第一不思議
彼女は、私の発言を信じたくはないようだ。
「はぁ!?あんた、正気?」
残念、お嬢さん?
私はいつでも本気なのですよ!
「うん、正気だよ?」
そう普通に返す私に、彼女は
「全く狂ってるわ!貴方も、この学園も!」
そう不満を漏らした。
「そう?私そんなにおかしいかしら?」
残念なことに、私にはそれに思い当たる節が無い。
「おかしいわよ!何でこの学園の…」
七不思議なんか、と言おうとしたのだろうが、にっこりとほほ笑んだ私に戦慄したのだろう、語尾をすぼめて黙ってしまった。
「誰も協力してくれ、なんて言ってないのよ?」
「ただちょっと、周囲を牽制してくれっていうことでしょ。」
流石は十年来の付き合い。よくわかっていらっしゃる。
「ご名答。やっぱり…ね?」
「はいはい。…みんなに言われてるのにそのキャラやめないアンタが悪いんでしょうが。」
いい人ぶってて悪かったわね。
「…評価落とすわよ?」
その後、彼女に謝りに謝られ、私が折れた。
理由としては、彼女が「協力する」と言ったことが一番だろう。
…さぁーて、
「公庄学園七不思議の…」
「はじまりはじまりぃ…」
なんてね?