第二素材 スライムとの対戦
朝。
ふぁぁぁ………んーもう朝か……
ささっと作ったテントにしては、だいぶぐっすり眠れた。家が完成するまでここで寝よう。
早速テントから出て食料調達でも行くか、と思った時だった。
ガシャーーー
後ろを振り返るとテントが壊れていた。壊れたテントの上にはスライムがいた。
ス、スライム……
すると突然表示が出てきた。
〔「スライム」最下級の魔物。攻撃----体当たり、粘着〕
おお【超速解析】はここまでサッとわかるのか。
便利だが今はそれどころではない。最下級の魔物といっても武器がない俺には危険すぎる存在だ。
とりあえず……………「石」!!!!
【素材創造】で石を沢山出した。スライムは少し動揺していた。
この石を……テイ!!!
ポチャン
スライムに当たると石は吸収された。
……ですよね~~~
さあどうする?今ので喧嘩を売ったって判断されたら、俺は終わりだ。どうするか……………。
あっ!!武器がないなら作ればいいじゃん!!!でもスライムが待っててくれるはずがない。
「スライムさん、ちょっと待っててもらっていい?」
「…………いいけど?」
スライムが喋ったーーーー!?
絶対通じるわけないと思ったのに……。ていうかいいんかい!!
というわけで俺はスライムさんの了承を得て、武器を作り始めた。工具とかないから鉄は無理だから、石を上手く削った。【素材創造】でたまたま「削磨石」を見つけていた。これがあれば石を楽に削ることができるのだ。さらに磨いた後のように綺麗になる。これも異世界アイテムだ。
でもこの作業が長く続いたので苛立ってきた。
ボーッと待っているスライムを見て、
「見てるぐらいだったら手伝ってください!!暇なんでしょ!!」
「……はっ????」
スライムはだいぶ動揺した。そりゃ戦う相手に手伝ってって言われたら誰でもそうなるだろう。
そういえばさっき攻撃で【粘着】使えるとかいってなかったっけ?
それ使えば楽に木くっつけられるんじゃね??
そう思うと石を削るのをやめ、スライムを持ち上げた。
「スライムさん、ちょっとすいませんね………。」
そしてスライムを木材に押し付けた。
「いででえででで!!!!!!」
【粘着】は接着剤より強力な液を出して、なんでもくっつけられるらしい。
木材もいい感じにくっついた。これをスライムさんの意見を聞かず何回も繰り返した。
楽しい……………!!!!!!
「もうやめでーーーー!!!!!!!」
家が完成した。
内装はまだだけど基本的な部分は終わった。
俺にとっては好都合だけど、スライムさんにとっては拷問だったらしい。
ハァハァいってこちらを睨んでいる。
【粘着】はまだ色々使うところがありそうだな……。それにスライムさんがいればこの世界の事を色々聞けるかもしれない。
「ねえスライムさん。俺の仲間になる気ない??」
「はぁ!?」
そりゃそうだろうな。拷問の後だもの。
誰だって痛めつけられて仲間になれって言われたら、ムカつく。
だから俺はスライムさんと交渉することにしてみた。
「なんか欲しいものあったらあげるから……」
スライムは少し考えていた。
そして回答してくれた。
「邪気石の純度が25%以上のやつ!100個くれたらいいぞ!」
という要求だった。
多分スライムさんは(こいつ武器持ってないぐらいだから絶対無理だな)とか思ってこの要求にしたのだろう。ふふふ、スライムよ、甘い、その要求、甘〜い!!!!
「ほう、そんなものでいいのかね。では差し上げよう。それ!!!!!!」
そういって【素材創造】で邪気石を100個出した。
「これで仲間になってくれるんだな?。」
スライムは驚きつつも、冷静に答えた。
「……だがな、純度が25%以上じゃないと認められないなー。」
そうやって一個一個確認し始めた。
ふふふ、25%以上と言われて25%を出す俺ではない。もちろんやってやった。
「な、何!!純度が全部50%だとぉぉぉ!!!」
驚きを隠せないスライムさん。
要求の上をいくやつを出してやればもうなんともいえないだろう。
やった!!初めて魔物に勝ったぞーー!!!!全然違う方法なんだけど…………まあそこらへんはどうでもいいだろう。
「これからよろしくな。スライムさん!!」
こうして念願の家も完成しつつ、スライムに勝利し、仲間にすることも出来た。
いい調子である。
このまま食料調達もいっちゃうか!!!
自信満々にスライムさんと一緒に歩いていくのであった。
〔LvUP。【素材創造】が強化〕
現在の状況
・早見 創汰 Lv2
取得済みのスキル
・【素材創造】Lv2
・【超速解析】Lv1