間章.2 始まりは偽りと共に
城の真ん中、薔薇の花が咲き広がる庭園は今日も王城に身を置く者の憩いの場として柔らかな日差しに照らされている。時に観光スポットとして一般客に解放される揺りかごの最奥地に、アルブス王国で最も美しいとされる青い薔薇で埋め尽くされたエリアが存在するのは愛と幸せを求める女性の中では有名だ。
今日もまた、その奇跡を眺めながら白が誇る天才二人が世間話に花を咲かせていた。
「君ともあろう男が珍しいことしたねえ」
空のティーカップを片手に優雅を纏ってくすくす笑う少女魔術師ことシキの正面に座り、不貞腐れるキャロルはやけ酒ならぬやけ紅茶を呷りそのままカップをテーブルにガンッと強い衝撃を与えるほど叩きつける。
「なにか文句はあるか」
「……ないけど。というか割れたらどうすんの、君じゃ弁償できないんだからやめてよ」
キャロルがアーテル側の要望を承け、梓塚に赴いてから三日が経過した。
日頃の職務で蓄積された疲労と諸々の精神的苦痛を理由に二日間の休暇を過ごしていた彼は復帰早々シキに取っ捕まり、梓塚での出来事を根掘り葉掘り聞かれていた。魔力パスを通していた以上視覚と聴覚は共有されているはずなので、ある程度の情報は得ている……とキャロルは思う。
それでも事情聴取をやめないのは嫌がらせも含んでいるためだ。仕事に従順でバカになるくらい真面目な彼が二日も家に引きこもるレベルの心労を溜め込むなど「どうぞ弄ってください」と言っているものだ、というのがシキの持論である。
二人の関係は友人───以前に上流貴族とその上流貴族に気に入られている平民でもあるため、シキに対しキャロルは越えられない絶対的な身分差があるせいでちょっかいを無視できないのかもしれない。
「意外なのは事実だろ? 君はオリオンくんを嫌ってる、だから僕はてっきり素っ首落として帰ってくると本気で思っていたんだ」
「あぁ……最初は俺もそのつもりだった」
「ということは気が変わったんだね? やっぱり意外だな」
オリオンがただ呆けてその任務を蔑ろにしていたならキャロルだってそれなりの手段で彼の命を奪うことはできたし、実際やろうとした。しかし彼の協力者として最前線に立っていた少女───月見一颯の覚悟を前にして無粋な真似をする気に一気に失せた。彼女が嫌々協力させられていたわけじゃないことはその口振りからすぐに理解できたのだ。
だからキャロルは見逃した。今回だけはと特別に。
────とは言っても、一般人を巻き込んでいることについてはなんとも説明しづらい。とりあえず変異体討伐を終えたら帰ってくるとだけ明確に伝えた結果、特に咎もなく、ヴィンセント公家側もそれで納得したらしい。それが良いのか悪いのかは各々の判断に任せよう。
ちなみに裏でキャロルの仕事を全て片付けていたシキは、途中からペンを持つと指が痙攣する症状に苛まれていたくらいで特に問題はなかったそうだ。むしろいかに彼が多忙な日々を送っていたかようやく理解できたのではないか。
「───にしてもさ、妙だよね」
ポットの中身を空カップに注ぎ入れながらシキは唐突にそんな言葉を口にした。
「妙、とは?」
「よく考えてみたらさ、変異体ってオリオンくんが最初に見つけて報告したんだろ? 彼が知らないヤツを城の人間が知ってるっておかしくないかな」
「……言われてみれば、そうだな」
彼は言った、三体目なんて聞いてない、と。
キャロルが伝えた変異体───後に現れたゼピュロスの情報は元々シキを介してアーテル王国側から得たものだ。それを最初に伝え聞いたシキがおかしい、と判断した。
