聞いてた?」

「聞いてたけど…」

由起のあまりの勢いに気圧される冬威。


「そっじゃあよかった! 由起は冬威のそばにいるって決めたから!」

「は? どゆこと?」


「冬威の返事はいらない、由起の押しかけだから! だから冬威が嫌だって言ったってお生憎様、由起は聴かないから覚悟して」

「由起ちゃん何言ってんだかわかんないって?」


「由起は冬威がどんな人なのかもっと知りたい。だ・か・ら・冬威のそばにいるから」

「由起ちゃん? なんかだいぶ変なこと言ってるよ?」


「い~の! 冬威は今まで通りでいいの! 由起が勝手にそばにいるから!」

「…なんかよくわかんないけど…由起ちゃんってちょっと変わってるね?」


「冬威に言われたくないって! と・に・か・く! 由起は冬威のそばにいるから! その内冬威に由起のことが好きだって言わせるんだからね!」

「それ、俺が言ったらどうなる訳? ゲームクリア? 俺は由起ちゃんのこと好きだよ? 嫌いな子の作ったお弁当なんか食べるわけないし?」

事も無げにそう言う冬威。


「好きって…冬威? なんかそれ…愛とか由起じゃなきゃだめ! みたいな感じじゃないよね?」

由起は顔を赤らめながらも不服そうに言う。


「俺ってそう言うの良くわかんないけど…なんか違うの?」

「う~ん…冬威は由起のこと嫌いではないことはわかったけど…なんかこう違うんだよね…燃え上がるように『由起じゃなきゃダメなんだ!』みたいな?」


「…うおおおぉ~由起が好きだ~! 的な?」

「ぷっ、なにそれ? でも…まぁそんな感じかな」

由起が笑いながら言う。


「由起ちゃん? 俺のそばにいてもなんも面白くないよ? 俺は気の利いたことできないからさ、もっと大学生らしく楽しげな奴と遊んで来な?」

「冬威見てたらさ…そう言うのもうあんまり興味持てなくなりそう…」

「って由起ちゃん? 案外そう言うのって大事かもよ? やるべき時期にやるべきことをしておくってさ。」


「じゃあ冬威はどうなのよ? 由起にそうやって言うなら冬威もそうしたら?」

「俺は…そう言うのあんまり求めてないからいいけどさ。由起ちゃんにそうしてもらおうなんて思ってないし」


「冬威? 悪いけどもうあきらめて…由起は冬威に取り憑きましたから…」

「って由起ちゃん? 妖怪や幽霊じゃないんだからさ…」


「冬威…案外由起は浮かばれない女の悪霊かも…よ」

「って由起ちゃん…それなら俺そう言うの大好きだから良いかも!」

「あのね…冬威…まぁいいわ! 午後から休校ならこれから由起のうち行こ! これから冬威に送り迎えしてもらうんだから!」

「由起ちゃん? それだと俺が由起ちゃんに取り憑いてるみたいなんだけど?」


「冬威は細かい事気にしないで! 早くいこ!」

由起は冬威の手を取ってドンドン歩き出す。

まるで春の嵐の様な由起だった。





 





  

 



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