第五素材 きっかけの街〈ヘンメル〉
俺たちは現時点攻略不可のはずの、心眼の洞窟で『心眼龍 オルドヴァ』と仲間になり、
一気にLvが上がった。
〔龍との契約により、経験値獲得。LvUP。Lv2→Lv15〕
Lv15ぉぉぉ!?!?
龍を仲間にしたらレベル上がんのか…………しかも13も一気に!
そういえばスライムさんの時はなかったな…チラッ
スライムさんの方を見た。
「なんだよ!!」
まあいいか。
〔契約により、スキル【初級心眼】を取得〕
おお!!スキルまで!!
このスキルを使ってみると、スライムさんの心の中が見える。
(早くここから出たいな~~~)
どうやらこのスキルは様々なものの心が見えるらしいな。戦う時とか戦略が分かるから、便利っちゃー便利かも!!
で、洞窟を出たわけだがどうするか………
そうだ!この流れだと次は街だな!!でもどうやって行くか………
「我が近くまで送ってやろう!」
さすが心眼龍。なんでもお見通しのようだ。
「じゃあ頼むよ。くれぐれも見つからないようにな。」
オルドヴァは俺たちを乗せて飛び立った。
上からみるとやっぱりこの森大きいわ。こりゃ抜けられないはずだぜ……
そうするとすぐ街らしきものが見えてきた。
あれが〈ヘンメル〉か……
レンガ造りの建物が並んでいる。にぎやかなところだ。
ここなら食料ももらえそうだな。仲間の勧誘は……無理だな。
スライムさんとオルドヴァがいる時点で、人を仲間にするとマズイ。
早速入ろうとしたが、
「スライムさん、オルド ヴァと一緒に待ってないと殺されるんじゃないのか?」
「ふふふ!それが大丈夫なんだな!」
自信満々に言い放った。
一体どうする気だろう。何をしてもバレる気がするんだけど……
「スキル【擬人化】!!」
するとスライムさんは煙に包まれた。
しばらくして煙が晴れたとこには女の子が立っていた。
【擬人化】いつの間にそのスキルを……しかも結構可愛い……
「これなら怪しまれんだろ?」
怪しまれないけど女の子と一緒に歩くのに抵抗があるんだよ!!っと内心思った。
だがこの際仕方ない。
「じゃあ入るか。」
とりあえず食料を売ってる場所を探した。
結構広いな……迷ってもおかしくないぞ……
数十分かけて肉屋、八百屋などを見つけた。
「いらっしゃい。新鮮だよ。」
んーそうだな……てか待って!!!俺お金持ってなくね!?
せっかくきたのにお金持ってなきゃ意味がない。どうすれば…
「ほれ。」
スライムさんがお金が入った袋を渡してきた。
なんで持ってんの!?
「買うにもお金がいるだろ?これやるから」
この時初めて自分の中でスライムさんをいいやつだと思った。
創汰の中でスライムさんの評価が上がった。
無事食料を買うことができてしばらくはあの場所での暮らしも安泰だろう。
ついでだから他にも色々店を見て回った。
鍛冶屋だったり、武器屋だったり、ここに住んでいれば生活に不便がなさそうだ。
この時創汰は思った。
俺もこんな街作ってみたいよ……
そうだよ!!自分で作っちゃえばいいんだよ!!
自分には【素材創造】と【作成上手】がある。創汰はそれだけで謎の自信に満ちた。
「スライムさん!!帰って早速やるぞ!!街づくり!!」
「はぁ!?ちょっとまっ………」
創汰はスライムさんが
の手を握って走り出した。
「いくぞ!オルドヴァ!!」
「分かった!!全力でいくぞー!!」
何気ないことをきっかけに始めることになった街づくり。
このたった一つの行動が、魔物にも大きな影響を与えること、そして異世界を大きく左右するであろう
“きっかけ”にもなった。