□第五話
昨日は、葵にいろいろみっちりと仕込まれたので、女っぽくなることができました。
ハッキリ言って複雑……。
まぁ……頑張ります!!(誰に言ってるんだか)
――昨日、蓮から「なんで休んだんだ」とメールがあった。
『女のからだになってしまったからです』
『しかもその格好でお前に告白する特訓をしていたからです』
なんてことを言えるはずもなく、ちょっと調子が悪くって曖昧に答えておいた。
さっそく向かうのは公園。
いつも蓮と行く公園だ。
長期休みになるといつもこの公園に二人で行った。だから今日もここに蓮がいるはず。
そう思って、俺は行くことにした。
公園に行ってみると……。
そこには思ったとおり、蓮がいた。
でもそこにいるのは蓮だけではなく、蓮の彼女も一緒だった。
彼女と一緒にラブラブデートかよ。
そんな考えに一瞬傷つきながらも、俺はさっと木の陰に隠れる。
この格好だからばれることはないけど、反射的に隠れてしまった。
…何を話しているんだ?
蓮達がいる方に耳を傾けるがよく聞こえない。
――それから10分ほど経った。
何か俺、ストーカーぽくないか?!
と思いながらも、蓮とその彼女を木の陰から見ていた俺。
全然声が聞こえないから、蓮達に少し近づくか、と思った瞬間。
突然、大きな声が飛んできた。
「どうしてわかってくれないんだ!!」
「それは蓮がいけないんでしょ!!」
――あれ?何か険悪な感じか?
二人は何か言い争い、喧嘩をしているようだ。
「もう蓮なんか知らない!!」
パシっ!!
蓮が彼女に頬を打たれた。
痛そう……。
そう思っているうちに彼女はどっかへ行ってしまった。
ひとり残された蓮はひとり淋しくベンチに座った。
何かを考え込む蓮の姿。
淋しそうで、悲しそうで。
その姿を見た俺は、つい木の陰から出てしまった。
話しかけて慰めてやりたかったから。
俺の視線に気づいたのか、蓮はこっちを向いた。視線があっただけでドキドキしてしまう。
俺はそっと蓮に近づいた。
蓮の座っているベンチに俺は、ゆっくりと腰をかけた。
何か中途半端なところで、終わってしまいました。
続きは次回で。