何故か、彼女の言う通り矛盾しているからだ。
アルブスにも届けられた梓塚の変異体に関する書には、現地に赴く剣士の報告で存在すると判明した、と確かに書かれていた。それまで変異体が出現することを知らなかったアーテルが何故今になって新たな変異体の特徴を開示したのだろう。オリオンが知らなかった以上、明らかな違和感が生じる。
では次だ、その矛盾を産み出した人物は誰なのか。
「うーん……名前が出てこないんだよね、強面のさ、偉い人」
「あの国の連中はそんな奴ばかりだろう。その程度で判るか」
「ええーっアレだよ、あのさ……ア、アー」
発声練習でもしてるつもりか、と憐れみを含んだ眼差しで彼女を睨み付ける。
アーテルのアなのか人名なのかアレという抽象的表現なのか単純に悩んでいるだけか、彼女は独創的なので理解が追い付かない。ただ人名だとしたら彼の中で思い付く人物が一人いる、しかも結構有名人だ。
シキにその名前を伝えようと口を開いた瞬間、上空から外壁を辿って流れる風に変化が生まれた。
太陽の光を受け伸びる影、誰かの影が忍び寄る。
「誰、か────教えてあげましょうか?」
蠱惑を宿した女の声が空から降る。
警戒心を以て立ち上がり、存在を確認した二人は何者だと発するまでもなくそれが外敵であると理解した。
城の屋根に座り込んだ白い女は魔装束らしきモノを纏い、戦士に相違ない血の臭いを漂わせている。だが同時に高貴な身分と気高さを隠しきれないほど麗しい美貌の持ち主だ。
キャロルには白い髪を裂くように流れ出る血を彷彿とさせる赤が真っ白なドレスは身に付けない女の二面性を表しているような気がした。
「ねえ、無反応は悲しいわ。お姉さんは親切しに来たんだけどなぁ」
むっとした表情とは裏腹に黄金の瞳はそんなこと微塵も思っていませんと言わんばかりに嗤っている。
「なんだいアレ、君の知り合い?」
「馬鹿を言うな。あんな不躾な知り合いはいない」
「だよねぇ」
そもそも君同僚もトモダチ少ないし、と付け加えたシキには後でキッツいゲンコツをおみまいすることに決めたキャロルは、一歩ずつ女がいる屋根側に近付き一応定型通りの言葉を口に出す。
「貴様は何者だ、どの国に属している」
「そうね……───ジェーン・ドゥとでも名乗りましょうか」
日本語で表すならそう、"名無しの権兵衛"というやつだ。本来は名前が判らない人物ことを指すが、ジェーン・ドゥと言ったからには持つ意味合いは大幅に変わってくる。
"身元不明"。
明世界の海外では遺体の身元が死亡時に不明だった場合はその名を仮で与え、実際に起きたとある殺人事件の被害者たちは大半がジョン・ドゥまたはジェーン・ドゥと呼ばれたそうだ。
無論、宵世界ではそのような殺人事件の事実はないが残念ながら言葉の意味は同じ。むしろこちらの世界────特にアルブスやアーテルといった西の大国では"身元不明で名無しの誰か"と意味を一纏めにされているケースの方が多い。
つまり、目の前の女は暗に自らをどこから来たのかわからない名無しの権兵衛であると自称しているのだ。ふざけるにも程がある。
キャロルとしては尋問しているはずなのに、相手は全く真面目に答える気配がないのだからどうすればいいか分からない。
「馬鹿にしているつもりか。生憎と俺は洒落は通じん男だ、真名を名乗らないのであれば貴様を賊として捕らえることも吝かではないぞ」
