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ツインテイル§ドレイカー  作者: 花凛兎
シンデレラの憂鬱
11/56

【Ⅰ】

ゆっくりと……ゆっくりと死んでいく感覚。






細く細く息づく気配は、終わりが間近に迫っているのを悟らせる。






その時が来たら、この身と心はどうなってしまうのだろう。




どんな価値があるというのだろう。






……知れた事。






とうの昔にこの小さな館に幽閉同然に追いやられ、無価値の烙印は押されている。




日に一度朝も遅い時間に、その日の食べ物と衣服を世話係の者が置いていくだけの毎日。






涙など枯れ果てた。




怒りや悲しみの矛先など、最初から宙に浮いたままだ。




今はただ、そんな我が身がやるせないだけ。







痩せたため息と共に目を閉じたとき、部屋のドアが小さく軋むのが聞こえた。





真夜中にも近いこんな時間に一体誰が、と重い頭を巡らす。






「……よう。久しぶり。こんな所でこんな事になってるとはね」





ドアの脇に立つ男の姿が、懐かしくもおぞましい記憶を呼び覚ます。






「なぜ……! う、あ……ああっ……?」






 心が大きく揺れてしまったせいだろうか。






その瞬間、胸の中の大事な者が静かに終わりを告げた。




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