第2話 彼女の優しさ
「……。……いと……。……かいと……夫。……海斗,大丈夫?」
その声で俺は目を覚ました。
「うわっ! 」
「キャッ。なに? 急に大声出さない出よ,びっくりするジャン。」
「ご,ごめん……でも。」
顔が熱い。きっと俺の顔は今真っ赤になっている。
「でも?」
彼女は俺に顔を近づけてくる。
「いや,起きたら目の前にお前の顔があったから……その……。」
全てを察知したかのように,
「ふふーん。もしかして興奮しちゃった? フフッ良いよ私は,海斗がしたいって言うならキスぐらい。」
「え,お前それって。」
そう言うと彼女は顔を急に近づけてきた。彼女の息がこんなにも近くにある。
「おい,ちょっと待て,桜ちょっと考えようぜ,俺たちまだ会って数時間しかたって無いんだし……っておいおいおい近いって,いいのかお前……。」
彼女はおもしろそうに,
「アハハハハッ,海斗っていがいにキスとかしたときないんだ!」
「うるせーよ。てか以外ってなんだよ以外って!んじゃお前はしたことあんのかよ!」
「ないよー!」
クソッ。すがすがしいくらいはっきり言われた。
「でも……。」
彼女は続けた。
「でも,海斗なら別にいいよ。」
「ブフーーッお前,な,なにを言っているんだよ!」
「何って,海斗とならキスしても良いっていってるんだよ!」
おいおいおいどういう事だよこれは。会ってまだ数時間だぞ。いいのか俺……っていうかさっきのって告白されてたのか?ここはそう答えればいいんだ?
『好きだよ!』……いや,まだ核心があるわけじゃないからおかしいか。
ん? 待てよというか俺って桜のこと好きなのか? まあ,嫌いではないし,こんなにも可愛い子が大胆にもせまってきているんだし,ここは男らしくキスするべきか……。
こんな事を考えているとき彼女は,
「アハハハハッ,本気にしてる? 冗談だよー。フフッ海斗はやっぱりおもしろいね!」
クッソー。男心をもてあそばれていただけだったのか。でも,先に言ってくれてよかったー。あと少し遅かったら強引にキスして刑務所行きだったからなー。
「ねえねえ海斗,さっき真剣な顔してなに考えていたの?」
「ブフーッ! え,えっとそれわー……。」
やばい,キスしようとしてたなんて言えねーよ。
「ねえねえ教えてよ。」
彼女は俺に近づいてくる。やばい,心臓の音が聞こえてなきゃいいけど。
「そ,それわー。」
「ん? それわー? 」
おもしろそうに俺を追い詰めてくる。
『クソもう隠しきれねーな……』
「それわな……。」
諦めて話そうとしたその時……
『キーンコーンカーンコーン……』
『ナイスタイミング,神様有り難う!』
タイミング良く5分前をつげるチャイムが鳴った。
「あーあ,チャイムなっちゃった。後少しだったのになー。」
彼女は残念そうにしていて少しきのどくだが仕方がない。
「また今度,お前が覚えてたら教えるわ!」
そう言うと彼女は少し元気を取り戻しこう言った。
「絶対今度だよ!」
そこには,満開の桜のように綺麗な花が咲いていた。
クッソーなんだよこの可愛すぎる笑顔わ! 反則だろ。
「じゃあ,また来るね!」
「えっ? 俺も行くよ。」
「いや,まだここにいないとダメ! 顔色悪いしまた倒れられてもこまるしね! あと,なんだか眠っているあいだもうなされてたし。」
こいつ俺の事心配してくれているのか?
「もしかして,今までずっとついていてくれたのか?」
「うん……。」
ちょっと照れくさそうに言った。
「マジか。ありがとな今度なにかおごるわ!」
「本当? やったー。良いことはするもんだね!」
彼女は綺麗な笑顔を満面に咲かせていた。ちょっとドキドキしてしまった。
「おっと,じゃあ私もう時間だから行くね? また来るから海斗はおとなしくしてなよ!」
そう言うと彼女は教室へ向かった。
『ガラガラガラ……。』
「心配させないでよ海斗……でも元気でよかった。」
「急に静かになったな……もう一眠りするか。
俺は静かにまぶたを閉じ眠りについた。
「ありがとな桜……。」
楽しんでもらえればと思います!
是非コメントお願いします。