「あら怖い、私は別に王様に危害を加えようなんて思ってないしこの国をひっくり返したいとも言わないわ」
「目的はなんだ」
「そんなに急かさないでちょうだい、私の目的はただひとつ────」
上空から下りる黒い影がキャロルを覆う。見上げればその薄く長い闇の正体が何十本にも及ぶ鋭い剣であることが解った。
そして女が命令を下すように人差し指をすっと彼に向けた時、剣の雨は無機質な音をたてて襲いかかってきた。
「───貴方の首よ、キャロル・アクエリアス」
青薔薇を散らす残酷な嵐が過ぎ去り、瓦礫に埋もれた庭園はいつの間にやら戦場へとすり変わる。
「……あらま」
土壇場でシキが発動した円形の防御結界に守られたキャロルは次なる攻撃のため一時的に後退した。
手には二振りの蒼剣・ガラティンが握られ、こちらはすでに攻撃を受けたのだから次は貴様の番だと青色の烈火を更に燃やす。
一方殺気を受ける側の女は大した興味も抱かず、キャロルの隣で薄ら笑いを浮かべるシキの姿を目視して派手な舌打ちをかました。
「ねえボウヤ? 私そっちの子は要らないんだけど」
「ちょっとおねえさんどういうことかな、僕こう見えてコイツより強いよ?」
「強いとか弱いとか低レベルね。私は貴方に用がないって言ってるの、お分かりかしら」
標的にしているのはあくまでキャロルだけ、シキは戦闘に加わることすら認めないという女に苛立った様子で指先を向ける魔術師はキャロルによって制された。
不満げにむくれた顔で彼の目を覗き込んだが、なにか策でもあるのか「補助はいらない」と言って彼は女の居る南側の屋根まで跳んでいく。
危険を承知しているなら止めない、というより人を殺す時のキャロルを邪魔するのは難しいことには誰よりも理解があるシキは大人しく身を退き、テーブルの物陰に身を潜めた。
「ちゃんと一人で来てくれて嬉しい、私女の子とダンスする趣味はないの」
「俺もだ、ダンスは苦手でな」
「じゃあお姉さんが手取り足取り、教えてあげましょうか────!!」
レイピアとまではいかないが細身の──遺装と思わしき──白い剣を抜いた女はどこからともなく虚空に新たな剣を生み出す。
先程の不意打ちで出現したものと同一と見ていい大量の刃はキャロルが回避し、屋根や地面に突き刺さるとキラキラと魔力残滓を残して消えた。
質感や光沢のリアルさと風を切る重みは本物の剣なのだが、魔力だけで作られた魔法攻撃や正体を理解すれば消える幻と違い、それらは簡単に消えたりは決してしない。では彼女が発射している剣はなんなのか────当然、魔法である。
召喚魔法でどこからか引っ張り出している、複製魔法で贋作の剣を何本も瞬間的に製造しているなどと考えられるが、連射スピードが速すぎる。避けた瞬間にはまた次が、なんていう馬鹿げた速度で召喚もしくは複製すれば魔力の消費も尋常じゃないはずだ。しかし女の勢いは一向に収まらない、まるで別のなにかから魔力を吸い出しているみたいに。
「遠距離攻撃ばかりっ……! その剣は使わんのか!」
「貴方が近付けるなら使うかもしれないわよ?」
「──上等だッ」
回避行動ばかりを繰り返した結果、最初の場所からは大きく差ができてしまった。曲がり角含めおよそ100mほどの距離を埋めるには彼女の周囲から放たれる無数の斬撃を突破しなければならない。立ちはだかる障害をオールクリアするには最適なルートはどれか一瞬で導き出し、悟られぬよう速攻で近付く必要がある。
両手に握った剣の熱が肌に伝わり汗が滲む。斬影が重なりすれ違う度に刀身が衣服を掠めるほど距離が縮まり、戦いの中でも掃射される魔法の精度が増していることを嫌でも実感させられた。
