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□第四話

――さっそく蓮にアタックするための準備に取りかかった。


最初は、恰好かっこうからということで、女物の服を着よう。


さすがに、俺は女物の服なんか持ってない。


……しょうがないから、妹に服を借してもらえるよう電話した。

あまりにすんなりOKをもらってので驚いた。

しかも妹が服を届けてくれると言うので有難い。


このままじゃ、外でれねぇーし!!



――妹とは、年は一つしか変わらない。

ショックなことに背もそんなに変わらない……。


中学校の時に牛乳をたくさん飲むべきだった……。


でも、俺が大きかったら妹の服を着ることができないから、これはまぁ、良しとしよう。




 ピンポーン



あっ、きた?


玄関に向かうと、妹の葵がいた。

俺の姿を見て、呆然としている。


「ええっと、どちらさまで……」


それは葵の言う台詞ではない。と言いたいところだが。

この俺を見た後ならしょうがない。


「俺だ。咲哉だ。お前の兄だ」


「……」


それを聞いても、まだ葵はぼーっとしてる。


一応、俺が女になったということを電話で話しておいたが、まだ信じられないようだ。

俺自身も、信じられなかった。

でもこれは本当なんだ。


「まぁ、入れよ」


そう言って部屋にすすめた。




「もう一回言うけど、俺はお前の兄の咲哉だ」


「うん……わかったけど……何かお兄、可愛くなったね」


感心するように言われた。

というか、さっきから気にしてたのはそこか?

俺が女になったというより、そっちが気になるのか?


「まぁ。信じてくれたならいいけど。あのさ、俺に似合いそうなのあった?」


「うん。ていうか、お兄の女の子姿見てなかったらから、どれが似合うかわかんなかったけど、どれにも似合いそう!!着せ替え楽しみ〜」


俺は、着せ替え人形か!?

そんな突っ込みは置いといて、本題に。


「どうすればいいんだ?」


「うん……。どうしようか。とにかくスカートはこう。スカート!」


「ス、スカート!?い、嫌だ。せめてジーンズにしようぜ」


そう言うが葵は引き下がらない。


「お兄!!お兄からあたしに頼んだんだから、おとなしくしててよぉ!!」


「ぎゃーーーーーーーーーーー!!」
















―――30分後。


「うん。いい!!超お似合いだよお兄」


「は、恥ずかしい……」


スカートにブーツ。ネックレスにブレスレット。

すべて女ものだ。

俺が思っていたのとはちょっと――だいぶ違ってた。


……恥ずかしすぎる。

男がスカートなんて……。

しかも、スカートってなんかスースーするし変な感じだ。


俺の反対に、葵は満足そうだ。


「お兄がそんなに可愛くなったら、蓮さん惚れちゃうかもよ?」


揶揄やゆするような口調で言った。


俺が蓮のことを好き、って言うことは葵には、とっくに知られてしまっている。

俺から言ったわけではなく、葵から「蓮さんのこと好きでしょう?」と言われたのが。

ばれたので隠さなくてもいいと思ったので、おもいきって言ってしまった。



「お兄。後、歩き方とかも練習するからちゃんと見てよね」


そんなのもあるのかよ!?

別にいい、と断ろうとしたが。


「お兄。言ったよね?全部私に任せるって?」


「そうだけど……」


「なんか言った?」


怖!!

何か今日の葵、怖!!

逆らってはいけない雰囲気だ。


「いいえ。何でもございません」


「それじゃあいくよ!!」










それから、葵先生による、「俺が女の子らしくなるためレッスン」が開始した。



次回、やっと蓮君が登場します。


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