しかし所詮は自らの命を狙う逆賊風情に負けるわけにはいかない。
キャロル・アクエリアスが天才と呼ばれる頭脳だけではない白の王が選んだ最強の剣士たる所以を見せつける時が来た。
「────ふぅん?」
彼の構え方が変わった、たったそれだけのことで女は怠惰な態度を改め、己が練り上げた魔力で剣を撃つ。
だが所詮はただの鉄。特別鋭いわけでも硬いわけでもない。だったら瞬間的に溶かしてしまえばどうと言うことはない。
彼が選んだルートはど真ん中、女の正面だ。曲がる必要も背後や左右から不意を打つこともしなくていい。
スイッチを入れたバーナーが燃え盛る。その温度は最早庭園の薔薇を熱でしおらせるほど、周辺への影響も考えない超高温の灼熱と化し迫り来る四連撃を弾き飛ばし、融解の蒼い炎が触れた物質を溶かし壊す。
「あの軍師、不適合者じゃなかったの……!?」
その通り。キャロルはこれ程の炎熱を発する魔法が使えるほどの魔力は持たない、なので全てはガラティンから所持者の魔力を消費しない程度に自律発動して点る炎だ。
それだけではない。自分に向かって高速で射出される刃を見ても動じない精神に加え、正確に剣を打ち当てる動体視力と移動しながら連続して両腕を動かす筋力は明らかに人間離れしている。一応だがシキによる補助や強化魔法の類いは一切ない、彼本来の実力だ。
彼を多少頭が切れる常人だと思っていた女にとってはかなりの誤算だった。
真正面から真っ直ぐ接近するキャロルは放たれるモノを全て灰塵へと変え突き進み、僅かに油断した女の目前に迫る。
この炎に接近されすぎては遠距離攻撃の魔法は逆に不利だ。全てが発射前に溶かされるか、撃てば自分にも刺さる可能性があるため握った剣を使うしかない。────それも溶けてしまうかもしれないが。
「覚悟ッ!!」
「────っ」
ぶつかり合う音が反響し、大空の下に木霊する。
音が拡散され時間をかけて静寂さを取り戻す王城の屋根の二人は互いの青く白い剣の優勢を譲ろうとはしない。しかし男女の体格差で勝るキャロルに一日の長があるか。
次第に圧され退ける女は強く魔力を込め、全身から放出することで四、五歩先ながらも距離を取った。
「困ったわ……こういうつばぜり合いになると、女の身体ってホント不便ね」
「まるで女の身体以外にもなれるような口ぶりだな」
「そう聞こえた? ま、ご想像にお任せするわ」
幼児とまではいかずとも可愛らしい小柄さとたわわな胸部、低めだが聞き心地の悪くない声やしなやかな手足はとても男性による女装の類いとは思えない。自分を見て愚痴を溢しただけだと彼は解釈した。生死を賭けた戦いの最中に変な心理攻撃で隙を作っては三流か脳が足りないとシキにバカにされてしまう。
どちらが先に斬り込むか、互いに牽制し合うことで膠着状態が続く。
金貨より美しい透明感のある金色に睨まれながら、輝きの既視感を元にキャロルは考えた。──あれほどの剣があれば数多くの異形を一網打尽できるな、と。異形殺しの才能はあるんだろうなんてぼんやりと思う内に、金の瞳についてと点と点が繋がるように思い付き口に出す。
「────貴様、━━━━の者か」
女はキャロルの言葉に反応し、動揺した。
狼狽えた顔を確認し意図せずチャンスだと即座に踏み込む。
片手に押し負ける程度の筋力しかない女に負けることはない。まずは左手の剣を弾き落とし、そのまま肩口を斬って戦意を削ぐ────!
「────銀剣操作、転界──」
この土壇場で魔法の詠唱を行った女はふらふらと不安定に揺れ始め、キャロルに攻撃されることなく屋根から転げ落ちて消えていった。
「ねえ、死んでないよね?」
テーブルの下からひょっこり姿を現したシキが両手でメガホンの形を作り、大声で彼に呼び掛ける。
城門や裏庭ではない下水口への入り口付近の方へ落ちたのを見ていた彼が地面を覗き込む。
あったのは四肢があらぬ方へへし折れた無惨な死体。白い髪と白い服は血が滲み、真っ赤な花を咲かせている。
首を横に振ることで女の死をシキに伝えると、彼女は気分悪そうな声で「早く戻ってきてよ」と宣いテーブル周辺を片付け始めた。気楽なことだ。
結果的には勝利……だろうか、敵は死にキャロルは生きているので勝ちではあるか。
自信満々なクセに近距離戦になった途端大したことなかった逆賊の女が最後に呟いた魔法の正体は少々時間が経っても判らなかったが、後々遺体の魔力残滓を解析してシキが教えてくれるだろう。
今は勢いで登ってしまったこの高い屋根からどうやって降りるかを考えねばならない。さすがにこのまま落ちたら背後の死体みたくひっ潰れたカエル状態になる可能性の方が高そうだし、テーブルを綺麗さっぱり片付けた後のシキに頼むのも面倒くさがりそうだ。
さて、どうしたものか。
「…………?」
食器を重ねる彼女の背後、青薔薇の影に空間の歪みが見えた。ぐにゃりと歪曲しそこだけ切り取られた世界は異様な雰囲気を醸し出し、あってはならない出来事を彼に予感させる。
水面のように揺れる空間から伸びる黒い手が、細い首を掴もうとしてゆっくりと近付き───。
「シキ!!」
大声で叫び高さを無視して飛び降りた時、彼はその違和感に気が付いた。
呼ばれたはずのシキが反応しないのだ。この状況下で名を呼ばれて聞こえないフリなんて子供っぽいことは絶対しない。
じゃあキャロルは一体、誰を呼んだのか。
「残念。それは全部まやかしよ、ボウヤ」
女の嘲笑う声がクリアに聞こえた。
自分がいる屋根の反対側を見た瞬間彼は声を出す間もなく背中から全身に鈍い痛みを感じ、それが剣であることを理解する前に重みを含んだ身体は青薔薇の房へと落ちてゆく。
スローモーションな落下の中、最後にちらりと見えたのはテーブル下で彼と同じく背中を串刺しにされた魔術師の姿。
草木が折れる音を最後に炎はすっかり消えてしまった。
「……幻想魔法の支配術が封じられた魔法結晶、使い勝手は悪いけど中々楽しかったわ」
はじめから結末は決まっていた、キャロルとシキは敗れ、女が勝つと。
女は飛び降りる直前に魔法結晶という割って魔力を注ぐと簡易ながら魔法を発動させる便利アイテムを発動した。彼が見せられていたのは都合のいい幻想で、女は直後にこの位置に移動して間抜けな姿を晒すキャロルをずっと眺めていたのだ。
魔法結晶に含まれる魔法は高位なものであっても魔力が中で劣化しているパターンが多く、魔法抵抗力が人並みにあれば無効化できる。彼の場合は不適合者特有の低ステータスが災いし、本来引っ掛からないようなレベルの低い幻に惑わされてしまった。
シキは彼らが戦いに集中している内に暗殺されるような形で攻撃されたのだろう。
用意周到かつ姑息でしたたかな作戦を最初に見破れずキャロルがシキを不必要だと言った時点で、彼らはこうなる運命だったのかもしれない。
「さ、これでいいか。望み通り蒼剣の軍師を殺した、だから次は……」
────次はリオン・ファレルを。
女の独り言は果てしなく広がる青空に誤魔化され、薔薇の戦場は無惨に散らされ終わりを告げた。
数分後駆けつけた兵士たちによって無事に助け出されたシキ・ディートリヒはなんとか一命をとりとめる。
しかし、直前まで彼女と一緒にいたはずのキャロル・アクエリアスは赫炎の爪痕と燃え尽き荒れ果てた薔薇庭園だけを残し、行方を眩ませた。
*魔法結晶
詠唱した魔法を宝石に転換することで保存したもの。
割ることで中身の魔法が発動するが、大抵は魔力が劣化してしまい魔法抵抗力が平均程度あるだけで無効化できてしまう。
アーテルやアルブス、カエルレウムといった西の大国では取引や売買が禁じられている。